私がハマった落とし穴
私自身がハマってしまった落とし穴で、痛い経験をしたことがあります。
皆さんにそういった経験をできるだけ避けてもらえたらと思って紹介します。
もしかしたら皆さんも現在進行形で落とし穴にハマっていたら気づくきっかけになるかもしれません。
どんな落とし穴かというと、ネガティブの過剰受容です。
ネガティブを過剰受容していた
私はネガティブの受容・許しをお伝えし、自らも実践してきました。
結果、心が豊かになり、幸せを感じることが多くなりました。
ところが、そこにも副作用があって、その道はうまくいっていると思っていたがゆえにネガティブを過剰受容していたことをなかなか自分で気づけませんでした。
ネガティブを抑圧していたことに気づいた
簡単に言えば、私はネガティブを許そうとしすぎて、ネガティブを消しすぎてしまっていました。
そして、それはある意味高度な抑圧でした。
ネガティブを消しすぎてしまうとどうなるかというと、必要なネガティブが出てこなくなるのです。
あるいは、ネガティブが出ていてもそこに気づけないのです。
たとえば、危機が迫っていても危機感がないという感じです。
そして、「ネガティブを消した」と言っても、やっていたのは高度な抑圧だったので、抑圧したものがどこかで表面化していました。
ネガティブを認めていなかったことに気づく
結局これって、「ネガティブを本当の意味で認めていなかったな」と思いました。
ネガティブを愛するということは、ネガティブを消して、ポジティブに至ることではありません。
そんなことは100も分かっていたはずなのに、自分自身が無意識でハマってしまい、恥ずかしい限りですが、それがありのままの自分なので正直にお伝えします。
「抑圧を解こう」と提唱してきた私が、大きな抑圧をしていたなんて穴があったら入りたいですが、同時に、そこに気づけた大きな喜びがあり、とても複雑な心境です。
あえてネガティブを残すという方便
どうしても、ネガティブを消す方向に向かってしまうことは痛いほど分かりましたので、あえてネガティブを残すことが大切だと今は実感しています。
2割の働かないアリが集団存続の鍵だった
アリの例を出しますね。
働きアリの2割は働かないそうです。
効率性だけを重視すれば、2割の働かないアリを排除すればよいと思いがちですが、そうなると集団は長期間存続できないようです。
大雨で巣に影響を受けたとき、通常業務でいっぱいいっぱいのアリでは余力がなく、穴を補修できません。そうなると、集団は存続できなくなります。
通常は働かないアリが緊急事態に働くことで、いざという危機を乗り越えることができます。
つまり、2割の働かないアリがいるということが、集団存続に必要なことなのです。
これを人間にも当てはめると、人生の2割はネガティブを残しておくことが大切なのではないかと思うのです。
働かない人は真っ先にリストラ対象だが…
組織で言えば、こういう人は真っ先にリストラ対象です。
- 働かない人
- 給料に見合った成果を出さない人
- 無駄が多い非効率な人
- 反抗的な人
- 不真面目な人
もちろん、こういった人が増えすぎると組織は成り立ちませんが、あえて2割くらい残しておくことが必要だと思います。
自分の悪意は排除したいもの
個人で言えば、自分のこういった要素は真っ先に排除したいと思うでしょう。
- 悪意・攻撃性・意地悪さ
- 怠惰
- 無気力
- わがまま
- 欲望
- 無責任さ
- 執着
- 不健康
- 不健全なこと
- 身体に悪い習慣
- ネガティブ感情
- 自己否定
苦しみはゼロにしたいもの
また、人生のネガティブなことも排除したいでしょう。
- 悩み
- 葛藤
- 苦しみ
- 痛み
- 理不尽さ
- つまらなさ
あえて2割残すことで結果的に受容しやすくなる
こういったことを「あえて2割残す」ようにすると、結果的に受容ができ楽になると思います。
どうしても「ゼロにしたい」欲求にとらわれてしまうんですね。
ゼロにする必要はないと十分理解したつもりの私も、無意識でゼロにしようとしていました。
私自身、そんなつもりがなかっただけに、発見が遅れてしまいました。
そんな経験から、あえて2割残すことを意識することが大事だと感じています。
ネガティブは人生で必要不可欠
ダイエットでも炭水化物抜きダイエットで、炭水化物を極端にゼロにしてしまうと身体に支障が出るでしょう。
何でも極端にしないことが大切です。
Youtubeの誰かの動画で見ましたが、蚊って嫌な存在ですが、蚊を駆逐してしまうと、水が汚れて生態系がおかしくなって大きな悪影響が出るようです。
