忠臣蔵が日本人に愛される理由
忠臣蔵が日本人に愛されるのはどうしてでしょうか?
忠臣蔵のエッセンスを私なりに一言で言えば「主君の無念を晴らす」です。
「無念を晴らす」というのが大きなポイントで、もう一つのポイントが「主君のため」というものです。
後者の「自己犠牲」「忠義」「恩義に報いる」「他者のため」という精神がまさに日本人的です。
前者の「無念を晴らす」という点に惹かれるのは、それだけ人々がそれを潜在的に求めているということだと思われます。
無念を晴らしたいという思いは強烈なのです。
私は「自尊心回復欲」と呼んでいます
無念を晴らしたい欲を大事にする
これってものすごく大事で、ここをおろそかにしている人も多いのではないでしょうか。
無念を晴らすとか、リベンジする、復讐するというのはよくないものだというイメージがあると思います。
確かによくないことも多いです。
復讐はマイナスエネルギーを相手に向ける行為です。
忠臣蔵で主君の無念を晴らした赤穂浪士の最後は切腹でした。
しかし、だからといって、この悔しさを抑圧してしまうと、エネルギーが出てこなくなります。
無気力、無力になってしまいます。
もし、この悔しさを前向きな努力に変え、ポジティブに活かすことができれば大いに役立ちます。
いじめの例
分かりやすい例として「いじめ」を採り上げます。
同じことをやり返すとどうなるか?
いじめられて、復讐したとします。
怪我をさせられた復讐として、相手に大怪我をさせたとします。
そうすると、復讐はできてスッキリする反面、心にしこりも残るでしょう。
本当にこれでよかったのかという疑念や、大怪我をさせた罪悪感や、それをやった自分への嫌悪感が出るからです。
さらに、相手に大怪我をさせたことで、自分が退学になったとしたら、復讐の代償が大きすぎます。
いじめられる経験は、相手からマイナスのエネルギーを受けています。
ここで、マイナスのエネルギーを相手に与えると、マイナスのエネルギーの連鎖になり、自分も相手も大きな被害を受けます。
いじめられっぱなしだとどうなるか?
かといって、いじめられっぱなしもよくありません。
自分だけマイナスのエネルギーを受けて、相手には何もできないので、自分が苦しむ一方です。マイナスのエネルギーを貯め込むことになります。
これは自分を相当蝕みます。
このマイナスエネルギーによって、憎しみ・恨みの感情や、負の思考にひどく悩まされるでしょう。
どんどん復讐欲が蓄積されます。これを抑えるとしんどいです。
ではどうすればよいか?
では、どうすればよいかというと、この無念や悔しさを、自分のプラスのエネルギーに変えるのです。
「復讐してやる!」
ではなく
「見返してやる!」
であれば、プラスに変えられるのです。
元いじめられっ子がボクシングに打ち込んで世界チャンピオンになった例がありますが、この人はプラスのエネルギーに変えています。
どうやって見返すかは、人によって違うでしょう。
スポーツ、勉強、言葉力、人気とか、何でもよいです。
「相手を貶めてやろう」であれば、マイナスエネルギーです。
「すごい人間になってやろう」「いじめがない社会にしていこう」「いじめられている人に勇気を与えるような人になろう」であれば、プラスエネルギーです。
自分をよい方向に動かすエネルギーに変えて、行動することができます。
負の感情、嫌な体験を活かす
負の感情を伴う嫌な経験が一概に悪いものではありません。
但し、それがマイナスエネルギーの連鎖になれば、それは結果として悪いものになるでしょう。
ところが、見返すためにプラスのエネルギーに変えたとしたら、嫌な経験は、後から振り返ると結果として自分の宝になります。
これが「活かす」ということです。
マイナスをプラスに変えることを意識しよう
私自身、かつては嫌な経験を活かすことができず、マイナスエネルギーをため込んでいました。
マイナスエネルギーを処理することはもちろん大切で、必要ですが、プラスに活かすことも大事だと後から気づきました。
もっと早く、マイナスをプラスに変えることに取り組んでおけばよかったと思っています。
ぜひ、マイナスの出来事から生じるマイナスのエネルギーをプラスに変える錬金術を身に着けていただければと思います。