明けましておめでとうございます。
いつもブログを読んでくださりありがとうございます。
2017年もセルフコンパスのブログをどうぞよろしくお願いします。
セッションテーマはセッション内で変化することが非常に多い
カウンセリングではクライアントさんの悩みをお話しいただきます。
今、困っていること、解決したいことをお聞きし、悩みが解消できるようにサポートしていきます。
お悩みを別の言葉で言えば、「セッションテーマ」です。
このテーマはカウンセリングを進めていくと変化していくことがあります。
はじめのセッションテーマとはまったく違ったテーマについてワークをすることがあります。
実ははじめのセッションテーマとは違うテーマでワークする割合はかなり高いです。
これには2つのケースがあります。
当初のテーマがおおざっぱで表面的
1つは、はじめのテーマがおおざっぱで表面的なケースです。
たとえば、自信がない、自己肯定感が低い、生きづらい、ネガティブ思考、人生がつまらない、何か胸にモヤモヤがある、などのテーマです。
こういう場合、おおざっぱすぎるので、もう少し中身を見ていく必要があります。
別の問題があるせいで生じているに過ぎない
たとえば、自信がないとか、自己肯定感が低いとか、生きづらいとか、人生がつまらないなどは、何らかの別の問題があって、その問題がある結果、生きづらいとかつまらないとか感じているわけなので、そっちの問題の方をワークする必要があります。
たとえば、親子関係の問題がその原因になっていたとしたら、親子関係のほうがテーマになります。
当初のテーマを解決することで楽にならないとき
もう一つのケースは、はじめのテーマを解決することが本当の意味で本人が楽にならないケースです。
これもかなりあります。
たとえば、小さいころから寂しさを感じていたとします。
この寂しさを埋めるために大人になった今、パートナーを欲しがっているとします。
パートナーができれば、この寂しさは解消できるはずだと思います。
そして、パートナーが欲しいけれど、なかなかできないとします。
このとき、パートナーができない心理的ブロックを見つけて、解消したいというのがクライアントのテーマになりがちです。
このテーマの誤解
このケースでは大きな誤解があります。
という誤解です。
もし、これが誤解であったとしたら、つまり、パートナーができても寂しさは解消できないとしたら、心理的ブロックを見つけて解消し、パートナーができたとしても、本人の苦しみはまだ続くことになります。
まずは心理的な仕組みをきちんと理解してもらう
もちろんクライアントさんのニーズを満たすことは大事です。
クライアントさんがパートナーを欲しがっていて、それに沿うようなセッションをすればクライアントさんは喜ぶでしょう。
ですが、私はそれをしません。
この記事に書いてあるような仕組みをハッキリ伝えて、本当の意味で解決にならないことを理解してもらいます。
もちろん、本人がこの仕組みを分かったうえで、ニーズを満たしたい(やはりパートナーを作りたい)ということであれば全然OKです。本人の自由なので。
ただ、私はそのサポートをするのは自分のハートに沿うものではないので、お金をいただいてもやらないことにしています。
この例の心理的な仕組み
この例であれば、寂しさを感じたくないためにパートナーを求めているので、寂しさのフタをしているに過ぎません。
確かに、パートナーができると、寂しさのボタンに触れることがなくなるので、苦しみが出てこなくなります。
ですが、それは爆弾が見えないところにあるので、気づいていないというだけのことです。
また別の状況になれば、爆弾が現れます。
うまくいっているときは、爆弾は隠れたままですが、うまくいかなくなると爆弾が見えてきて、それに触れないように気を使い始めます。
パートナーに依存しすぎたり、尽くしすぎたり、弱い立場に甘んじたり、逆に支配しようとしたり、別の問題が生じます。
問題から問題が発生して、どんどんこんがらがっているケースもしばしばあります。
そういう場合は一つひとつ解きほぐしていかないといけないので真のテーマを見つけるまでに時間がかかります。
爆弾を隠すのではなく適切な処理をするのが真の解決法
爆弾は隠すのではなく、安全に処理する必要があります。
爆弾処理をしなければなりません。
爆弾処理をするには、その爆弾と向き合う必要があります。
