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情報の受け取り手がバランスを取ることの大切さ

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過ぎたるは及ばざるがごとし

何事も行き過ぎると悪影響が大きくなります。

たとえば、お酒そのものは悪いわけではありませんが、飲み過ぎて理性を失って我を忘れるまで行くのは悪影響です。

真面目さは必要で大切なことですが、真面目が行き過ぎて生真面目になってしまうと、堅苦しく、つまらなくなってしまいます。

白黒に陥らないこと

このとき大切なことが、白黒思考に注意することです。

要は、単純に善悪として判断しないことです。

たとえば、他人軸で生きている人は、自分軸を目指します。

このとき、「他人軸VS自分軸」の構造にしないことです。

他人軸がまずくて、自分軸がよいわけではありません。

他人軸にも自分軸にも長所、短所があります。

「自分軸になろう!」というメッセージは、過剰に他人軸になっている人向けのメッセージであって、過剰に自分軸の人には当てはまりません。

心が未熟で、自己中心性の高い人は、より他人軸になることが課題です。

そういう人は「他人軸になろう!」というメッセージが必要です。

善悪思考、白黒思考は、「善の側に行き過ぎる」「悪を抑圧し過ぎる」ほうへ進んでしまいます。

結果、健全なバランスから外れてしまうのです。

それが大きな問題になります。

善も過剰なら悪に変わる

「根拠のない自己信頼感を持つこと」は大切ですが、行き過ぎると「過信」となり、過剰なリスクを抱えてしまいます。

「他人への思いやりを持つこと」は大切ですが、行き過ぎると甘えを産み、「他人の自律性や力を奪うこと」になってしまいます。

「他者を信頼して任せること」は大切ですが、行き過ぎるとただの「放置」になってしまいます。

「自分の感覚を信頼して生きること」は大切ですが、行き過ぎると「合理性」や「社会性」を見失ってしまいます。

「弱い者を助ける正義感」は大切ですが、行き過ぎると「強者への過剰攻撃」になってしまいます。

「運動」は大切ですが、過剰に運動するとかえって身体を壊してしまいます。

私がブログで主張している「ハートで生きる」も、心が未成熟であれば、「自己中心性を強める」ことになりかねません。

逆もしかり

逆に一般的に悪いことと捉えられていることも、まったくなくなると余計困ることになります。

「貧困」「飢えること」「欲求不満」「怒り」「悲しみ」「恐れ」「不安」「喧嘩」「争い」「対立」「葛藤」「劣等感」「鬱」「絶望感」・・・

飢えがあるから、満たされたときの喜びがあります。
ネガティブな感情があるから、自分のハートと反することが分かります。
怒りがあるから、より本音が出せるようになります。
不安があるから、事前準備がしっかりできます。
対立があるから、新たな進化が生まれます。
喧嘩するから、より絆が深まります。

問題は、飢え過ぎるとか、過剰不安とか、過剰対立です。
過剰な部分が問題を引き起こしますが、不安や対立そのものが悪いわけではありません。

そこを悪として、たとえば、「戦争」を悪として、「平和」を求めすぎると、今度は「反戦運動」という対立になってしまいます。

過剰な怒りは見苦しいものですが、それを白黒思考で「怒りはダメ」としてしまうと、怒りを抑圧して、必要な怒りを出せなくなります。

また、抑圧された怒りによって、かえって怒りをコントロールできなくなり、「自己否定」「罪悪感」に悩まされることになります。

「自分勝手」が問題になるのは、過剰な場合です。たとえば、他者に迷惑をかけてまで、自分の欲求を押しつけるなどです。

しかし、「自分の欲求」そのものが悪いわけではありません。欲求を抑えようとすると抑圧的になってしまいます。自己主張ができなくなってしまいます。自分を大切にすることができなくなってしまいます。

受け取り手がバランスを取ること

「○○を摂取したら健康になれる」とか「△△を抜くと健康になれる」という意見や本がよくあります。

健康以外も同様です。

「◇◇をすればお金持ちになれる」「□□があれば心が豊かになれる」

こういったものは、善悪・白黒で捉えているので、かえってバランスを崩してしまいかねません。

もちろん、それらが全面的に間違っているわけではなく、役立つ面は多分にありますが、読み手や受け取る側が「バランス」を取る必要があります。

発信元は、自分の意見に説得力を持たせるために、「これがいいんだ!」「これが間違っていたんだ!」という方法を取りがちです。

そうなると、善悪・白黒意見になってしまいます。

その意見に影響力や説得力があるほど、善悪・白黒的に受け取ってしまいます。

発信元が、功罪や長所・短所を語れていれば、読み手や受け取り手もバランスを取りやすくなるかもしれませんが、発信元は「短所」面に気づきにくく、功罪を語る気があっても気づいていない場合があります。

理解が必要

受け取り手がバランスを取るためには、「善も行き過ぎると悪になる」「悪も絶対的な悪ではなく、ある性質が過剰になっているから悪になる」ということを理解しておく必要があるでしょう。

また、「善と思って発信している人は、その悪の面には気づいていない」ことも理解して、あえて反対意見を持っている人の主張も参考にすることも大切です。

私たちは、善悪・白黒思考になりがちであるという性質を理解し、他者が言っていることを100%受け取るのではなく、自分でバランスを取って、情報を受け取ることが大切だと感じています。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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