不平等に腹が立つ人、不平等が許せない人、平等・公平が大事だと思っている人!
残念ながらあなたはうつになりやすいです!
「不平等を見過ごせない人」はうつになりやすい
先日、ヤフーニュースで「『不平等を見過ごせない人』はうつになりやすい?」という記事を見ました。
この記事に掲載されているのは、経済的不平等に対する脳の反応の研究結果です。
提案者が被験者(あなた)に「500円を2人で分けよう」と提案します。「あなたは100円、私は400円でどうか?」と金額を伝え、あなたがOKなら、あなたは100円もらえます。あなたがダメと断れば100円はもらえません。
これは不平等な提案ですが、OKを出せばお金をもらえるので実は得しかありません。
ですが、不平等な提案では断る人も意外に多いということでした。
そして、このときの脳の活動を調べると、パーソナリティによって活動が異なることが分かったのです!
できるだけ自分が得をしたいと考える「個人主義的パーソナリティ」の人の扁桃体には変化が見られず、経済的な平等を重んじる「向社会的パーソナリティ」の人の扁桃体は活性化していました。
この研究結果に基づき、うつ病との関連研究を実施し、不平等を「つらい」と感じる人のほうがうつ病傾向が高いことが分かりました。
HSPは不平等に関して「つらい」と感じやすいかも
皆さんは、不平等についてどう感じますか?
ボクの仮説ですが、HSP(敏感・繊細すぎる人)は不平等に関して「つらい」と感じやすいのではないかと思います。
不平等というのは「他者が自分よりも得をして、自分は損をしている」ということに怒りを覚えるだけではなく、その逆の不平等も「つらい」のです。
つまり「自分だけが得をしている、有利でいる」ことに「つらさ」や「罪悪感」を感じています。
HSPは罪悪感を感じやすく、新しい脳が発達している
先のヤフーニュースの記事では、罪悪感の研究についても書かれており、「罪悪感が高まったときに活性化するのは、脳の前頭前野であることが分かった」と記載されています。
そして、「前頭前野は、人類が誕生してから高次に進化した部分で、『新しい脳』と呼ばれることがあります」と書かれています。
HSP(敏感・繊細すぎる人)は、苦しみに対する感度が高いのですが、私は「人間的な脳が進化している」と考えています。
罪悪感を感じやすい人は、より人間的だと思います。
逆に、罪悪感を感じにくい人、人のつらい気持ちが分からない人、心の痛みに鈍感な人は、より古い脳の機能が発達しているのではないかと思います。
それがよい悪いではなく、そういう資質であると受け取っています。
不平等・不公平に対する善悪基準を緩めよう
「不平等は悪だ」「公平が正しい」
そんな心のプログラムが強いほど、社会の不平等や自分が置かれた不公平を感じるたびに「つらさ」が出てしまい、苦しくなります。
この心のプログラムを緩めることをオススメします。
経済の不平等を例に誤解を解く
経済面の不平等について考察しましょう。
必ずしも「経済成長=善」ではありませんが、ここでは「金銭的に豊かになることが幸せ」という前提で進めます。
経済モデルを説明すると専門的になりすぎるのと、私自身うまく説明できないので結論だけ伝えますが、経済成長で得た富を万人に平等で分配するのと、不平等に分配するのでは後者のほうが全体の経済の大きさが大きくなるということです。
そのため、格差は広がっても、富自体は全員増えるのです。
これは感覚的にも分かると思います。
成果を出したらそれだけ報われる社会なら、革新的な技術を作る人が増えますが、成果を出そうが出すまいが報酬は一緒であればやる気はグッと減ります。
社会全体の経済は平等社会よりも不平等社会のほうが大きくなるのです。
つまり、平等社会よりも不平等社会のほうが私たちの豊かさは上がるわけで、不平等な立場の人の不満は「得をするヤツが許せない」という嫉妬や劣等感といった精神的な問題になります。
不平等が許せない人の問題点
不平等を許せない人の問題点は、不平等を感じたときに「つらさ」が出てうつになりやすいことだけではありません。
正直ボクはそれはたいした問題ではないと思っています。
そういった「つらさ」のケアは難しいことではありません。心のケアの仕方を知っていれば簡単にケアできます。
大きな問題は「自分の力を発揮しようとしない点」にあると思います。
「自分の力を発揮して他の人よりも秀でた存在になってしまうと、周りの人に申し訳ない」と思い、自分の力を封印してしまうことです。
意識的には「そんなことしているはずがない!」と思うでしょう。
なぜなら、意識的には「自分の力をもっと高めたい!」と感じているからです。
ですが、無意識レベルでは「自分の力を発揮させて、相手につらい気持ちにさせてしまうのは申し訳ない」と思って、力を封印しています。
「罪悪感」が強い人、脳の新しい部分の前頭前野が発達している人ほど自分の力を封印しがちです。
自己犠牲の愛
ボクはこういった人を「自己犠牲の愛の人」と呼んでいます。
この誤解を解く必要があります。
自分の力を(自作自演で)弱めること、封印することが本当に周りの人にとってよいことなのでしょうか?
確かにそれによって周りの人は「嫉妬」や「つらさ」や「劣等感」を感じなくて済むでしょう。
自己犠牲の愛の人は、そうやって他者の感情のケアをします。
しかし、それが大きなお世話なのです。
一時的につらさを感じないかもしれませんが、ケアをするほど相手は助長します。これは根本的には自分で克服するしかない課題です。
自己犠牲をしないほうが長期的に相手のためになる
自己犠牲の愛の人に向けて書きますが、あなたが自分の力を出すと、周りはあなたに嫉妬や劣等感を感じるかもしれませんし、あなたを批判したり、嫌なエネルギーを向けたり、あなたを嫌うかもしれません。
でも、あなた自身が自分の力を最大限発揮して、自分で満足を得て、そして、周りの人に「あなたにもできる!」と勇気づけてあげるほうが、よほど周りの人のためになるのではないでしょうか。
自己犠牲の愛で、一時的に相手の気持ちをよくしてあげて、自分の力を封印しても結果的に自分が苦しむだけではなく、相手のためにもなりません。
「自己犠牲の愛が美徳だ」という誤解を解き、あなたがあなたらしく生きて、自分の本音・本心を大事にし、自分のことに集中することであなたは幸せになりますが、それが周りにもよい影響を与えることを腑に落としましょう。
表面的な優しさ・愛から卒業する時期に来ました。
ぜひ、自分の中の本質的な愛に目覚めていきましょう。