会社員の問題は人間関係を選べないこと
人生において、仕事のウエイトというのは大半を占めるものです。
働いてお金を稼ぐ必要があるからです。
多くの人が会社員でしょうが、会社員の常として、人間関係を選べないという問題点があります。
ほとんどの社員に人事権はありません。
結果、人間関係のよい部署になるか、そうでない部署になるかはある意味運次第で、自分ではコントロールできません。
仕事のストレスは上司次第
特に「上司」が誰になるかによって、仕事のストレスというのは大きく変わってきます。
仕事内容が合わなければ、辞める踏ん切りもつきます。
合わない仕事を長年続けるのは、多くの人にとって困難ですから、「それなら辞めて次の仕事を探そうか」と思うでしょう。
しかし、仕事が自分に合っていて、あるいは条件が自分に合っていて、それなのに上司と合わないというとき、しんどいですよね。
ストレスがどんどん溜まっていきます。
ストレスがたまる命令や管理
上司というのは、たいてい業務の決定権を持つ人です。
仕事の内容や、どのような方針で進めていくのかを決めることができます。
このとき、上司によっては次のような命令を出したり、管理することがあります。
- 理不尽な命令
- 非合理的な命令
- 会社にとってマイナスだと思われる命令
- 自分の価値観に合わない命令
- 管理・監視が厳しすぎる
- 業務のやり方についていちいち口を出す
- 言い方が高圧的だったり、怒って命令する
- とにかく否定される
こうなると、ストレスが溜まってしまいます。
同僚だとまだ回避方法がある
上司の人間関係の問題点は、こちらに権限がないことに尽きます。
これが同僚なら、回避の方法があります。
- 上司に相談する
- 命令や指示を無視する
- 反論する
などできます。
ところが上司の場合、それらをするのが非常に難しい状況の場合がほとんどです。
心に反することをやると心は疲弊する
結果、自分の心と反する行動をやらざるを得なくなり、どんどん心が疲弊していき、うつの原因になりかねません。
うつにならなくても、その前に自主退社する人もいるでしょう。
その前に運良く、上司が替わるかもしれませんが、それは運次第で、自分ではコントロールできない状態なので、精神的にも不安定になります。
心は「状況を自分でコントロールしている感覚」があるとき、強くなるものです。
上司の問題への対処法
では、上司の人間関係で悩んでいるとき、どのように対応すればよいでしょうか?
もちろん、これはケースバイケースで、一人ひとり状況や本人の資質が異なるので一概には言えません。
とはいえ、万人向けに役立つ方法もいくつか述べることができます。
境界線を理解する・引く
まずは、「境界線」です。
上司と自分、会社とプライベートの区別を付けることです。
上司は権力を持っています。その権力はあくまで仕事内「だけ」です。
それを、仕事外でも発揮しようとするとき、境界線越えです。
それは「ルール違反」です。
上司はそれを混同しがちです。
そこで、自分はきちんと区別できていることが大切です。
「ルール違反」に関しては、こちらに正当性があるので、ある意味強い立場に自分を置くことができます。
- 上司にきちんと伝える
- 上司に理解してもらえなければ、人事や別の上司に報告する
そして、上司は業務を指示・管理する人ですが、それ以外は対等だということを理解しておく必要があります。
人間性についての指示は「境界線越え」です。
また、指示の仕方が高圧的だったり、怒りや脅しを使ったものであれば、パワハラです。
現在は、パワハラやセクハラについて厳しくなっています。
それらについて習熟しておくことも、自分を守る手段になります。
境界線について学ぶことは、大きな助けになるでしょう。
心の力を身につける
もう一つ、役立つことを述べると、「心の力」を身につけることに尽きます。
簡単に言えば、ストレスに対し、自分を守りつつ、受け止め、処理・吐き出せる力です。
心の力を身につけるには、様々な方法がありますがここでは一度に全部説明できないので、また追々書いていきます。
自分の弱さを受け入れ、本音を伝える力
それでも、一つだけ重要なことを書くとすれば、「自分の弱さを受け入れて、本音を伝える力」が非常に大切です。
ストレスの原因になっている上司に対しては不快な気持ちでいっぱいのはずです。
それを直接上司にぶつけたら、上司との関係は余計に悪化すること間違いないです。
怒鳴りあって、言いたいことを言い合って、わだかまりがなくなって、仲が深まるというケースもありますが、万人向けではないですよね。
上司が分かる伝え方をする必要があります。
決して伝わらない伝え方
- 上司を責める伝え方
- 被害者意識の伝え方
- 感情的な伝え方
- あいまいで言葉足らずの伝え方
では伝わるはずもありません。
誰しも自分の行為を責められたら反発したくなります。
いかに合理的な言い分であったとしても、上司は受け止められません。
それでも受け止めてくれるような器の大きい上司であったら、そもそもストレス源にはなっていないでしょう。
本音を理解し、相手に分かる形で伝える
ここで大事なのは、自分の本音を相手が分かる形で伝えることができるかどうかです。
ここの力が本当に重要だと思います。
そのためには、まずは自分の本音が何かを知ること。
表面的な本音ではありません。表面的な本音は「上司が嫌い」「この仕事辞めたい」「つらい」「部署を変わりたい」といったようなものです。
表面的な本音と、本当の本音の区別を付けられることも大切な力ですね。
そして、相手が分かる形で伝える伝え方を知ることです。
それができれば、自分で状況を改善することができるようになるでしょう。