クライアントさんから許可を頂き、セッション内容を公開します。
コアビリーフが発見できた、ある1回のセッションです。
テーマは「いつも疎外感を感じる」です。
トリガー(きっかけ)と反応を探る
どんなときに疎外感を感じるかを聞いていきます。
どんなとき
「たとえば仕事で私が話をしているときに同僚が目を合わせてくれなかったり、同僚が私にではなく別の人に質問したり(私が担当なのに)、私が席を外しているときに上司が別の人に仕事を頼んだり…」
反応(解釈、感情)
「疎外感を感じる」「やっぱり輪に入れない」「嫌われているんじゃないか」「仲間外れにされている」「嫌だ」「なんで?」「さみしい」「悲しい」「悔しい」
セルフイメージを探る
疎外感を感じる本当の原因は出来事ではありません。
同僚の行為でもなく、上司の行為でもありません。ここを理解していないと上司や同僚の行為を責め、いつまで経っても真に解決しません。
上司や同僚の行為はただのきっかけに過ぎず、真の原因は自身の内面にあります。
真の原因を見つけていきます。
ここではセルフイメージを探っていきます。原因はセルフイメージだけではありませんが、今回のケースでは昔からあらゆる場面で疎外感を感じていたということなので、セルフイメージが原因だと推定しました。
実はここに着いていってしまうとゴール(真の原因探し)から離れてしまいます。
思考はそれらしい理由を導き出します。それらしい理由か、ゴールに近づいている答えかを見抜くのは経験と心の仕組みの理解度によるのでセラピストの力量が問われるところです。
質問を変えます。
少し近づいてきました。
価値を提供できない人というのはだいぶ核心に近づいてきました。
少し視点を変えた質問をします。
私はダメだと思っていることが分かります
私の存在は許してもらえないと思っていることが分かります
ここまで見えてくるとセルフイメージが見えてきます。
ここで大きな気づきがあり、エネルギーが動きました。
これがゴールだとクライアントさんが気づいた瞬間です。
コアビリーフに気づき人生のからくりが解ける
これこそコアビリーフです。
つまり、私はいてはいけない存在だと無意識に自分のことをそう思っていてそれで人生を生きているのです。
ここでクライアントさんの人生のからくりが解け、非常にスッキリされていました。
謎がすべて解けました。
だから、どの集団に所属していてもリラックスできないのです。嫌われていると解釈するし、疎外感を感じるのも当然です。
例えがよくないかもしれませんが、物理学の研究者メンバーの会議に皆さん一人が呼ばれたとイメージしてみてください。相当疎外感を感じると思います。居心地悪いし、この場にふさわしくないと思うでしょう。
極端な例ですが、こういう感覚を常に持っているわけです。だから生きづらいわけです。
クライアントさんはコアビリーフに気づき、ものすごくスッキリされていました。
コアビリーフが見つかった後
コアビリーフが見つかると次の疑問があるでしょう。
「なぜ、いてはいけない存在だと思ったか?」
きっかけを知りたいです。きっかけを知ればそのシーンをワークすることで緩みます。
「なぜ、いてはいけない存在で居続けているのか?」
いていい存在でいることもできたはずですが、もしかしたら、そうしない理由があるのかもしれません。それを知りたいです。
あるいはもう少し深いセルフイメージがあるかもしれません。
「私は○○だから、いてはいけない存在だ」
すると原因が分かりやすくなるかもしれません。
コアビリーフのような深いものはそう簡単にこの疑問の答えは分からないものです。
そして、そう簡単にコアビリーフを外せません。
コアビリーフはパソコンのOSのようなもので、常にバックグラウンドで作動しているものです。OSを消すのは死活問題です。苦しみを生んでいるOSですが、この生き方ならば知っているのでなかなか外せません。
死んで生まれ変わるようなものです。そのくらいコアビリーフを外すことは大きなことです。
とはいえ実際に死ぬわけではありません。WindowsからAppleにOSを変えたら操作方法がまったく違いますが、できないことではありません。
大事なのはコアビリーフに気づくこと
ここで大事なのはコアビリーフに気づくことです。
今まで無意識で作動していました。コアビリーフを発見しても普通に生活していたらまた無意識でOSが動いてしまいます。
まずはOSの存在に気づくために、コアビリーフに気づく練習を宿題にしました。
コアビリーフを書いた紙を目につくところに置いて何度も見ます。それだけで意識化されます。
コアビリーフを受容する
そして、コアビリーフを否定せず、受容することが大事です。
「私はいてはいけない」と思っているインナーチャイルドをそのまま受容してあげます。
当たり前ですがインナーチャイルドは反発します。
インナーチャイルド「今までさんざん無視しておいて、今頃言われても…」
戸惑うのも当然です。そこも受容していきます。
無視されて悲しかったと、悲しみの感情が湧き起こり、感情解放のツールを使って解放します。
頭を撫でてあげると喜び方が分からないながらも喜んでいるのが伝わってきす。
無理に変えようとせず、徹底的に受容してあげるのがポイントです。
高次元の存在からのメッセージ
高次元の存在とつながってメッセージをもらうワークをしました。
なぜ、いてはいけない存在と思うようになったのか理由を聞きます。
答えはもらえませんでした。
必要なメッセージを聞きます。
「肩の力を抜いて必要以上に恐れない、気にし過ぎ」
リラックスするワーク
「私はいてはいけない存在」だと思っていれば、常に緊張し続けています。肩に力が入っているのも当然です。なので、リラックスするワークをしていきます。
リラックスできるイメージを作っていきます。
沖縄の海をイメージしました。リラックスすると、いかに日常そういう状態になっていないかがよく分かったそうです。
イメージの中でサメが出てきましたが、サメすら優しく接してきます。私が構えるから相手も構えるのだという気づきが起きました。
これまでなかなか感じられなかった感覚を味わい、自由と安心感を思いっきり感じました。
寝る前このイメージをしてもらうことも宿題にしました。
今まで常に緊張している生き方をしてきたわけですから、リラックスする生き方を体験することで、この生き方でもよいんだということが腑に落ちてくるでしょう。この体験はコアビリーフを外しやすくなると思います。
今後のワーク
今まで無意識にあったコアビリーフを意識化できることで、この思い込みが自分の人生を制限していたことに気づくことになります。そして、このビリーフを外したいと感じるでしょう。
大切なのは向き合って真実を直視すること!
では、どうやってこのビリーフを外すかというと、とことんそこに向き合うということになります。
そもそも、「私はいてはいけない存在」というのは思い込み、誤解に過ぎません。もちろん、心の傷があって当時はそう思わざるを得なかったのですが、本当にそうなのかを徹底的に向き合っていきます。
誤解なので向き合えば真実が分かります。中途半端に向き合うのではなく、とことん向き合っていけば、私はいてはいけない存在ではなく、無条件に受容されている存在であることが分かるでしょう。
向き合うプロセスではEFTやマトリックス・リインプリンティングなどの感情解放のセラピーが役立ちます。感情エネルギーがたっぷりついている状態ではかなり歪んだ見方しかできません。感情を落として、ニュートラルな状態で見ると自然に見方が変わります。
これからコアビリーフが外れていく過程をサポートさせてもらえるのが楽しみです。サポートできたことを非常に光栄に感じます。