境界線 PR

詐欺事件のニュースコメントから分かる日本人の自己責任論

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

詐欺ニュースのコメント傾向

私はヤフーニュースを見る習慣があるのですが、たまに詐欺のニュースが出ます。

そこでのコメントが日本人の自己責任論を表しているなと感じます。

被害者の落ち度を指摘するコメントが多く、それを支持する件数が多いのです。

投資詐欺であれば「そんなうまい話はない」「ちょっと考えれば分かるはずなのに」「欲を出しすぎた」「最低限の知識は持つべきだ」「常識的に考えて怪しいのは分かるはず」「なんでこんなのに引っかかるのだろう」・・・といったような意見です。

そういった意見が出ることについては一つの意見としてアリだとは思いますが、私が気になるのはその意見の多さです。

そういった意見が多いというのは、日本社会の自己責任論の意識の表れではないかと感じます。

被害者の落ち度を指摘する人の2つの問題

被害者の落ち度を指摘するコメントについては、2つの問題が指摘できます。

他者の理解不足

1つは、被害者の落ち度を指摘する人は、自分の能力や価値観に偏って意見を発信しているということです。
「合理的に考えれば詐欺を防ぐことはできる」というのは、その能力が十分ではない人の存在を無視しています。

そういった人たちの存在を考慮に入れずに、自分の能力(私は詐欺には引っかからない能力がある)を基準にして、他者にそれを当てはめています。

つまり、そういったコメントをする人は合理的な判断能力は十分あるのかもしれませんが、他者を理解する能力は欠けているのではないかと捉えることができます。

自身の発言が問題を助長していることに気づいていない

もう1つの問題は、被害者の落ち度を指摘する人が、それをすることによって問題解決の妨げになっていることに気づいていないことです。

被害に遭って傷ついている人に落ち度を指摘しても、改善するどころか改善の妨げになります。
人は感情を処理できていないうちは、合理的な行動は取りにくいです。
まず、感情の処理が大切なのに、被害にあった人の傷口に塩を塗るようなことをやっています。
そこに気づいていないとしたら、自己視点でしか物を考えられていない証拠です。

また、自己責任論が蔓延する社会は、特定の能力に欠ける人にとって、生きづらい社会です。
自身が高齢になって、認知能力が衰え、弱者の側に立ったとき、自己責任社会の厳しさや冷たさを痛感するかもしれません。

自分が被害者の落ち度を指摘することは、ミクロで見てもその人のマイナスに働き、マクロで見ても自分たちの首を絞めることになることになります。

被害者の落ち度を指摘する人と同じ立ち位置に立てば、「被害者の落ち度を指摘することのまずさはちょっと考えれば分かるでしょ」とその人のコメントと同じような内容のコメントをブーメランで出せるでしょう。

ただ、それをしてしまうと相手の境界線越えに対して、自分が境界線を越えてしまうことになります。

境界線を引くこと

自分ができることとしては、境界線を引くことです。

日本の社会では、失敗や社会的不成功や恵まれない境遇を自己の責任にし過ぎる傾向があることを理解することがまず必要だと思います。

そして、自分がうまくいかないことを自分のせいにしすぎないことが大切です。

改善は必要だが自分責めは不要

少なくとも自分を責める必要はありません。

私は「改善する必要がない」と言っているわけではないので注意してください。

改善は必要です。

失敗したことに対して、しっかり感情に向き合って、その後で次に失敗しないように原因を見つめ、対策をしていくことは大切な行動だと思います。

但し、そこに「自分責め」は不要です。

社会は「あなたの責任」という責めるエネルギーが出がちですが、そこにしっかり境界線を引いて、影響を受けないようにしてください。

自己責任は感情処理の妨げ

詐欺に遭った人は、自分のせいだと責めるのを止めてください。

それをやっていると、感情処理が進みません。

詐欺に遭ったときに自然に発生するであろう「悔しさ」「悲しさ」「怒り」「みじめさ」などの感情が、「自分責め」の結果、抑圧されてしまい、詐欺に遭った被害に加えて、精神的被害が長引いてしまい、長期的には詐欺の損害よりも大きな損害を人生にもたらす可能性があります。

しっかり、感情処理をしてほしいと願います。

対策は、感情処理が十分できてからにしましょう。

負の感情を処理するときの注意点

負の感情は「発散」する方法と「活かす」方法があります。
発散するほうが手っ取り早いですが、負の感情を前向きに活かすというアプローチでもよいと思います。

たとえば、「詐欺被害に遭ってこれだけ悔しかったから、詐欺被害に遭う人を減らせるような啓蒙活動に力を入れよう」とか、「この悔しさをエネルギーに仕事に打ち込もう」とかです。

これはマイナスエネルギーをプラス事象に変換しています。

まずいのは負の感情を「他者攻撃」に使うことです。理由はどうであれ行動そのもので見れば、加害者と同じことをやっています。

マイナスエネルギーをマイナス事象に使っています。
これはまずいです。
マイナスエネルギーを余計大きくさせることになります。

自分責め・他人責めは不要

日本社会がなぜ自己責任意識の高い社会であるかを考えたり、学ぶことはとても興味深いですが、ここでは言及しません。

この記事では、心の観点から「自分責めは必要ないよ!」とお伝えしたいです。

付け加えると「他人責め」も同様です。

他者へ怒りを抱えるのは自然なことです。
自分のニーズを伝えることも自然です。
そこに他者を責める必要はありません。

他者を責めなくても、自分の怒りを処理できますし、自分のニーズを伝えることもできます。

そこの区別がしっかりできると、境界線が引きやすくなるでしょう。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。