無意識の価値観が現実化されることが分かれば、ネガティブなセルフイメージを変えたくなるでしょう。
ネガティブなセルフイメージは当然たくさん持っていますが、その中でも人生に大きな影響を及ぼしているセルフイメージを変えると、現実が大きく変わります。
たいして重要視していない価値観はそもそも人生に与える影響が少ないため、ポジティブだろうがネガティブだろうがあまり気にすることはありません。
人が何を重要視しているかについては、人によってまったく違います。
ただ、共通して重要視しているものはいくつかあります。
それは生死にかかわるものです。
生死は文字通り命にかかわるものと、精神的な生死があります。
精神的な死とは、自分の価値がなくなることであり、それを避けるために自分の価値を上げることを重要視します。
そのため、自己価値に関わるような価値観は人生に大きな影響を与えます。
ネガティブなものでいうと、「私は価値のない人間だ」「私は愛される価値がない」「私は無力だ」「私は罪を犯しており、罰を受けなければならない」などは多くの人にとって強く影響を与える価値観です。
自己価値にかかわる価値観がポジティブであれば、世界観は相当ハッピーになります。ポジティブに投影するため、世界をハッピーに解釈します。生きている世界はとても心地よいでしょう。
逆にネガティブの度合いが強ければ、世界観は相当苦しいものになります。愛されない証拠、無力や価値がない証拠ばかり見つける人生はとてもつらいです。また、罪悪感が強ければ、自分に罰を下す人生を無意識で選択していきます。
ネガティブなセルフイメージを変えるには、まず、自分がどんなセルフイメージ、価値観を持っているかどうかを探る必要があります。
それは、現実に起こっている現象から分かります。
ある現象があって、嫌な感情を感じているとき、たとえば、「上司に怒られてムカついた」とき、その現象からどう感じて、どう解釈したかを探ることで、セルフイメージや価値観を見つけることができます。
そして、そのネガティブなセルフイメージや価値観をポジティブなものに変えること、それがボクのカウンセリングのプロセスです。
カウンセリングによる問いかけで、無意識の価値観やセルフイメージを見つけます。
たとえば、「私は大事にされない」というものであったとします。
それがあったために、恋愛や仕事やさまざまな人間関係で、「大事にされていない」証拠を見つけて、そういう現実をつくり出して苦しんでいたのです。
では、「私は大事にされない」という誤解はいつ、どうやって生まれたかを探ります。
これは問いかけで探ることもありますが、セラピーテクニックによって潜在意識に直接尋ねて引き出すことが多いです。
たとえば、幼少期に、母親がいつも忙しくしていてなかなか構ってもらえなかったという事実があり、そのために「私は大事にされない」という思い込みが生まれたことを見つけます。
それを「マトリックス・リインプリンティング」というテクニックで記憶を書き換えます。
幼少期のシーンを思い出し、そのシーンの中にいる過去の自分と現在の自分をイメージで対話させます。
タッピング(体のいくつかのツボをトントン叩き、感情解放すること)をしながら、その当時感じていた感情にひたすら寄り添います。
母親に対する怒りや悲しみなどがたくさん残っています。それをすべて出します。
そして、「私は大事にされている」ことを自然に受け入れられるように潜在意識に刷り込んでいきます。
感情をすべて吐き出した後ならそれがスムーズに受け入れられます。ちなみに「リフレーミング」と呼ばれる考え方の書き換えは感情を出す前ならむしろ逆効果になることが多いです。
そして、「私は大事にされている」記憶をイメージし、その喜びの感覚とイメージを身体に焼き付けます。
そうすることで「私は大事にされていない」という誤解を解き、「私は大事にされている」というポジティブなセルフイメージに変えることができます。すると、悩みが解消し、結果的に現実が大きく変わります。なぜなら、投影の質が変わるからです。これまではネガティブな思い込みを投影していたのが、ポジティブな思い込みを投影するので、ポジティブな世界に変わります。
これは一回で変わる場合もあれば、複数回必要な場合もあります。
特に人生を強く左右しているような思い込み(コア・ビリーフ)は一回や二回のセッションでは簡単に変わりません。長年、ずっとその思い込みの証拠を見つけてきて、強く作り上げたものなので、根気強く変えていく必要があります。
そのため、セッションを複数回受けていただくことをお勧めします。