「振られたあの人のことをもう何年も引きずっている」
「好きだったあの人のことが忘れられない」
「振られた後、恋愛がおっくうになった」
「新しく付き合っても、前の人と比較するのが止められない」
「振られたことで今でもトラウマになっている」
失恋の傷を癒すにはどうすればいいか
好きな人から振られるというのは人生の苦痛の中でも極めて大きなものだと思います。
もちろん、たいして好きではなかったとか、もう別れたい場合は、振られてもショックは少ないでしょう。
好きであればあるほど、そして、その人を代わりのきかない特別な存在であると思えば思うほど、振られたときのショックは大きいです。
結論から書いていきますね。
失恋の傷を癒やすには、2つのことをやる必要があります。
1つは、振られたという事実を受け止めることです。
もう1つが、その事実を受け止めたことで生じる心の痛みを感じきることです。
この2つのことができたとき、失恋の傷は癒やされ、引きずることなく次に進むことができます。
この2つは必須です。
特に1つ目の「事実を受け止める」ことは覚えておいたほうがよいです。
事実を受け止めずに、いくら感情を解放してもなくならないからです。
苦しみがずっと続くことになります。
事実を受け止められない原因
事実を受け止められない原因は次のようなものがあるでしょう。
- あまりにショックが強すぎて、受け止められない
- 復縁の可能性を信じている(あきらめきれない)
- 振られた理由が明確ではなくて、受け止められない
②③がある場合、寄りを戻すことをあきらめていません。可能性があると思い込んでいます。
その場合、失恋のショックは実際にはまだ生じていません。失恋の可能性という状態で生じる感情が生じています。
そのため、いつまでもその感情が生じ続けます。
ここがものすごく重要なポイントです。失恋を受け止めていないので葛藤状態が続いています。この状態だと苦しみは終わりません。この状態だと感情解放やセラピーをやっても(受けても)苦しみは終わりません。
なので私はこのケースではセラピーをする前に、まずは理解をしてもらい、受け止められるようにし、苦しみを終わらせるように持っていきます
振られた人がストーカーになる理由
ストーカーになる人は、決まってあきらめられていない人です。
どうにか復縁できるはずだと信じています。
ストーカーになれば、基本的に恐がられます。嫌がられます。それでもこれだけ強い愛があれば、いつかなびいてくれるのではないかなどと思い込んでいます。
ストーカーはまるでモンスターです。なぜモンスターになったかというと、あきらめられていないため、感情が山ほど出てきて、それを抑圧することで、莫大な感情を抱えることになります。
その抑圧された感情がモンスターとなり、周りのことがまったく見えずに自分の欲求だけ満たそうとするモンスターになっているのです。
ひどい振り方
振られるショックは極めて強いため、それを感じさせたくないという優しさから、自分から振らずに振られるように仕向けるとか、曖昧にすることをする場合があります。
ところが、それらは一見優しいようでひどい対応です。
相手は、事実を受け止められないので、いつまでも引きずることになります。相手にトラウマを与えるやり方です。
- 自分から振らない(相手に振られるように仕向ける)
- 別れ話を切り出さずに自然消滅であいまいにする
- 別れるとき、理由を言わない
- 急に音信不通になる
こういったことをされると、恋愛トラウマになります。
音信不通になると、その理由が分からず、もしかしたら、待っていた方がいいかもしれないと思い、あきらめるまで時間がかかります。
それだけ、その人の時間を奪うことになってしまうのです。
振られたとき、理由を知りたくなるのが当然です。
理由が分からないと、自分の何かが悪いのだと、妄想が膨らみます。
的外れの妄想になり、それだけ自己否定になりがちです。
相手を傷つけてしまう罪悪感を感じたくないために、返って相手を傷つけてしまいかねません。
もちろん白黒思考で単純に正直に言えばいいというわけではなく、相手に配慮して本音を伝える必要はあります。
優しい振り方
では、優しい振り方とはどのような振り方でしょうか。
- 相手と直接会って別れ話をする
- 別れる(or 交際申し込みを断る)理由をきちんと話してあげる