向き合って、解体していかなければいけません。
感情も同じで、感情のエネルギーに向き合う必要があります。
爆弾処理と違うのは、爆弾処理は失敗したら死んでしまうリスクがありますが、感情はいくら感じても死ぬことはありません。どれだけ感じようが安全であることをカウンセラーは知っています。
爆弾処理をしたうえでのニーズであれば幸せを感じやすい
爆弾処理ができたら問題解決です。
その上で、パートナーが欲しければ、それはハートからのニーズなので幸せを感じやすい願望です。
パートナーができたときも、寂しさを埋めるためではないので、良い関係が築きやすいでしょう。
真の原因と解決法
見たくない感情・感覚があります。
抑圧された感情・感覚です。
これが真の原因です。
見たくない感情・感覚に直接向き合い、そこにくっついている心の傷を癒していくことで本当の意味で問題が解消されます。
私たちは爆弾を避けることで問題解決を図ろうとする無意識の習性がある
しかし、私たちは、見たくない感情・感覚を避けることで問題解決を図ろうとするのです。
今回の例ではパートナーを例に挙げました。
だから、パートナーができれば幸せになれるんだ。
そう信じています。
人間関係のときもあります。
だから人間関係がうまく行けば幸せになれるんだ。
そう信じています。
そして、頭脳(思考)は原因を見つけるのが得意です。
人間関係がうまくいかない理由をたくさん見つけます。
そして、解決法を見つけます。
もっと自分が出せれば、人間関係はうまくいく。
もっと明るければ、もっと堂々としてれば、もっと頭がよければ、もっとお金があれば、もっと容姿がよければ、もっと緊張がなければ、もっと話す力があれば…
もっともらしい理由がたくさん出てきます。
そして、それなりに合理的です。
実際にそのせいで痛い目に遭ったこともあるでしょう。
人間関係がうまく行っていたときは、一時的にボタンを押されないのでそれが解決策に違いないと信じています。
人間関係だけではありません。
仕事の場合もあれば、子育ての場合もあれば、家事の場合もあれば、スキルや技術の場合もあれば、お金の場合もあれば、さまざまです。
真の解決策はそこにはありません。
それらは見たくない感情・感覚にフタをしているに過ぎません。
見ていくべきはフタの中身です。
フタをせずに、その中身に向き合い、直接解消することこそ、真の解決策です。
爆弾処理したらハートが見えてくる
その結果、したければする、したくなかったらしない、ただそれだけです。
パートナーが欲しかったら求める、欲しくなければ何もしない。
人間関係が築きたかったら築く、築きたくなければ築かない。
仕事で出世したかったら出世できるようにがんばる、出世を望まないならそのためのがんばりはしない。
お金が欲しかったら稼ぐ努力をする、ある程度で十分ならそれなりにとどめる。
何がいい悪いかはありません。
どうしたいかだけです。
恐怖がハートを見えなくする
その「どうしたいか」は、見たくない感情・感覚がたくさんあると見えてきません。
なぜなら、見たくない感情を避けるための「恐怖」が前面に出てくるからです。
恐怖を避けるために「どうすべきか」が優位に立ち、「どうしたいか」というハートの欲求は見えなくなります。
ハートが見えないのだから何がしたいかが分からないのも当然
そのため、「自分のことが分からない」「何がしたいか分からない」「生きていても楽しくない」「人生がつまらない」…などということが起こります。
自分のハートが分からなければ、したいことが分からないのも当然です。結果的に人生がつまらないのも当然です。
ハートが見えないまま、楽しいことを無理やり見つけてやろうとしてもうまくいかない
爆弾を抱えたまま、何か楽しいことを見つけて、それをやりさえすれば人生は楽しくなるというのは幻想です。
大きな誤解です。
見つからないことが大半ですし、見つかったと思ってもそれは爆弾を見ないようにするための願望であることが多く、本当の意味での願望とは限らないのです。
そうではなく、爆弾、つまり自分の内側にある抑圧したものに目を向ける必要があります。
それが私たちの苦しみにつながっている真の原因だからです。
その原因にメスを入れると、自分のハートが自然に前面に出てきます。
そこにあるのはただありのままの自分がハートの衝動とともに生きる、それだけです。