自己犠牲タイプ
- 自分軸ではなく他人軸で生きてきた
- いい人(都合のよい人)
- 他者がどう思うかが気になる
- 自己主張して和を乱すよりは自分が我慢する
- 自分の欲求を出さずに周りが平穏なほうがいい
こういうタイプは自己犠牲タイプです。
人間関係のパワーバランスが弱い
自己犠牲タイプは、人間関係のパワーバランスが弱い方になります。
たとえば、夫婦関係も、自分のほうが損をする(負担が多い、権力が少ない)側です。
仕事や友人関係も同様です。
たいていは人生の一部で表れる
もちろん、単純に全てのパワーバランスが弱くなるわけではありません。
夫婦関係では強いけれど、仕事での関係は弱いなど、状況によって変わります。
ある状況下で、自分が弱い立場に立って、我慢や自己犠牲が多くなっていて、それで苦しんでいる場合、自己犠牲タイプとします。
自己犠牲タイプは報われないことで疲弊する
自己犠牲タイプは他人のためにとがんばりますが、その行為の全てが報われるわけではありません。
報われないことも多々あり、疲弊感や「自分だけが・・・」という感覚を感じています。
私のカウンセリングは、そういう人たちが健全になるサポートができることが強みです。
他人のためという他人軸になっている
モチベーションの記事を読んでもらいたいのですが、自己犠牲タイプは「他人のため」というのが強いです。
つまり、他人軸になっています。
二種類の他人軸
ここで、他人軸には二種類あることを区別します。
他人のために貢献したいという、他者の喜びのために他人軸になっているタイプです。
他者の喜びや感謝が自分の報酬であり、それが自分の心を満たします。
喜び動機の他人軸です。
もう一つは、他者の言動によって、自分が不都合な状態に陥ることを恐れて、他人軸になっているタイプです。
たとえば、ジャイアンに殴られるのが恐くて、ジャイアンの顔色をうかがっているような感じです。
恐れ動機の他人軸です。
注意点!
他人軸になってる場合、喜び動機と恐れ動機の二つがあり、それを区別する必要があります。
必要な対処法が違うからです。
ここで大事なポイントが、白黒、ゼロ百で分けないことです。
必ず、皆、喜び動機と恐れ動機の両方があります。
あくまで割合の問題です。
そして、喜び動機は「望ましいもの」、恐れ動機は「望ましくないもの」と分けないことが大事です。
ここはすごく陥りやすいので注意してください。
恐れ動機が悪いわけではありません。過剰な恐れ動機が問題なだけで、まったく恐れや不安がないのもまた不健全です。
喜び動機の人のテーマ
喜び動機の他人軸の人が苦しむケースをお伝えします。
自分がした行為で
- 他人が喜ばないとき
- 役に立てなかったとき
- むしろ他人に悪影響を与えていたことが分かったとき
こういったときに、無力感、罪悪感、自己無価値感を抱えます。
これが苦しみになります。
これらの感覚を抑圧すると、違った形で心身に悪影響が出ることがあります。いわゆる心や体の病気という形です。このとき、原因が分かりにくいので厄介です。
仕組みとして知っておくと参考になるでしょう。
喜び動機の他人軸の人は、優しく、情が強い人です。
「女性性が強い人」とも呼べます。
こういった人は、繊細で打たれ弱く、自己肯定感が低かったり、罪悪感を感じやすかったりします。
こういうタイプの人の課題の一つは、男性性の否定を解くことです。
男性性とは、男性そのものを表しているわけではなく、男性的な要素のことです。
たとえば、「強さ」「厳しさ」の価値を知ることです。
そして、健全に「強さ」「厳しさ」といった男性性の要素も身に着けることです。
心理的な男性性否定があるため、男性性過少になっています。心理的否定が無くなれば自然にバランスは取れていきます。逆に無理やり強くあろうとしても、根本では否定しているので葛藤が生まれます。私はこういうケースは心理的否定にアプローチするのが適切だと感じています。
相手に役立てるためには、相手のためになる助け方と、相手のためにならない助け方の区別をきちんと分かっておくことが必要です。
ここが分かっていないから、相手のためにならない助け方をして、役に立てなくて疲弊しています。
他人のためにやる行為が報われたいですよね。
報われるように、ぜひここの区別をつけてもらいたいと思います。
では、「相手のためになる助け方」と「そうでない助け方」の違いは何かというと、それはぜひご自身で考えてください。
自分で真剣に考えることで、より身につきますので。
恐れ動機の人のテーマ
恐れ動機で他人軸になっている人は、他人軸を好きでやっているわけではないので、他人軸の自分に辟易しています。
そんな自分が嫌でたまりません。
一刻も早く他人軸を止めたいと思っているでしょう。
こういうタイプの内、一部の人は、極端に逆に振れます。
極端な自分軸になるのです。
相手のことをまったく考えず、自分の意見を言わないと気が済まないというような極端なタイプです。
これはかなりバランスが悪いです。
とはいえ、極端に振れる人は一部にとどまります。
なぜなら、恐くてできないからです。
恐れで他人軸になっている人の大半は、自分軸で生きたいと願いながら、恐いので現状維持のままという状態でしょう。
「変わりたいのに変われない」という葛藤に苦しんでいます。
そのため、自己否定感が強いです。
「自分は勇気がない、弱い、ダメだ・・・」などと自分を恥じています。
「そんな自分を受け入れろ」と言ったって無理な話で、自分軸を取り戻してはじめて自己肯定感が生まれるでしょう。
私は「弱さを受け入れる」ということをメッセージとして伝えていますが、「そのままの自分でいなさい」と言っているわけではありません。
あくまで自分軸で生きるための手段として「弱さを受け入れる」ことを提唱しています。
これもより理解できるように別記事で書いていきたいと思います。
自分軸で生きるには、強さが必要です。
恐れで他人軸になっている人の課題は、強さを取り戻すことです。
では、どうやって強さを取り戻していくかについては、それだけでかなり長くなるため、別記事で採りあげます。