自分の本音を相手に分かる形で伝える
少し前の記事ですが、こちらの記事で、相手に分かってもらうためには、「自分の本音を相手に分かる形で伝える」ことが大事だと締めました。
ここでは、表面的な本音を伝えるのではなく、本音を伝えることが大事だということを書きました。
ここでのポイントは二つ。
- 表面的な本音ではなく「本音」を伝えること
- 本音を「相手に分かる形で」伝えること
この記事ではこれをもう少し分かるようにお伝えしたいと思います。
表面的な本音は何か?
たとえば、こういうケースを想定しましょう。
上司が細かく管理してくる。こっちとしては結果は出しているのだから、やり方に関しては自分の自由にやりたい。とにかく管理してくるのがストレス
この場合、表面的な本音は次のようになるでしょう。
・あんた細かいんだよ!
・そんなに私が信頼できないわけ?
・この人とは仕事したくない
・あなたが上司だとストレス
これを上司に伝えても、言い争いになるだけですね。
表面的な本音を伝えても逆効果
上司への愚痴を同僚に話し、それが上司の耳に入ったら、余計に仕事がやりにくくなるでしょう。
結局我慢することになり、ストレスがたまり、耐えられなくなったら辞めるか、ケンカ別れするかになりかねません。
表面的な本音を伝えても、意味がないどころか逆効果です。
自分のストレスを吐き出せるスッキリ感はありますが、受けるダメージのほうが大きいでしょう。
本音は何か?
ここで「本音」ってなんでしょう?
もちろん、これは人によって違いますが、このケースで想定される本音をいくつか挙げてみましょう。
・信頼されていないように感じると悲しい
・仕事の目的の管理だけではなく、やり方の管理をされると、制限が多すぎて窮屈に感じ、自分の力を発揮できない
・自分の力を発揮できず、ただ言われたことをやるのは仕事への意欲が高まらない
こういったことが本音であれば、それを伝えてみることが大切です。
本音の見つけ方
ここで、自分の本音を見つけるヒントですが、表面の本音を掘り下げていく方法があります。
細かく管理されるのが嫌【表面の本音】
こんな感じで「なぜ?」「どうして?」と自分に問いかけてみましょう。
するとよりしっくりくる本音が出てきます。
相手に分かる形で伝える
本音を相手に伝えることができれば、それだけで伝わりやすくなるでしょう。
さらに、相手に分かってもらうためには、「本音を伝える」+「相手に分かる形で」というのが重要です。
では、相手に分かってもらえるようにするにはどうすればよいのでしょうか?
それは、相手の立場を考えることです。
「上司が細かく管理してくるのはどうしてか?」
それを上司の性格や立場から考えてみるのです。
これは実際に聞いてみたり、調査してみるとよいでしょう。
「どうして、やり方まで管理する必要があるのか伺ってもよろしいでしょうか?」
と直接聞いてもよいでしょう。
・部署の業績が悪く、「管理が不十分であること」が問題になりやすく、「管理をこれだけしっかりやっている」という証拠が欲しい
・本当は上司も細かい管理なんかしたくはないが、それをしないと自分のマイナス評価になってしまう
どうやら上司は評価を気にしているようです。
相手のメリットになる形で伝える
こうやって、上司の立場や本音が分かったら、上司のメリットになる形(あるいはデメリットにならない形)で提案すればよいことになります。
事後で経緯はすべて報告しますので、目標達成するためにも、やり方はすべて私に任せていただけませんでしょうか?
もちろん、これは一例で、伝え方はいろいろありますが、大切なことは次の二つを分かった上で伝えるということです。
- 自分が何を望んでいるかを明確にする
- 相手が何を望んでいるかを明確にする
そのためには、表面ニーズから、本当のニーズを明らかにすることです。
いずれも表面ニーズから「どうしてそれがニーズなのか?」を問い、本当のニーズを明らかにすることが求められます。
自分軸と他人軸の両方大事
自分の意見を主張する力はとても大切な力です。
これは「自分軸」とも言えます。
一方、相手の望みを探る力もとても大切な力です。
これは「他人軸」とも言えます。
自分軸だけだと、自己主張ばかりで、独善的です。
他人軸だけだと、他者主張に振り回されるばかりで、自分を失ってしまいます。
「他人軸」優位で人生を送ってきた人は「自分軸」が大切になります。
しかし、それは「他人軸」よりも「自分軸」のほうがよいということではありません。
あくまでバランスの問題です。
「他人軸」も「自分軸」も両方大事で、「自分の本音を相手に分かる形で伝える」というのはその両方が求められます。
分かってもらえない不満がある人へ
「なかなか相手に分かってもらえない」と感じる人は、自分の本音と相手の本音を明確にする練習が必要かもしれません。
それができれば、相手に分かってもらえる確率がグンと高くなるでしょう。