いま振り返ってみると、ボク自身が楽に生きられるようになったのは、目指すべきものなど何もないことを知ったからだと思います。
以前のボクは、何かにならないと自分の悩みや苦しみは解決しないのだと心から信じていました。
お金の不安は、貯金通帳の残高が2億円なければ解消しないと思っていました。
寂しさは、素敵なパートナーがいなければ埋められないと思っていました。
自分の価値は、何かすごい人間にならなければ身につかないと思っていました。
現実はなかなかうまく行かなかったので、よく考えると空想ばかりしていたように思います。
ボクがプロ野球のピッチャーとしてカープで活躍している妄想や、格闘技の世界チャンピオンになる妄想…
経営コンサルタントにあこがれたときは、米系コンサルティングファームで活躍している場面や、証券アナリストにあこがれたときは、証券アナリストランキング1位になっている場面、ファンドマネージャーにあこがれているときは、ヘッジファンドを立ち上げて活躍している場面…
はぁ~、書いていて恥ずかしいです(-_-;)
でも、妄想力は自信あります(笑)
そして、ボクは究極の目指すべきものとして、悟りを目指そうとしました。
自分を超えたかったんです。
今のダメな自分を一発逆転するみたいな…
だからと言って、瞑想はやりませんでした。
めんどくさかったからです(-_-;)
続きません。
何もせずに、じーっとしてただ観察するだけなんて性に合っていません。
本当は悟りたかったんじゃない。
ただ、苦しみを抜け出したかった。
ただ、ダメな自分じゃないと思いたかった。
ただそれだけだったと思います。
そして、目指すべきものはないことを知ったとき――悟りさえも――、肩の力が抜けて、楽になりました。
この人生の中で、成し遂げるべきものは何一つなく、何をやってもいい。
何をやろうがやるまいが、ボクの価値は不変だし、最高の価値があり、実は価値づけるものなど何もない…
どのシナリオも、価値観も、感情も、単なるエネルギー。価値があるもないもない。
別に、プロ野球で活躍できてなくても、格闘技の世界チャンピオンでなくても、ランキング1位の証券アナリストでなくても、いまは自分のことが好きです。
でも、今の理解がなければ、仮にプロ野球選手であろうが、年収億稼ぐファンドマネージャーであろうが、ボクは自分のことが嫌いだったと思います。これは自信を持って言えます。
「あなたはそのままでいい」
この言葉は昔のボクには分からなかった。
優しい言葉だと思うけれども、「バカじゃねーの」と思っていました。
そのままでいい訳がない。だって、今のボクはそのままですごく苦しんでいるのだから。
このままでいい訳がない。バカにするなって。
今はよく分かります。
「そのままでいい」ことも「そのままじゃいけない」という当時の思いも。
両方が真実。そして、両方が必要でした。
だから、今、思うことを大切にすればよいと思います。
自分の心に素直でいれば、きっと道は開けてきます。
もう、目指すべき道などないと知ったとき、進みたい道に進むだけ。
自分で選択し、その行為の結果を受け取る。
「べき」に動かされているのではなく、自分の意志で動いているので満足感が違います。