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コントロール欲求を認める

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境界線越えが必然的に生じる理由

世の中に境界線越えは山ほどあります。
だからこそ、他者の境界線越えに対し、自分がしっかり境界線を引くことが求められます。

境界線越えが当たり前に存在する理由は、それが人間の本質的欲求に根ざしたものだからです。

その欲求とは「コントロール欲求」です。

私たちは人生をコントロールすることを望みます。
よい人生にしたいと思うのは当然のことです。

社会をもっとよい方向に変えていきたい。
よい仕事に就きたい。
よいパートナーと巡り会いたい。
自分と関わる人がよい方向に向かってほしい。

そう願うことはもちろん悪いことではありません。

コントロール欲求は人間にとって必要不可欠なものです。

コントロール欲求が問題となるケース

コントロール欲求が問題となるのは、自分の欲求を満たすために他者をマイナスにコントロールしようとするときです。

極端な例で言えば、詐欺行為でお金を奪うことは、他者を騙してお金を奪うようにコントロールします。自分がお金を稼ぎたいという欲求のためです。

お金を稼ぎたいという欲求は誰しも当たり前にあるので、それ自体が問題ではありません。
問題は、他者をマイナスの状態にしてでも自分の欲求を満たそうとする点です。

エゴが暴走しているケースです。

これがまずいことは多くの人が当たり前に分かっているでしょう。
だからこそ私たちは「他者をコントロールしてはいけない」という思いを持っています。

コントロール欲求の抑圧

ここで大切なことは「他者をコントロールしてはいけない」という思いから、「他者をコントロールしたい」という欲求を抑圧することが起きてしまうということです。

自分の中に「コントロール欲求」があるのに、それをダメなものとして扱い、抑圧するのです。

その抑圧が強くなると、化け物を生みかねません。

変な話に思えるかもしれませんが、コントロール欲求の抑圧が行き過ぎると予期せぬ形で自分が強くコントロールされたり、誰かをコントロールしたりしがちです。

自由を失う恐れ

コントロール欲求というと受け入れやすいと思うので、あえて受け入れにくい言葉を使いましょう。
コントロール欲求ではなく、支配欲、もっと受け入れにくい言葉であれば、奴隷化欲求です。

「誰かを支配したいという欲求がある」「誰かを奴隷にしたいという欲求がある」と聞くと、普通にけしからんと思うのではないでしょうか。

私たちが最も恐れていることの一つが、自由を失うことではないでしょうか。
もし、これから誰かの奴隷でいることが強制されて、自分の自由意思が全く認められないとしたら、絶望で死んだほうがマシだと思うでしょう。

そんな状態を他者にさせることは、良心がある人ほど絶対に許せないでしょう。

とはいえ、人にはコントロール欲求があるので、どこかで発散しています。
もしかしたら、社会をコントロールする、誰かをコントロールする、性奴隷にする、といったフィクションのドラマや漫画やアニメなどで抑圧を発散しているかもしれません。

コントロールされたい欲求

同時に、私たちは「コントロールされたい欲求」も持っています。
自由にしたい一方で、誰かに束縛されたいのです。選択肢を狭めてほしいのです。誰かのコントロールを受け入れたいのです。支配されたいのです。

誰か優れた人に導いてもらいたい。
人生がよい方向になるような選択肢を教えてもらいたい。
パートナーに幸せにしてもらいたい。
会社に頼りたい。
国に頼りたい。
家族に頼りたい。

自分で考えて、責任を取って行動するのって大変じゃないですか。
自分よりも優れた存在が考えて、責任を取ってくれて、自分によりふさわしい行動を導いてくれたら楽ですよね。

相反する欲求の両方を認めること

大切なことは、この「コントロールしたい欲求」と「コントロールされたい欲求」の両方があることを認め、それらを否定しないことです。

私たちは相反する欲求を持っています。

それがあるから、コントロールしたい人(境界線を越える人)とコントロールされたい人(境界線を越えられる人)が必然的に生じます。

これが冒頭で述べた「境界線越えが当たり前に存在する」理由となります。

だからこそ、境界線を引くことが大切になります。

コントロール欲求を認めたうえで境界線を引く

自分の中にある「コントロールしたい・されたい欲求」を認めつつ、他者を尊重して、自分が他者をコントロールしないように意識を向けて行動することが求められます。

また、自分を尊重して、自分が他者にコントロールされないように意識を向けて行動することも求められます。

これらは、コントロールしたい・されたい欲求が無意識にあるほど、やりにくくなります。

つまり、境界線を引くことを難しくしている理由の一つが、自己のコントロール欲求の否定にあると私は考えています。

自分の中にあるコントロール欲求は、決してモンスターではありません。もし、自己の中を覗いてみて、モンスターに見えるとしたら、抑圧している証拠です。

抑圧からモンスターに育ててしまっているのです。

コントロール欲求というのは、食欲と同じで、自然な欲求です。

きちんと認めて、健全に発散させれば、問題になりません。

境界線が引けなくて困っている人は、この方向からアプローチすることが有効かもしれません。コントロール欲求をありのまま認めることをぜひやってみてください。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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