風邪をひくと、健康のありがたみが分かります。
病気のときはしんどいです。
なので、病気=よくないもの、健康=よいもの、という価値観を持っています。
病気=悪、健康=善というレッテル張りです。
基本的には当たり前のことでしょう。
健康と病気だけではなく、私たちは何でも善悪のレッテルを張りがちです。
平和=善、戦争=悪
楽しい=善、怒り=悪
自分の好きなもの=善、嫌いなもの=悪
…
これは心のしくみ上、当たり前に起こることですが、このレッテル張りによって苦しみを生むことがあります。
病気を悪だと信じていると、病気を避けようとします。
すると、病気に対して恐れや不安が生じます。
単純な心の原理です。
恐れや不安があるとき、身体はどうなるかというと、回避・逃走モードに入ります。
恐れを避けたいですから。
素早く恐れを避けられるように交感神経が活発になり、心拍数の増加、血圧上昇などが起こります。
パフォーマンスを身体優先にさせるため、思考や意識は低下モードに入ります。
知性的な面では通常よりも劣化します。
更にこの状態は緊急モードのため、身体のエネルギー消費量が通常よりもぐんと上昇します。
それは、他の活動にエネルギーが避けないことを意味します。
また、人体は成長(細胞増殖)と防御を同時に行うことができません。
回避・逃走モードでは、細胞が増殖できず、生命力が著しく低下します。
つまり、病気を必要以上に恐れることで、病気になる可能性が高くなることになります。
病気=悪というレッテルを緩めることができれば、必要以上に恐れることはなくなります。
ちなみに問題となるのは<必要以上に>恐れているケースで、通常の恐れなら何も問題ありません。
恐れがゼロになることはないですし。
病気という例で説明しただけで、病気ではない別のことでも同じです。
私たちが悪、よくないものとレッテルを張っていることの弊害があれば(なかなか自分では気づきにくいものですが)、緩めてみるとよいでしょう。
どうやって、レッテル張りを緩めるかというと、セッションやセルフワーク講座では、エネルギーを変化させるやり方を使います。非常に有効です。
ブログでは説明できないので、エネルギーを変化させるよりは効果が低くなるやり方ですが、頭を使ったワークを紹介します。
一見、マイナスに見えるものの価値を認めるワークです。
たとえば、病気であれば、病気のメリットを挙げてみます。
また、私=バカ=悪であれば、バカであることのメリットを挙げてみます。
できる限り、たくさん挙げます。
1回のワークで終えるのではなく、何回か時間を取り、追加しながらノートなどに書いていきます。
なかなか思いつかないかもしれませんが、じっくり考えてみると意外にあるものです。
自分だけのメリットだけではなく、他人に及ぼすメリットも考えてもよいでしょう。
目的は、「病気(例)=悪」という方程式を緩めることによって、恐れや不安などのネガティブな感情を少なくし、より心地よい自分でいられるようにするためです。
ただし、セカンダリーゲインといって、病気であることのメリットが病気を長引かせることもあります。
なのでこのワークの目的は「病気=善」に変えるのではなく、病気の恐怖を減らすことにあります。
このワークをやるともしかするとセカンダリーゲインに気づくこともあるでしょう。
「私=バカ=悪」の例だと、セカンダリーゲインに気づいて、
「私はバカであることを自分で選んでいたんだぁ~」と気づくことがあるかもしれません。
そうなればラッキーですね。
賢さを選べばいいですから。
なぜなら、私たちは賢さもバカさも両方持っていますから。
必要以上の恐れや不安が少なくなれば幸いです。