「カウンセリング・セラピーを受けても変わらない」
そういう人は無意識の抵抗を抱えている可能性があります。
無意識の抵抗とは?
無意識の抵抗というのは、意識では変わりたいと思っているけれども無意識では変わりたくないと思っているというものです。
無意識では「絶対変わってやるものか」とさえ思っています。
なのでどんなにEFTやセラピーをやっても変化しません。
無意識の抵抗を先に取り組む必要がある
無意識の抵抗がある場合は、無意識の抵抗から向き合っていく必要があります。
無意識の抵抗に対するワークはセラピストの腕の見せ所でしょう。
無意識の抵抗の例
無意識の抵抗にはさまざまあります。
セカンダリー・ゲイン
よく言われるのがセカンダリー・ゲイン(二次的疾病利得)です。
たとえば、病気になったときに家族から心配されて優しくされている場合、病気自体にメリットが発生します。
普段家族から大切にしてもらえないならばこのメリットが大きくなります。
そのため、病気をキープするように働きます。
これは病気の主原因にはなりませんが、病気を長引かせる原因になります。
プライマリー・ゲイン
ちなみに病気の主原因となる心理的な問題をプライマリー・ゲイン(一次的疾病利得)といいます。
病気になることで何らかの問題に直面しなくてすむようになります。
たとえば、マラソン大会に出たくないがために当日風邪を引いてしまうなどです。
マラソン大会であれば一日で終わりますが、学校や会社のような長く続くものであれば病気自体を長引かせることになります。
そうしないと、向き合いたくない問題に向き合わないといけないからです。
無意識の抵抗に向き合うには?
無意識の抵抗とは、より強い恐れがあって、それに直面しないように守っているものともいえます。
しかしながら、意識上ではとても苦しんでいるので変わりたいわけです。
さて、そういうケースではどうしたらよいのでしょうか?
ここでよくあるのが、より強い恐れというのは本人の思い込みであることです。
最悪な恐怖に向き合うことで起こると信じている恐怖
最悪な恐怖に向き合うと次のようなことが起こると信じています。
- あまりの恐怖で自分がおかしくなってしまう
- 怖れに耐えられず発狂してしまう
- その恐怖が現実化してしまう(引き寄せ)
- 自分(アイデンティティ)が無くなってしまう
- 自分を守ってくれるものがない無防備な状態になってしまう
最悪の恐怖を避けるための防衛
そのため、最悪の恐怖を避けるためにさまざまな防御をします。
ビリーフや行動などで一生懸命守ります。
最悪の恐怖を避けるためのビリーフ(~すべき、~してはいけないというルール)を作ります
恐怖に向き合わないので恐怖はだんだん膨らんできます。
怖い怖いと思っていると余計怖くなります。
見ないように抑圧するので、どんどんパワーを持ちます。
すると余計に守りを固めるため、悪循環になります。
防衛自体が苦しみを生み出す
今度はその守り自体が自分を苦しめることになります。
対人恐怖症などで身体が固まったり、不安症で過剰に神経質な行動を取ったりするなどです。
どういう形で出るかは人によってさまざまです。
たとえば、それが強迫観念で出れば、症状が進むと強迫性障害になるでしょう。
それがパニック発作で出れば、症状が進むとパニック障害になるでしょう。
対人関係で出れば、対人恐怖症になるでしょう。
あがりという形で出れば、あがり症になるでしょう。
いろんな形で出現します。
心の病気として出なくても、人生の生きづらさとして現れてきます。
最悪の恐怖を感じても本当は何も問題ない
最悪の恐怖を避けるがゆえに、余計苦しむのです。
でも、本当は最悪の恐怖を感じても別にどうにかなるわけではありません。
そこに本当の意味で直面し、感じきったら恐怖は落ちます。
すると、その恐怖を守るための防衛をしなくて済むのです。
とはいえ、それが頭で理解できたとしても体感で恐怖があるのでなかなか直面できません。
そこに向き合うことをクライアント本人の意思でやっていく必要があります。
そこはクライアント自身の理解と抜け出す決意が大切になります。
とても難しいですが、ここがクリアできると本当に楽になるので、セラピストとしてはとてもやりがいを感じています。