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「すべての価値が等しい」というのが理解できない

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前に質問を頂いたことがあって、ボクが言っている「すべての価値が等しい」というのがよく理解できないというご質問でした。
よく考えれば、至極当たり前のことで、これって言っていることは理解できても、なかなか腑に落ちるのは難しいよなぁと思いました。

一つは、腑に落ちなくても、「こういう考え方をしたら楽になるかも」という考え方として知っていただきたいなと思います。
基本的に価値観は皆さん違います。価値観は数万とあって、どの価値観が自分にとって大事かという「価値観の優先順位」は人によってまったく違います。
そして、エゴは「自分が正しい」というのがベースにあります。なので、自分の価値観と違うものは、批判や拒否、攻撃しがちです。
しかし、価値観というのはそもそもあやふやな存在です。立場や状況が変わったら反対の立場にコロッと変わることもあります。暴力反対の立場だったのが、愛する人を殺されると、暴力賛成の立場に変わるかもしれません。また、価値観は成長時期によって異なります。男女の愛情が重要な時期もあれば、知性の発達が重要な時期もあれば、子どもが重要な時期もあれば、健康が重要な時期もあれば、精神的な発達が重要な時期もあります。同じ人でも年代によって変わります。

人が争うのは、価値観の違いというのが大きいです。自分の価値観と外れているので、相手が「おかしい」「間違っている」「ありえない」「常識がない」と思うのです。
でも、もし、相手の価値観を許容できたら、つまり、「私はあなたの価値観には賛成しないけれど、あなたがそういう価値観を持っていることは認めるし、その価値観を主張する権利も認める」ということができたら、争い事や怒りがかなり減ります。

エゴは「自分の価値観が正しい」としますが、すべての価値が等しくて、どの価値観であっても価値に差がないことを知っていれば、相手の価値観も尊重しやすくなります。
なので、「すべての価値が等しい」ということが腑に落ちてなくても、それが自分を楽にする考えだと思っていただけたらなと思います。
もちろん、しっくりこなければ、別にその考え方を採用する必要はありません。それも一つの価値観に過ぎないのですから。

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あとは、「すべての価値が等しい」ということを頭でなく、感覚で理解することが大事です。
頭ではネガティブなものも必要であることは分かると思うんです。
たとえば、今みたいな真夏の日に外から帰って冷たい水を飲むと美味しいですよね。とてもポジティブな感覚です。でも、それは帰る前の「暑さ」「喉の渇き」というネガティブな感覚があるから味わえるのです。
そういう意味で、両方が必要ですね。
そのような体験を人生の中でたくさん味わうことで、自分の中のネガティブ性、人生のネガティブ性を許容できるようになります。
カウンセリングを受けようと思っている人は、今、つらい時期だと思います。ネガティブなものから早く脱却したいともがいていらっしゃると思います。セッションでサポートすると乗り越えるのが早くなりますが、乗り越えたときには、その時期のネガティブ性も許すことができます。
そういう経験も経て、人生の中にポジティブだけではなくネガティブも同居することを許せるようになってきます。すると、状況にかかわらず、心地よさを選択できるようになってきます。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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