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「サピエンス全史」「ホモ・デウス」が解く未来を回避するために

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ユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史」

ボクはこのブログで「ハートで生きる」ということを書いています。

いろんな切り口から書いていますが、今回はユヴァル・ノア・ハラリさんの主張を借りて説明します。

イスラエルの歴史学者であるハラリさんの著書「サピエンス全史」は全世界で1200万部売れたベストセラーです。人類の歴史が書かれた本です。

内容は本を読むよりも、Youtubeの解説を見たほうが早いし、分かりやすいです。
いい時代になりましたね。

一応、本のリンクも貼っておきますね。

サピエンス全史のエッセンス

サピエンス全史では、なぜ人類が圧倒的に繁栄できたかの理由が書かれています。

それが極めて斬新な視点であったため、大きな話題を呼んだのでした。

10万年前は、今の人類(ホモ・サピエンス)以外にも数種類の人類がいました。
ホモ・サピエンスは他の人類種に比べて、頭がよかったわけでも体が丈夫なわけでもありませんでした。
それなのに、ホモ・サピエンスが生き残れたのは、ハラリ氏によると、「虚構を信じる力」があったからでした。

虚構というのは、ウソ、フィクションのことです。
嘘を信じることができたために、人間はここまで発展した、というのです!

ホモ・サピエンス以外の人類種は、虚構を信じる力がありませんでした。
つまり、目で見たこと、実際に体験したことしか信じることができませんでした。
そうなると、社会集団としては少数の集団しか成り立たなくなります。

一方、ホモ・サピエンスは虚構を作り出し、信じることができたため、大多数の集団を作ることができたのです。これが多種族を圧倒できた勝因だとハラリさんは説きます。

たとえば、国家は虚構です。実態があるわけではなく、皆がそれを信じているから存在します。
お金も虚構です。実態はただの紙切れですが、皆がそれを信じているから存在します。
宗教も同様ですね。

ホモ・サピエンスには、フィクションを想像でき、それを共有でき、それを信じる力があったからこそ、ここまで発展したというのが、ハラリさんがサピエンス全史で語ったことです。

ユヴァル・ノア・ハラリ著「ホモ・デウス」

次に紹介するのが、ハラリさんの次の本である「ホモ・デウス」です。

これも、Youtubeの解説リンクを張っておきます。

本のリンクはこちらです。

ホモ・デウスのエッセンス

サピエンス全史では、人類の過去の歴史を語っていますが、ホモ・デウスでは、人類の未来について語っています。

ハラリさんが予測する人類の未来は、なんと「人類は神になる」ということです!

人類が狩猟をしていたころは、すべての存在が神であり、魂が宿るとするアニミズムが信じられていました。

そこから中世になると、イエス・キリストなどの特定の神様の存在があって、神様を至高の存在と崇め、神様と人間は対等の存在ではなくなりました。
ピラミッドの一番上に神様がいて、次に神様に近い特権階級がいて、その下に人間がいて、さらに下に家畜がいるという構図になりました。

そこから近代になると、科学技術が発展し、神の力だと思っていた現象が科学の力で解明できたり、再現することができました。
そうなると、「神様なんていない」「神様の言うことなんて聞かなくていい」というようになりました。
そして、人類の欲望を満たすことを優先するようになりました。

人類がこれまで直面した強大な敵は、飢餓、疫病、戦争の3つでした。
ところが、人類はこれらをほぼ克服できるようになりました。

これから科学技術がさらに発展すれば、人類がサイボーグ化して不老不死を実現できるようになることが予想されます。
また、幸福すら、脳に幸せ成分を分泌させることで人工的に作り出すことができます。

次の神様は誰か?

人類は神様のような存在になるわけですが、ここで一つの問題が生じます。

今までは、「やっていい」「やってはいけない」の判断は神様や宗教がしていました。
人類がその座に着くと、今度は自分たちが判断をしなければならなくなります。

しかし、人類は「あなたはこうしなさい!」と決めてくれる神様を求めています。

そして、人類は次の神様の存在を求めます。
ハラリさんによると、次の神様は「データ」になるとのことです。

ビックデータが「あなたはこうしなさい!」と神様のように命令してくれる時代が将来やってくると言います。

今でも、レストランを選ぶとき、インターネットのデータを参考にして決めることも多いでしょう。

個人ができる経験は知れていますので、ビックデータのほうが圧倒的に信頼できます。

ハラリさんが予想する未来とは?

そして、ハラリさんの未来予測はこうなります。

未来のピラミッドの頂点に立つのが、ホモ・デウスと呼ばれる少数の人間です。
彼らが神となり、データを管理し、大多数の人間は管理されたデータを基に動かされるようになるというのです。

さらに、恐ろしいのが、人間の存在はどんどん価値がなくなってきていて、家畜と同列になっていきます
人間は、働けるという強みがありましたが、AI・ロボットが発達していくと人間独自の強みではなくなり、家畜と同様の扱いになっていくとハラリさんは説きます。

結果、ホモ・デウスと呼ばれる少数の人間だけが、神様として君臨します。
圧倒的大多数の人間は、何を食べて、誰と結婚して、どういう仕事をして、どんな遊びをするのかをデータ・AIに決められて、家畜として管理されます。
そういった恐ろしい未来をハラリさんは予想しています。

人類への警告の書と感じた

以上が「サピエンス全史」「ホモ・デウス」のエッセンスになります。

いやぁ~ハラリさんって超頭がいいですね。すごい洞察力!