ネガティブだって必要です。
問題はネガティブそのものではなく、ネガティブが過剰であること
問題は、ネガティブの割合が増えすぎることです。
無気力も大事ですが、人生の半分が無気力だと問題ですね。
でも、2割は無気力さがないとどこかで故障してしまいます。
つまり、バランスが取れていないことが問題なのです。
2割というのは一つの目安
2割というのは一つの目安であり、それを科学的に実証したわけでもありません。
個人差もありますし、人によってバランスがとれている割合は異なると思います。
ご自身にとって最適だと思うバランスにしてもらいたいと思います。
ただ、2割残すということを頭に入れておくだけで、ゼロにするということを避けられます。
悪口・批判も必要なこと
たとえば、悪口。
悪口ばかりの人って嫌ですよね。
これは悪口のバランスが過剰に多いだけで、悪口そのものが悪いわけではありません。
悪口も必要なんです。
でも、嫌なものは排除しようとする性質があるので、ゼロにしたくなってしまうのですね。
ここが苦しみにつながります。
つまり、悪口(他者への怒りの表現)をつい抑圧しがちになってしまうのです。
そして、抑圧されたものは、意識的にコントロールできない領域に押し込められるため、かえってそのエネルギーに振り回されてしまうのです。
もし、健全に悪口を言っておけば、そこまで苦しめられずにすみます。
自分で2割の悪口を許していれば言われることも許容できるようになる
2割の悪口を許しておけば、自分が悪口を言われる側に立っても、まあ少しぐらいはしょうがないとおもえるようになります。
批判されることは嫌なので、ゼロにしたいと思いがちですが、ここも健全なのは2割は批判がある状態です。
であれば、批判されて当たり前なので、そうすると批判されることを恐れることも少なくなるのではないかと思います。
自己否定も2割は残しておく
悪口が自分に向かうことが自己否定ですが、自己否定も2割は残しておくことが大事です。
「自己否定をしないようにしよう」というメッセージは自己否定が過剰な人のためのものです。
健全な自己否定も大切で、自己否定がないのも不自然です。
まったく自己否定がない人って嫌だと感じると思います。
それはそれで不自然だからです。
自己否定も大事です。
とはいえ、自己否定の割合が多くて苦しんでいる人のために、自己否定を少しでも少なくできるようなメッセージはこれからもたくさん発信していきます!
嫌なことも2割残しておく
人生において、嫌なこと、ストレスになること、やりたくないことってあると思います。
多くの人がこのバランスが過剰に多いため、「嫌なことを止めよう」「やりたいことをやろう」というメッセージになりますが、「嫌なことをゼロにしよう」「やりたくないことはやらないようにしよう」というメッセージではないことに注してください。
もっと詳細に言えば、「嫌なことの割合が4割と過剰に高くなっているので、半分の2割にしてください」というような感じです。
ストレスがゼロになるとそれはそれでまずいです。
何もしなくても満たされて幸せがある状態は、一つの理想ですが、それがたまにあるのはよいのですが、それが続くとまずいです。
だって、生きている意味がないです。
何もしなくても幸せであれば、何かをしようと思う衝動もなくなってしまいます。
欲やエゴがなければこの世は成り立たない
欲やエゴも2割は残すことです。
欲やエゴがなければ、この世の中は成り立ちません。
私たちはこの世の中で生きているわけですから、欲やエゴも適切に持つ必要があります。
過剰否定があれば過去の心の傷を癒そう
2割すら残したくないというのは、その要素への過剰否定からそうなっています。
そこはワークのしどころですね。
どうしてそこまで否定しているのかに向き合って、過去の心の痛みを癒していく必要があるでしょう。
でも、注意しておくことが、痛みも消せばよいというわけではなくて、消し過ぎると私のようにネガティブ不足の弊害が出てきます。
これから心に向き合っていこうと思っている人は、「嫌なことの誤解を解いて受容していこう」という姿勢でどんどん楽になっていくと思いますが、ある程度心に向き合ってたくさんワークしている人の中には、私と同じように「受容のしすぎ」の罠にハマっている、もしくはハマりかけている人もいらっしゃるかもしれません。
そういった人たちに響けばと思って書きました。
ご参考になれば幸いです。