カウンセリング・セラピー PR

カウンセリングを受ければ簡単に問題解決するという幻想

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先日、友人のセラピストがこんなことをぼやいていました。

「医療機関に10年通ってもよくならないのに、私のところで一回でよくなることを求められるのってどうなの?」

同じカウンセラー/セラピストとして非常によく気持ちが分かります。

病院では何回かかっても仕方ないと思うのにセラピーだと一回で魔法のような結果を求める人が意外に多いです。
何を隠そう、私自身がカウンセリングを学ぶ前にそれに近いことを思っていたので、人のことは言えません(-_-;)

重い症状を専門に扱っておられる、あるカウンセラーの方がおっしゃってたのは、

医療機関では3年かかるところを1〜2年に短縮することを目指している

正直、この短縮期間でもすごいと思います。

医療機関ではどんなことをやっているの?

医療機関では、心の病気には薬物療法が主流です。

うつ病にはSSRIという薬がしばしば処方されます。
うつ病の7割に処方されるというデータを見たことがあります。
SSRIは選択的セロトニン再取り込み阻害薬というもので、脳の神経物質であるセロトニンをコントロールする目的の薬です。

セロトニンはうつや不安に大きく関わっており、うつ状態ではセロトニンの分泌量が少なくなっています。
そして、その状態ではセロトニンを作ることができません。

そのため、今ある少ないセロトニンを有効活用しようとする試みがこの薬の目的です。
セロトニンを取り込ませることを阻害することで、セロトニンが減らないようにします。

ただし、効果が出始めるのは2週間から4週間後、その後セロトニンが十分蓄積するには1年程度かかると言われています。
また、薬をやめるのは簡単には行きません。時間をかけて減らしていく必要があります。

そのため、2〜3年の服用が必要であり、もっと長期間手放せない人もたくさんいます。
米国では10年くらいの服用が一般的と聞いたことがあります。

薬には副作用があるため、副作用もその間、受け入れざるを得なくなります。

しかし、薬だけでは回復は不十分です。
根本原因は何も手をつけていないからです。

薬だけで治療した場合の再発率が高いのもそのせいでしょう。

とはいえ、重い症状の場合は、薬が大きな手助けになることもよくあります。

カウンセリングはどんなことをやっているの?

うつや不安に悩まされる原因が複数あるはずで、それを克服するためにカウンセリングが必要になります。

カウンセリング手法は人それぞれです。
世界的には認知行動療法が主流です。
日本では遅れており、認知行動療法をやっているところもあまり多くはないのが現状です。

私が行っている手法は認知行動療法よりも効率的です。
個人的な見解ですが、認知行動療法はあまり有効な方法だとは思えません。

私のカウンセリングでは、克服の時間を早める自信はあります。
とはいえ、通常3年かかるのを1回、2回では到底無理です。

医療機関に通うほどではない方も多くカウンセリングに来てくださいます。
むしろそういう方が大半です。

そういう方は時間はそれほどかかりませんが、それでも1、2回では大きな効果はないでしょう。

悩みがあるとき、カウンセリングを受けようと思うレベルの場合、一筋縄では行きません。

話を聞いて、こんな解決法があるよと示して、

あっ、こんな解決法があったんだ!見落としてた

と解決するケースなんてまずありません。
アドバイスで何とかなるレベルではないのです。

この選択肢はこういう理由があってできない。
でもこの選択肢もこういう理由があってできない。
現状維持も限界。どうしたらいいか分からない!

と悩んでいるわけです。

その状況の中で何もかもうまくいく選択肢はまずありません。
これさえなんとかなれば全部うまくいくなんて選択肢が仮にあれば、やるべきことはそれなので対処も決まっていますが、まずそんなことはないので、どうしたらいいかが分からないわけです。

そんななか大切なことは、自分がどうしたいかです。
カウンセリングの中で私はよく聞きますが、私の価値観で楽なほうに導くのではないため、どうしたいかを聞かないとミスリードしてしまいます。
どういう生き方がいいかは本人が決めることで私にはそれをアドバイスすることは境界線を越えています。
まあ、たまにすることはありますけどね。
ただし、あくまで境界線を越えていることを意識してアドバイスをするようには心がけています。

どうしたいのかが分からない人もいます。
また、どうしたいかが変わる人もいます。
それでもいいです。
いろんな選択肢を検討しながら、一緒にどうやって解決していくかを話し合います。

たとえばNoが言えなくて困っている人。
Noが言えれば、今の問題が解決するのであればNoが言えない恐怖や原因を探し、そこをセラピーで癒していくだけです。

その場合は、少ない回数で解消するでしょう。

ただ、多くあるのは、“単にNoを言えるだけでは解決しなかったり、どうしようもないよね”、というケース。

たとえば、両親が悩みの原因で、いくらがんばってもラチがあかないケースで、じゃあ、家から出ていくにも金銭的な問題があってどうにもならないといったケースで、簡単には解決しません。

そのようなケースを魔法のようにうまくいかせるのは無理な話です。
スピリチュアル的なセラピーも一緒です。
両親が自然に変わるなんてことはないのです。
あることもありますが、ないことが多いです。
有名なチャネラーだからとか、ヒーリング能力が優れているからといって、「問題がすべて解決して、人生が180度変わりました!」なんてあり得ません。

それでもカウンセリング・セラピーは効果が高い!

なのでそれをセラピストに求められると「そんな幻想は抱かないでください」と言いたいですが、同時に、それでも私がやっているカウンセリングは効果が高いと自負しています。

それはマトリックスというセラピーの効果よりも(もちろんそれも大きいですが)、それ以前の問題の原因探しというか、状況を俯瞰的に見て、ベストな解決法を模索していく力のほうが重要だと痛感しています。

そういう意味でも1回や2回では本当の意味では原因や解決法が分からないこともよくあります。

長く受けていただいている方からは、ポジティブな変化の報告がよく届きます。

長い目で見たら、数ヶ月とか1年なんてあっという間です。
人生を心地よく生きることは間違いなく可能なので、短期で変わらなくても希望を持っていただきたいなと思います。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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