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等価交換の罠

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ボクがこれまでずーっと陥っていた落とし穴で、今もまだまだハマっている観念があります。
それが「等価交換」という観念です。

ボクはこの「等価交換」は当たり前の概念だと思っていました。
心の仕組みを学んでかなりたった後で「等価交換」の観念が苦しみを生んでいることにようやく気づきました。

物理学で「エネルギー保存の法則」というのがあります。エネルギーが別の形に変化しても、エネルギーの総量は変わらないというものです。
これを人間の世界に当てはめた概念が、等価交換の原則です。
「人は何かの代償なくして、何かを得られることはできない」というものです。

この考え方が「常識」であれば、「代償なく何かを得ているもの」はその原則から外れており、ルール違反をしているということになります。

例を挙げると次のような状況が当てはまります。
「私は時給1000円で8時間働いて今日8000円もらった。でもあの人は同じ仕事で1時間しか働いていないのに10000円もらっているのは不公平だ」
「私はある作業を100回行った。そしてその報酬として10000円もらった。でもあの人は同じ作業を1回しか行っていないのに10000円もらった。成果は私のほうが100倍出している。不公平だ」
「私はこんなに苦しい思いを味わってきて、努力もしているのに幸せなことが少しも起こらない。あの人はいつも幸せそうで不公平だ」
「あの人はとても美人でお金持ちで仕事もパートナーも恵まれているのに、私はブスで貧乏で仕事もキツく、彼氏もいない。不公平だ」

等価交換の観念を持っている人は、許せないわけですよ。この観念が強いほど許せません。
「私はこんなに苦労してがんばって働いてるのに、あんたはちょっとしか働いてなくて、成果も出してないのになんで同じ収入なんだ! 許せん!! ムッキー」となるわけです。

これって当たり前だと思いますよね。ボクもずっと思っていました。
でも、実は当たり前ではなく、むしろこの観念こそ苦しみを生んでいるのだと気づきました。

もし、この観念がなかったらどうでしょうか?

「損」という概念がなくなるんです。
だから、「私は損した」「私は恵まれていない」というのがなくなります。
すると、他人との比較がなくなります。だから嫉妬や自己卑下もなくなります。

他人が楽をして稼いでようが、苦労もしてなくて幸せだろうがそんなこと関係なくなります。
そして、自分がお金を稼いでいたり、幸せである理由も変わります。

一方、等価交換の観念を持っている人が成功した場合は次のように思うでしょう。
「私がこれだけお金を稼ぐことができたのは、私の能力が優れていたからだ」
「私が大金を稼ぐことができたのは、私のやり方が正しかったからだ」
「私が成功したのは、私が人一倍努力したからだ」
「私が成功したのは、それだけ人よりもリスクを取ったからだ」
「私が幸せなのは、私がこれまでがんばってきたからだ」
「私が幸せなのは、これまでずっと苦労してきてそれを打ち勝ってきたからだ」

そうでない人を見下しているんです。
そして、こう思っている人は失敗したときには同じ理由が自己価値を下げる原因になります。
結局同じ穴のムジナです。同じ「等価交換」つまり、エゴの罠に陥っています。

多くの人は「能力もなく、努力もせず、リスクも取らず、それでも成功している」というのが理解できません。
「ブスで貧乏で仕事もなく、パートナーもおらず、それでも幸せだ」というのが理解できません。
aed71de6388fe5ef5a60a4449cbbc8c7_sでも、実はまったくそんなことはないんです。
ある人が、能力もなくて、努力もしてなくて、リスクも取っていないのに、金銭的に恵まれていて、楽していて、成功していてもいいじゃないですか。
「よくない」という人は、実は自分だけはそうでありたいと思っているはずです。
そして、どんなに貧乏だって幸せでいられます。
仕事がなくったって、仮に仕事があって、それがとてもきつい仕事であっても幸せでいられます。
パートナーがずっといなくても幸せでいられます。
能力がまったくなくても幸せでいられます。
性格が劣っていたとしても幸せでいられます。
ブスであっても幸せでいられます。

