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いまを生きる

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100%当たる未来予知があって1か月後に災難に遭うとしたら…

100%当たる未来予知の占いがあるとします。

占ってもらうと1か月後、事故に遭い、大怪我をしてしまうことが分かったとします。

未来予知は100%なのでどう対策しても当たってしまうものとします。

すると、予知できたときから恐怖や不安を感じるでしょう。

実際に事故に遭うまで気が休まらず、1か月の間、楽しむことができないかもしれません。
不安や恐怖の思考がひっきりなしに頭に浮かんでくるかもしれません。

もし、未来が分からなければ、事故に遭うまではそのことについて何の不安も感じていません。
当たり前の話です。

この例と同じことをやっている私たち

実は、今の話と似たようなことを私たちはやっています。

現実に起こっていないことなのに、不安に悩まされています。

  • 今度の面接でうまく行かないかもしれない。
  • このメールを送ったら相手はどんな反応が返ってくるだろうか。
  • 次のプレゼンはうまくいくだろうか。
  • 今度のテストで赤点取るかもしれない。
  • 次の試合で負けるかもしれない。
  • 大地震が起こるかもしれない。
  • 老後、家賃が払えるのだろうか。
  • 人前でうまく話せるだろうか。恥をかきたくない。
  • 嫌われたらどうしよう。
  • 怒られたらどうしよう。

あたかも未来予知したかのように、将来起こりうることを真実かのように感じています。

真実に感じるほど心身に反応が出る

それをリアルに感じていればいるほど、体感覚や感情が湧きます。
予期したことがネガティブであれば苦しくなります。

真実に思えるのは、過去に証拠があったからです。

以前、この状況でこんな嫌なことが起こった。
次も起こるかもしれない。

実際に次に起こればより真実味が増します。
確実に起こると思ってしまいます。

不安は正常なメカニズム

それは人のメカニズムとして正常とも言えます。
私たちは生存が最優先でプログラムされています。

生存するためには、危機を避けることが必要です。
自分にとって危険があったことはきちんと覚えておかなければなりません。

そして、次の危険に備えるために、似たような状況に陥れば、アラームを出します。
恐怖や不安を感じさせて、危険を回避させます。

恐怖や不安の思考が出るのは当然です。

実際にはまだ起こっていないことに「いま」悩んでいる

しかし、この状況をよく見てみると、実際には起こっていないことに悩まされているに過ぎないことが分かります。

100%当たる未来予知の例と同じく、起こる前からずっと悩まされています。

いま、この瞬間は起きていないのに!

いまを生きることができない私たち

私たちは、いまを生きることができません。

常に未来、未来。または過去の執着で、いまを無視しています。

人生を味わえないのは当然です。

未来や過去に執着するなというメッセージではない

未来のことを考えるな、過去に執着するなと言っているわけではありません。

不安があれば対策するのはある意味当たり前のことです。

未来のことを考えないと生きてはいけません。
過去の学習、記憶がないと生きていけません。
未来を見据えたり、過去を振り返るのは自然に起こることです。

問題はあまりにいまから離れているということです。

起こっていないことへの不安が強すぎて、いまやらなくていいことにずっと悩まされています。

100%当たる未来予知の事故の例では、事故前の1か月の間はおそらく日々楽しくないでしょう。

それが常に起こっていたら、人生を味わえないのは当たり前です。

もし、起こることに解釈なく過ごせたら…

人生に起こることに意味づけやストーリーをつけなければ、苦しみはグッと少なくなります。

日々、寝て、起きて、トイレに行って、料理を作り、ご飯を食べ、掃除し、お仕事をし、お話しし、歩き、電車に乗り、目的の場所に行き、何かをただするだけです。

それをただ味わうのが人生です。

人生は目的をかなえることではなく、生きることのプロセスです。

思考やストーリーに左右されて生きるのもプロセスと言えますが、妄想の生き方というか、生身の生から遠ざかったプロセスです。

仮に事故に遭ったとしたら、事故に遭ったというだけです。

痛いときは痛がります。
感情が湧けば、感情を感じます。
手当をして、安静にし、リハビリします。

それだけです。

もし、事故の後遺症で不自由になれば、不自由になったまま生きるだけです。

そこにストーリーがくっつかなかったら、ただそれだけのことです。

不自由で不便に感じるでしょうが、起こることはそれだけです。

実際に起こっていることと解釈・ストーリーに分けてみる!

私たちは、起こることにストーリーをたくさんつけています。

実際に起こっていることと、そこから派生するストーリー、解釈に分けてみるとよく分かります。

どれだけ解釈まみれで日々生きているか!
そして、ナンセンスなストーリーをどれだけ信じているか!

時間を取って、頭の中でどんなストーリーが渦巻いているか探ってみてください。
ストーリーにならないような思考でも構いません。

この思考が見えてきたとき、分かると思います。

こんなにストーリーや思考まみれなら、いまを生きることをできないはずだと。
生き苦しいのも当然だと。

ただただ、人生に起こることに委ねたとき、苦しみは少ないです。

起こることに委ねるとは

起こることに委ねるとは、人生を受動的、消極的に生きることではありません。
無力感に陥ったあきらめではありません。

自分の中に湧き上がる情熱や思考、感情に抵抗しないということです。
起こることを抑圧せず、自然に任せるということです。
ポジティブなものもネガティブなものもニュートラルなものも全部です。
一番難しいのがネガティブなものですね。不快感を伴うので抵抗したくなります。

こう書くと極端にとらえる方もいますが、常に抵抗、抑圧しないということではありません。
仕事のときは怒りがあっても抑えることは必要です。
無意識で抵抗、抑圧しっぱなしなのでそれを緩めていきましょうということです。

幸せはいまに生きること!?

人生の幸福度は、人生に起こる質や達成度で決まるものではないと思います。

お金、職業、パートナー、子ども、趣味、成果…

もちろん、起こることが幸福度に影響を与えるのは間違いありません。

でも、それだけではなく、むしろそれよりもいまを生きていないことのほうが幸せに与える影響がはるかに大きいと確信しています。

もし、出来事や質によって幸か不幸かが決まるのであれば、人生に起こる90%以上のポジティブでもネガティブでもない淡々とした出来事に何も感じなくなり、わずかしか起こらないポジティブな出来事を追求するだけの生き方になります。

いまから外れていつも未来、未来…
もっと、もっと…の生き方です。

そして、その生き方をしている人がどれだけ多いでしょうか!

いまを生きたとき、この瞬間瞬間にとどまったとき、ストーリーを外して生きたとき、そこに奇跡があります。生の躍動を感じられます。

どちらの生き方ももちろんアリです。

ボクは後者の生き方を応援しています。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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