ボク自身も、人類がこのまま行くとハラリさんが解くような未来が待っていると思います。
相当な説得力を感じました。

そして、これは未来からの警告の書として人類にもたらされたものだと受け取ってもよいのではないかと思いました。

このままだと、こんな未来が待っていますよ!という警告の書です。

ボク自身はこんな未来に生きたくありません。

どうすれば未来を変えられるか?

では、どうすれば、ハラリさんが予想する未来から変えられるのでしょうか?

人類は、判断基準を神に委ねざるを得ない存在であることが、この予測の大前提にあります。

なぜ、判断基準を神に委ねざるを得ないかというと、自分の判断では安心できないからです。
安心・安全の元となるものが自分の内側に存在していないからです。

神との分離感

これが「欠乏感」というものです。
精神世界では「神との分離感」と呼ばれています。

神との分離感とは、自分たち人間は、絶対的な存在から分離した存在で、本来は存在してはならない(原罪)という意識が深層にあり、絶対的な存在の指針なくしては生きられないというのが本質的に存在しているというものです。

分離感の虚構を解く

ボクは、この虚構(ウソ・フィクション)を解くことが今の時代に求められていると感じています。

私たち人間は、絶対的存在の一部であり、分離しているように見えるものすべてが、実はすべて形を変えた絶対的存在であるということを認識することです。

自分たちが絶対的存在の一部であるという体感は、原罪を根本から解き放ちます。
人類が持つ、罪悪感、無価値感、無力感を根本から拭い去ることができます。

そうなれば、AIやビックデータを神に置く必要がなくなります。

全ての存在が神であるという昔のアニミズムのような認識に戻るでしょう。
全ての存在が神の一部であれば、身分や価値の格差もなくなり、ピラミッド構造の身分制度は廃れていくでしょう。

人類は、内なる安心感を持ち、判断基準を別の神様に委ねなくなります。

内側に安心感があれば、こういった未来も存在します。

人類の大半が家畜同様になるという未来よりもずっとよいとボクは感じます。

自分がどう感じるか、どうしたいかというハートを大切にする

そのために人類がやらなければならないことがあります。

神なる存在に判断を委ねる生き方から、自分で感じて考えて生きていく生き方に変えていく必要があります。

「高次元の存在がこう言っている」とか、「占いではこうなる」とか、「キリストはこう言っている」とか、「仏陀はこう語っている」とか、それらは叡智であり、人間レベルを超えた素晴らしいものですが、それらに判断を頼る構図であれば、ハラリさんが解く未来像一直線です。

ボクは、高次元の存在や占いや宗教を否定しているわけではありません。

叡智を利用するのは大切なことですが、最終判断を他者に委ねない姿勢と、人生の責任を他に委ねないあり方が求められます。

人生の責任と判断を他に委ねたら家畜一直線

機械が肉体をスキャンして、足りない栄養素を瞬時に把握し、最適で美味しい食事を提供してくれたら、こんなにありがたいことはありません。
ところが、それと引き換えに、自分が食べたいものを感じて食べる、という力を失うのです。

「私は今、オムライスが食べたいから食べる」
「ボクは今、ラーメンが食べたいから食べる」

自分がどう感じるか、何をしたいか、どう生きるか、それを他者に委ねたいならば、家畜の未来が待っていると思います。

ハートで生きる人

そうではなく、「自分がどう生きるかというのは、自分で決めるんだ!」
「自分がしたいように生きるんだ。自分が判断して選ぶんだ!」
「たとえ、それがどんなに損になったとしても、失敗したとしても、自分で判断する自由意志だけは失いたくない!」
と思う人こそ、ハートで生きる人です。

データそのものを否定しているわけではありません。

データが主で、自分がどうしたいかが疎かになるのか、それとも、自分がどうしたいかが主で、そのためにデータを活用するのかの違いです。

二極化する世界へ

ボクの予想では、ハートで生きる人と、家畜を望む人で二極化する未来がやってくると思います。

なるべく多くの人がハートで生きてほしいと願っていますが、安心や安全を他に委ねるという生き方が悪いわけではありません。
ただ、それであっても自分の意志でそちらを選んでほしいと思います。

安心や安全を他に委ねながら、でも、自由に生きたい、好きなことしたい、ハートで生きたい、楽しく生きたい…というのは構造的に難しいということを理解する必要があると思います。

安心や安全を自分の中に置くから、ハートで生きられるのです。

今、ハートで生きてみる!

そして、安心や安全が内側に見つかるのを待つ必要はありません。
そんなのなくったってよいのです。

人類はフィクションを信じる力があるのですから、根拠がなくても、自分の中に安心感があると信じればよいのです。自分は絶対的存在の一部だと信じればよいのです。

そして、自分が絶対的存在の一部であるならば、当然、他者も絶対的存在の一部なので、必然的に自己尊重と他者尊重をすることになります。

そして、自らの価値を他者や社会にどれだけ役立てるかという貢献価値によって決めないでください。
全てが絶対的存在の一部であるとしたら、存在に価値の上下などないのです。価値はゼロであり、∞であり、基準などありません。
それを信じればよいのです。

今、ハートで生きてみましょう。

ハートで生きるために、何かを準備する必要はありません。

恐くてもいいから、自分で感じたことを表現したり、自分がこうしたいと思ったことを行動に移したり、内側の欲求を感じて外側で表現しましょう。

ハートで生きようとしたら恐れが出ます。
その恐れに向き合って、幻想を解いていくことをやっていけば、自然に自らの内側に安心感が芽生えていきます。

なるべく多くの人がハートで生きる未来でありますように。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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