これらのことは等価交換の観念が強い人ほど信じられないと思います。
ちなみに下三つの「能力がない」「性格が劣る」「ブス」は絶対的な指標ではありませんのでこれは単なる思い込みです。
能力がないと思っている人の100%が実は能力があります。
性格が劣っていると思っている人の100%が実は自分が今欠けていると信じている性格をすでに備えています。
ブスだと思っている人の100%が実は魅力的です。

※幸せと条件とはまったく関係がないということを詳しく知りたい場合は、著書「願いがかなわなくても幸せになれる」をご参考ください。

等価交換の観念があるから、私たちは、できるだけ「得」をしようとします。
楽とか、効率性を求めます。※ブログ記事「競争原理の罠」「エゴが嫌がる行為をする」もご参考ください。
別にそれが悪いことではありませんが、これらに振りまわされていると自分自身を失ってしまいます。

等価交換の観念が薄くなると、私たちは損も得もないことが分かります。
今置かれている環境、状況、条件に不満がなくなります。
なぜならすべてが等価値であることがわかるからです。価値が異なると思うから、そこに「等価ではない」という思いが発生するのです。

私は音声メッセージで「すべての考え方は正しいと考えると楽ですよ」と話しました。
「すべての考え方は正しくない」でも「すべての考え方は価値が等しい」でも言っている意味は同じですので、しっくりくる言葉に直してもらっても構いません。

すべてが等価だとしたら、そこには何も押し付けるものはありません。
「こうしたほうがいいよ」なんて出てこないのです。
「こうしたほうがいいよ」という言葉は、こっちの方があなたにとって有利、お得だから…というアドバイスですが、自分の価値観で損得をつけているだけに過ぎません。
すべては等価である(損得なんてない)ことがが理解できていれば、仮に誰かに「こうしたほうがいいよ」と言われても、自分がピンと来ないものなら無視できます。

私たちは、ポジティブなものとネガティブなものをプラスマイナスで見ています。
だから、等価ではないと信じています。
でも、実はそれらも等価なんです。同じエネルギーであり、ただ表現方法が違うだけで価値に差異はないのです。
苦しみや悲しみや楽しみや喜びはすべて同じエネルギーであり、すべて価値が等しいのです。

すべて価値が等しい中で、「自分はどうしたいか?」というだけなんです。
選択権は自分にあります。
自分が好きなものを選択すればいいだけです。
そこにいろんなレッテル張りや思い込み、世間の常識がついてしまうから選択できていないだけで、選択しようと思えばいつでも選択できるのです。
ただ、レッテルや思い込みや世間の常識のほうに惑わされて、そっちを選んでいるというだけです。
自分のハートが指し示すものを選べば、自分は心地よい。ただそれだけなんですよね。
問題を自分で複雑にしているんです。

いろいろ書きましたが、ボクもまだ「等価交換の罠」にハマっています。とらわれることもしばしばです。でも、以前に比べるとかなり抜け出せていますし、その罠にハマってもすぐに自覚できるようになりました。だからあまり比較をしなくなっていますし、幸せだと感じることが多いです。
これはカウンセリングを受けたことと自己ワークのおかげでした。
だから、ボクは「等価交換の罠」から抜け出すお手伝いをしたいなと思っています。自分をしばっているレッテルや思い込みから自由になり、自分のハートに従えるお手伝いを!

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

POSTED COMMENT

  1. 小柳康児 より:

    んだんだ!

    • 西川佳宏(よっし~) selfcompass より:

      小柳さん、コメントありがとうございます。
      まさか、小柳さんが見てくださっているなんて思いもよりませんでした。
      ひと言の中に小柳さんの温かい想いが詰まっているのを感じました。
      ありがとうございます。

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