- 復縁の可能性がないのであれば、相手に希望を持たさないこと
要は、相手に引きずらない断り方をするということです。
それは、ズバッとショックを与えることになりますが、そのほうが結果的にありがたいのです。ここでいい人になったり、自己正当化するほど、相手を長く傷つけることになります。
別れる理由は、正直に、誠実に伝えることは大事ですが、バカ正直に言えばよいというものではありません。
誠実さと思いやりを持って、できるだけ相手が早く立ち直って次に行けるようにしてあげましょう。
別れ話は正直したくないものです。言われるほうも苦しいですが、言うほうも苦しいです。でも、これを避けるのは逃げです。この逃げは相手を苦しめる逃げです。
相手のために、きちんと話をすることが大事です。
まだ、自分の中で別れるかどうかを迷っているときは、お互いが正直に誠実に言いたいことを言うことが大事です。言いたいことを言って、もう「別れたほうがお互いにとっていいこと」と分かれば、スッキリ結論を出せます。
この場合、別れた後もよい関係でいられます。
このときに繕えば繕うほど、相手を苦しくさせてしまいます。
私の経験
私が失恋を長く引きずったのは、若いときに本当に好きだった人から恋愛のピーク時に振られて、その理由を教えてくれなかったときでした。
なぜ、長く引きずったかというと、失恋の事実を受け止めたくなかったからです。時間が経って、もう可能性はないよなと確実になって、徐々にあきらめざるをえなくなり、少しずつ忘れていきました。
何年もその人の夢を見ていました。
振り返ってみると、逆に告白されたときに私が明確に断らなかったことがありました。
その人は後でかなり苦しんだと聞きました。今思うと本当に申し訳ないことをしたと思っています。
「傷つけたくない」という表面の優しさ(これは弱さから来る優しさですが)が、相手を余計に傷つけてしまったのです。
事実を受け止める
では、振られた側で、希望がまだ残っていて受け止められない場合はどうしたらよいのでしょうか?
このときは苦しみがとことん続くため、いったん事実を受け止めましょう。
受け止めてあきらめたとしても、それから復縁する可能性もあります。結局は「縁」なのです。縁があれば付き合うし、縁がなければ付き合わないです。そこは委ねるしかありません。
「別れたい」と言われた場合は、「彼(彼女)が別れたいと言った」という事実を受け止めます。
まだ付き合う前で、好きな人が別の人と付き合ったとします。
「好きな人が私ではない人と付き合った」という事実を受け止めます。
どうしてもあきらめられないとき
あきらめがつくには、復縁の可能性がなさそうなことを理解する必要があります。可能性がまだあると思っていたら、事実を受け止められません。
とことん話し合い、言いたいことを伝えましょう。
それでも難しいと思えば、あきらめやすくなります。いずれにせよ、言い残しがあると、引きずりやすくなります。
但し、いろんな事情で、言いたいことが言えないということもあるでしょう。
その場合でも、別れ話をされたということは事実であり、そのことはきちんと受け止めましょう。その傷を癒やすのです。
心の傷を癒やす
この事実を受け止めると、ものすごく苦しくなるはずです。
これが心の傷です。
この心の傷に向き合います。感じきります。
セラピーを知っている人は、ここで使うとよいでしょう。
親友から学んだ癒やし方
大学生のとき、親友が好きな人に振られて、異常に落ち込んでいました。親友のあんな姿を見たことがなく、いつもバカみたいに騒いでいたやつが、生気を失って死にそうでした。
私はそのとき、寄り添ってあげました。必死で励まそうとしました。
今思うと、逆効果なことをしたと分かりますが、当時は立ち直ってもらいたくてやりました。
親友は2日間引きこもりました。死んだように落ち込み、その後、完全にその出来事を終わらせました。
その後は、以前と同じ明るい状態になりました。
事実を受け止めたら、ものすごく傷ついて落ち込みます。
変にポジティブになると、心の傷を抑圧してしまいます。それだと、いつまでも引きずってしまいます。
落ち込むならとことん落ち込んだほうがよいのです。
どん底まで落ち込んで、感じきれば、必ずその出来事を終わりにできます。
失恋の傷が長引いて苦しんでいる方の参考になれば幸いです。