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私はブスだ、と長年思い込んでいた理由が分かりました

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毎月1回セルフワーク講座を開催していて、先日は「ニーズ」がテーマの回でした。

ポジティブ投影からニーズや抑圧しているものを探っていくワークをしていきます。

そこで今まで長年持っていた疑問が解けた事例がありました。
ご本人の許可を得て、紹介させていただきます。

ポジティブ投影とは?

まず、ポジティブ投影とは何かということから説明しましょう。

その前に、投影とは。

投影とは?

投影とは思考を通して世界を見ることです。

私たちはありのままに物事を見ているわけではありません。

何かしらの思考のフィルターを通して物事を見ています。

たとえば、目の前にあるパソコンのモニターやスマホ。
これは「パソコン」とか「スマホ」という思考(レッテル)を通して見ています。

これが江戸時代の人だったら、何が何だか分からないものを見ているでしょうが、私たちはこれを「パソコン」「スマホ」という認識で見ています。

同様に世界は自分の知っているものであふれています。
一つひとつラベリングをして物事を見ているわけです。

このラベリング(思考)を通して物事を認識しています。

つまり、私たちは常に投影の世界にいるということです。

記憶がある限り、何らかの思考を通して物事を認識せざるをえません。

もし記憶がなかったら、レッテルを張らずに毎瞬毎瞬新鮮な目で世界を見ることができるでしょうが、当然生きていけません。

苦しみを生む投影

そして、私たちは善悪、好悪の価値観を無数に持っています。

たとえば、「面白い=善or好」「つまらない=悪or嫌」という価値観があったとします。

ここで、つまらない人を見たり、自分がつまらない状況に陥ったとき、嫌な感情や感覚が生じます。
これが一般に使われる投影です。

正確に言えば、「苦しみを生む投影」と言えるでしょう。すべては投影なので。

ポジティブ投影

このとき、面白い人を見たり、自分が面白い状況であったとき、良い感情や感覚が生じます。場合によっては嫉妬や自己嫌悪につながることもありますが、これがポジティブ投影と言われるものです。

ちなみに、ポジティブ投影と苦しみを生む投影はコインの表裏であり、必ずセットで存在します。

ポジティブ投影のワークから

前置きが長くなりましたが、先日のセルフワーク講座はポジティブ投影をテーマにやっていきました。

見た目が良い人にポジティブ投影

ある参加者の方がポジティブ投影する人は「かわいらしくてチャーミング、見た目が美しい人」です。

ポジティブ投影の度合いを0~10で付けてもらったところ8でした。

私はブスで鏡を見たくない

自分自身にその要素がどのくらいあるかを問いました。

すると1でした。つまり、ほとんどないと思っています。

「鏡も見たくなくすごい嫌だ」とおっしゃっていました。

実際にはこの参加者の人はチャーミングな方なんです。
ですが、自分ですごくブスだと思い込んでいました。

深い思い込みとマッチしていない情報は受け取れない

たくさんの方が見た目を褒めたとしても、本人は受け取れません。
深い思い込みとマッチしていないものは拒絶してしまいます。

自分の見た目をダメだと思っていて、見た目の美しい人にポジティブ投影するのはある意味分かりやすいですね。

なぜ私はブスだと思うのか?

では、なぜ自分の見た目をダメだと思うのかというところを探っていく必要があります。

ブスと言われて傷ついた心の傷の可能性

まず、原因として考えられるのが見た目について受けた心の傷です。

しかし、「人からブスと言われたことやいじられたことはない」とのことでした。
つまり、証拠がないのに信じていたということです。

また、「妹は可愛いのに私はブスだ」ということもおっしゃっていました。

別の可能性を想定

ここで次の可能性を考えました。
「私はブスだ」と深いところで思い込みたい理由があることを想定しました。

そこで次のような質問をしました。

「目の前にあるお茶を飲むと一瞬でキレイになるとして、お茶を飲んでみようとするとどう感じますか?」

すると、「ちょっと考えちゃう」とおっしゃいました。

ここで何らかの抵抗、理由があることが判明しました!

つまり、意識的には見た目の美しい人になりたいと思いながらも、実際にそうなることを恐れているわけです。
言い換えると、心の奥では自分でブスであると思い込みたいわけです。

長年謎だった理由が判明!

ここまで本人が理解したら、ハッと気づかれました。

「長女なので何かにつけ怒られていて、妹が母から可愛がられていて恨めしい思いがある。そこを顔にすり替えていたかもしれない」

素晴らしいですね!
ご本人の長年の謎がついに解けました。

一番見たくない傷に触れないために作り上げた思い込みだった

妹は母から可愛がられていて(そう思い込んでいて)、私だけ可愛がられていないというのは、幼少期の子どもにとってはかなりきつい体験です。

なので、「妹は可愛い顔、私はブス。だからお母さんは妹のことを可愛がる」ということにすれば、「私の顔が悪いから愛されないんだ」ということにできます。

「私の存在自体が受け入れられない」というのはもっと苦しいので、見た目という理由を付けたのでした。

理由が分かればセラピーで解消できる

ここまで分かれば、お母さんから私だけ可愛がられていないと思っていた心の傷をEFTやマトリックス・リインプリンティングなどのセラピーで癒せば解消できます。

私たちは皆同じようなパターンを持っている

とても分かりやすくて目を引く例だったので紹介させていただきましたが、実は皆さんも多かれ少なかれこういうパターンを持っています。

証拠がないのになぜかこの思い込みを手放せない。どうしても真実にしか思えないというとき、もしかしたらそう思い込みたい理由(メリット)があるかもしれないと疑ってみてください。

セルフワークの限界とカウンセリングの有用性

ただ、どうしても真実にしか思えないときは疑うこともしないので、そこがセルフワークの限界ですね。
第三者の視点から見るカウンセリングであれば、ここを疑うことができます。

知っておきたいこと

大前提として、すべて――大事なので繰り返しますが、すべてです。すべてのビリーフ(信念、べき、価値観、レッテル、思考)は「思い込み」です。思い込んでいるだけです。
真実など一つもありません。
それが大前提です。

この大前提が分かっていれば、次のように問うことができます。

「なぜこの思い込みを絶対的に真実だと思っているんだろう」

そうして初めて、その思い込みにひびを入れることができるのです。

思い込みを真実だと思うことで何らかの苦しみが発生します。

特に自分にとってネガティブな思い込みは苦しいです。

この事例が皆さんの一つのヒントになれば幸いです。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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