私のセッションを受けてくださる方の中には、罪悪感で苦しんでいる方も多くおられます。
罪悪感は当たり前に存在する感情ではありますが、それが行き過ぎると人生の質を著しく下げてしまいます。
罪悪感があると、無意識に自分を罰してしまうからです。
幸せや喜びを受け取ることもなかなかできません。
無意識で次のように思っていたりします。
「私はこんな幸せを受け取る価値がない」
「こんなうれしいことが来るなんてありえない、何かの間違いだ」
「こんなうれしいことがあると後で痛い目に合うに違いない」
「いいことを受け取るためには、それ以上の苦しみがあった後でなければいけない」
そして、自分を罰しているほうが無意識では実は心地よく感じていることもよくあります。
「こんな自分は苦しんで当然だ」
「もっと苦しまなければいけない」
「苦しい人生が私にはお似合いだ」
もちろん意識上では苦しい人生は皆望んでいません。
嫌で嫌でたまりません。
しかし、無意識では楽な人生や幸せを避け、自ら苦しい人生にするように仕向けているのです。
過度な罪悪感は幼少期に起因することがよくあります。
親の不幸を自らのせいにしたり、
親から愛されないのは、自分が悪いからだと思ったりします。
そのパターンを大人になってからも持ち続けています。
罪悪感の大きさは環境のハードさだけで決まるものではありません。
一見、健全な家庭で育っても、罪悪感を強く抱えている人もいます。
罪悪感が強い人は、他者批判よりも自己批判をする人が多くみられます。
他者の目、他者の意見、他者の評価を気にします。
自分が悪いのだと責めるので苦しいです。
そして、単に自己批判だけで苦しんでいるわけではありません。
実は、もっと苦しめている要素は、正常な思い、感情の抑圧です。
人生の中で他者から被害を受けることはたくさんあります。
それは避けられません。
ひどい扱いを受けることはごく自然に起こり得るものです。
しかし、そういったひどい扱いを受けたときにも自己批判をして、自分が悪いから仕方ないと我慢するのです。
でも、我慢には限界があります。
ブチ切れるか、心身の不調に陥ります。
罪悪感が強く、どうしても他者への攻撃的な感情を抑圧する人は、心か身体に不調を生じます。
強い怒りを潜在的に抱えていると、それを抑え込むのに心のエネルギーが必要になり、心のエネルギーが慢性的に欠けがちです。
心のエネルギーの枯渇はうつを引き起こします。
また、精神的に我慢強い人は肉体的な不調としてどこかの臓器に不具合が生じます。
我慢強い人ほど、気づいたときには症状がひどくなっています。
なので、罪悪感が強く苦しんでいる人には、「他者に怒りを持ってもいいんだよ」と伝えたいです。
そして、それを解放すればいいだけですから。
解放の仕方はEFTがおススメです。
相手に怒りをぶつける必要はありません。
時には怒りをぶつける必要があるときもありますが、基本的には単に感情を解放するだけで十分です。
親にたくさん借りがあって、たくさんの犠牲を払って育ててくれたとしても、親に怒りを持って全く問題ありません。
親や他人が善意でやってくれたことに対して、怒りを持っても何も問題ありません。
たとえ自分に非があったとしても、相手に怒りを持って全く問題ありません。
過去のことで過ぎ去ったことでも、今怒りを感じて全く問題ありません。
自分の責任を過度に負い、自分ばかりを責める必要はありません。
他人や状況のせいにしても何も問題ありません。
怒りが出てしまったのなら、それはもう仕方ないのです。
それをないものにしようとしても手遅れです。
正直に怒りがあることを認めます。
そんな自分を嫌悪するかもしれませんが、その嫌悪感があることもそのまま認めます。
やるべきことは、生じてくるありのままの感情を認め、それをただ解放するだけです。
心のお掃除です。
ゴミが出たら掃除する。
ごく自然ですよね。
ゴミが出たら、押し入れに隠しますか?
見ないふりしますか?
どんなに慎重に生きても、部屋の中は汚れますよね。
避けられません。
癒しは汚れない部屋を目指すものではありません。
それは人が住んでいない隔離された空間です。
汚れてもいいのです。
もちろん汚しすぎは困りますが、当たり前に生じる汚れを定期的に掃除する、それだけです。
心も同じです。
ネガティブな感情エネルギーは必ず生じます。
ただ、お掃除するだけでよいのです。
罪悪感も一緒です。
ただ、あまりに強く床に汚れがこびりついているときは
一人で掃除をするのは大変です。
プロの掃除屋に依頼するほうが時間とエネルギーの節約になります。
(掃除屋と違って代理で片付けができないのであくまでサポートになります)
目に見えないごみを発見し、片付ける手伝いをしてくれるでしょう。
とはいえ、大きなゴミは自分でも片づけられるので、
まずは床の上にある目に見えるゴミを片付けましょう。
今まで自分ばかり攻撃して、他人を攻撃してこなくてたまっている怒りのゴミを片付けましょう。
今まで見えなかったかもしれませんが、実はそこにたくさん転がっています。
それを発見するためにも、自分の中に他者への怒りが起こることを許してあげてくださいね。