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エゴが嫌がる行為をする「損をすることの大切さ」

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自己啓発、癒し系の本などで「損をしよう」という提唱を見かけることがあります。
「損をしよう」と言われて、損をしようとする人はまずいないでしょう。
そのため、「損をすること」が「得」だから、損をしようと提唱せざるを得なくなります。
事実、「損を目指すことの方が結果的に得であることが多いから、損をしよう」という提唱の仕方になります。

その時点で「損」は「損」ではありません。もう、「得」に変わっています。
つまり、「得」のためにやる行為になります。

そのことのメリットはあります。一見損だと思っていることが受け入れやすくなります。

たとえば、「お金を落とした」とします。
普通に考えれば損ですよね。でも、「損をしよう」という考え方だと「得」になります。
つまり、お金を落としたことを受け入れられやすくなります。
「お金を落としたことで損をしたから、これで何かいいことあるかもしれない。結果的に得になるんだから」
そう考えると、苦しみは弱くなるでしょう。

でも、「損をする」というのはそんなけち臭いリフレーミングのためのものじゃない!
「損をしたら得になるから損をした方がいい」というものなら損なんてしない方がいい。
まったく意味がないからです。むしろ自分の本心を隠すという意味で害の方が大きい!

損をすることの本質は、もっと大きなものです。
それは、エゴを小さくするということです。
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エゴの行動原理は「損得」です。
ひたすら自分にとって「得」になることを目指し、「損」になることを回避しようとします。
それは生きる上で必要な行動です。
エゴは私たちを守る防衛システムですから、自分にとって益になることを目指し、害になることを避けます。それがいいとか悪いとか抜きでそういうものです。生きるうえで必要なものです。
エゴは別に悪いものではありませんが、防衛システムが強くなりすぎると弊害が生まれます。
自分の得ばかり追求し、それを得ることに一喜一憂します。知らないうちに人生の主役を自分自身じゃなく、防衛システムに委ねてしまいます。人生を明け渡しているんですよ!!エゴに。
自分の人生を生きているようで、実はエゴの「損得」に動かされた人生です。本当の人生を生きていないため満足感はありません。
ほとんどの人は自分の損得が行動原理です。エゴ中心の人生です。だから自分の人生を生きていません。
本当に自分の人生を生きるとは、エゴの行動原理ではなく、自分の心の奥底から湧き出る衝動に従って生きることです。それを直感と呼んだり、魂の声とかハートの声とか身体の声などと呼ばれています。

では、どうやれば人生の主役をエゴから自分自身に取り戻すことができるようになるのでしょうか?

不必要に強くなりすぎたエゴの機能を弱めることです。
ほとんどの人にとって、不要に防衛システムが強くなっています。平和な日本なのに街中に軍隊や戦車、飛行機、ミサイルがあふれているようなものです。それではストレスがたまります。
だからエゴを小さくすることが必要です。不必要に巨大になった防衛システムを現状に即した防衛システムに変えるということです。
ちなみに、理想をかなえること、価値観の善を目指すこと、価値観の悪を排除することは、すべてエゴを大きくさせます。この辺のことを詳しく知りたい方は本「願いがかなわなくても幸せになれる」をお読みください。丁寧に説明しています。

エゴを小さくするためには、損得のメカニズムを崩すことです。損得の行動原理を壊すことです。
そのために「損」をすることをやってみるのです。
すなわち、エゴが嫌がることをあえてやってみるのです。

あなたは何が嫌でしょうか?
何をすると損したように感じるでしょうか?
それをあえてやってみることでエゴを弱めることができます。

たとえば、匿名で寄付をする行為。
お金を失うことは誰もやりたくない行為です。それを誰にも知られることなくここ大事!)やることでエゴは弱くなります。
また、無条件のボランティアもいいですね。
誰もやりたくないような清掃活動もいい。
あえて、低賃金できつい仕事をしてみるのもいいです。
今の仕事を文句言わずに一生懸命がんばることもいいです。
そして、嫌なことに対する感謝もいいですね。無条件にひたすら感謝してみる。
だって、普段、嫌なことに感謝なんてしたくないでしょ?

それをすることが結果的に「得」になるからそれをやるのではなく、無条件の損をしてみること。
それが大事です。だから結果や承認にこだわるのはどこかで「得」を求めている行為です。
それは「得」のためにやっているので、「損」をしているわけではありません。
エゴを小さくするために損をしようとするのではなく、結果を考えずに、ただエゴが損だと思うことをしてみる。それが大切な姿勢です。

損をすることで、それが「損」であることの価値観が崩れます。実際にやってみるとそれが分かります。すると、一つ自分の枠が広がります。よりありのままの自分を受け入れられるようになります。
すると人生の主役をエゴから取り戻すことができます。

とはいっても、人生は修行じゃないですから、あえて嫌なことをやる必要はないかもしれません。
だから無理に損する行為にこだわらなくてもいいと思います。
むしろ、損得とか一切考えずに、ただ自分のハートや直感とか、感じるものをやっていけばいいと思います。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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