今日はちょっとだけ小難しい科学の話を切り口に書いていきます。
人類史上最高の科学者と評されるニュートン。
彼は引力の法則を見つけた科学者です。
そして、運動の三法則も発見しました。
これらの法則とこれらを導く数学テクニックを「ニュートン力学」といいます。
ニュートン力学によって、天体の動きなど、宇宙の運動について分かるようになりました。
当時は、「世界はある法則(数式)によって成り立っているんだ」という考えが主流でした。
つまり、未来は予測できるという考え方ですね。
ただ、ニュートンの方法では、いくつもの天体が同時に運動する解を求められませんでした。
天体が3つ以上あるとダメなんです。
これを三体問題といって、のちの数学者ポアンカレが解がないことを明らかにしました。
つまり、世界は数式ではあらわせないことが証明されたのです。
しかし、科学者はあきらめません。
厳密解はなくとも、近似値が分かれば十分です。
展望が開けたのは計算機の登場です。
コンピューターは、人間では不可能な膨大な計算を可能にします。
そして、計算科学という分野が誕生します。
計算科学を取り入れた分野の一つが気象です。
いわゆる天気予報ですね。
しかし、最新のコンピュータを使っても天気予報はなかなか当たりませんでした。
1960年代、気象学者のエドワード・ローレンツは、天気予報がなぜ当たらないのかを明らかにする研究結果を発表し、計算科学会に衝撃が走りました。
天気予報に使う数式(ある種の微分方程式)の初期の値をほんの少し変えただけで、計算結果が大きく変わってくるのです。
これは「バタフライ(蝶々)効果」と呼ばれていて、ブラジルで蝶々が羽ばたくくらいちょっぴり風速の値が違うと、遠くテキサスでは竜巻くらいに差が出てしまうのです。
これを「カオス理論」といいます。
カオス理論によって、長期の天気予報は不可能であることが明らかになりました。
ボクがなぜ、ちょっぴり難しい科学のテーマを出したか?
それは、未来は今の延長線上にはないということを伝えたいからです。
蝶々の羽ばたきで、世界は変わるんです。
今のほんの少しの行動が、将来の大きな変化につながります。
だから、ほんの少しの行動にはとてもとても大きな意義があるんです。
今、不幸だから、苦しいからといって将来もそうであるとは限りません。
もう、人生詰んだと思っている方もいるかもしれませんが、いつだって可能性は大きくあります。
将来の可能性は、私たちが考えるよりも大きいことをカオス理論は証明しています。
世界は一定のパターンで測れるほど単純ではありません。
私たちが想像できないようなビックリする未来があるかもしれませんよ。