苦しみから抜け出すヒント PR

心のブレーキ(抵抗)の原因と外し方

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前回の記事では心のブレーキ(抵抗)について書きました。
意識上では楽になりたいと思っているのですが、心の奥底ではその苦しみの元を手放したくないという「抵抗」があるケースです。
この心のブレーキが何なのかを見ていく必要があります。

いろんなケースがあると思います。ここでは3つのケースを挙げます。
一つはセカンダリーゲイン(二次的利得)です。
よく病気の例が使われますが、表面的には病気を治したいのに、病気が治ると困ることがあるので、病気で居続けることを無意識で選びます。たとえば、普段は冷たい母親が病気のときだけは優しくしてくれたとかです。優しくされるというメリットがあるため、病気が治ると困ってしまうのです。
他の例だと、職場で出世をしたいけれど、出世をすると責任が増えることを恐れているため、無意識に出世を妨げる行動を取ってしまうこともセカンダリーゲインですね。いろんなケースがあります。
セカンダリーゲインが発見できたら、そこにワークしていけばいいです。気づくだけでも大きな発見ですね。それで大きく変わることもあると思いますよ。
病気の例であれば、本当に欲しいのは母親の愛情であることが分かったのなら、それを自分で埋めていくセッションをやっていきます。すると、抵抗が消えるので、病気も治るでしょう。

もう一つは自分を罰しているケースです。
強い罪悪感が奥底にあると、どうしても自分を罰する方向に無意識で行動します。幸せになってはいけない。罰を受けなければならないという思いがあります。こういうケースの場合は自己価値もかなり低くなっている場合が多いです。
その場合は、罪悪感を取るワークをしていきます。

もう一つは苦しみの元と自分が一体化しているケースです。
自分の一部、アイデンティティとなっているため、それを失うと自分じゃなくなってしまう恐れがあるんです。
自分の一部であるならば、切り離せないですよね。
たとえば、自分の腕を切り離すことってできないじゃないですか。同じように自分のアイデンティティとなっているものは簡単には切り離せません。頭では分かっているんですよ。これは自分じゃないって。でも無意識では強く一体化しています。これを「ネガティブナルシズム」といいます。

これについては、私のカウンセリングの師である溝口あゆかさんの記事「ネガティブナルシズム」が参考になります。
抜け出すための2つの方法も書かれています。
一つは今までと反対の行動をやること。もう一つが思考との分離をはかることです。

このケースの場合、特に時間がかかると思います。その理由はいくつかあります。

苦しんでいる自分に同化している期間が長いほど、自分の一部になりやすいです。そのため、分離をはかるにも時間がかかります。「こんなに苦しんできたのに簡単に楽になってたまるか!」という思いが抵抗を生んでいることもあります。

そして、意識では自分ではないと思っていて、無意識では強く自分と結びついているわけですね。
そもそも無意識にあるということは、それだけ抑圧が強い(奥に押し込めている)ということなんです。
言い換えれば、それだけ嫌いだということ。見たくないということ。向き合いたくないということ。深い傷があるということなんです。
つまり、無意識レベルにあるほど抑圧が強いので、傷が深く、癒すにも時間がかかるんですね。

さらに、自分と一体化しているということは、「苦しみの元=自分の一部」というストーリーをそれだけ強く信じているということです。ストーリーと感情が一体化して取れないんです。これを取ろうとすれば時間がかかるんですね。
だから、前回の記事で「抵抗をほぐすには時間がかかる」と書いたのです。もちろん簡単に取れる抵抗もありますが、特にネガティブナルシズムは時間軸を取ってあげることが必要になります。

では、どうすればいいかというと、一つは無意識下にあるものを意識下において、抑圧を弱めることです。抑圧が強いほどパワーを生むので、抑圧が弱まるほど楽になります。
ここのワークが、前回の記事で書いた「抵抗の声を感じることを普段の生活の中でやってみること」です。
抵抗の声があることを意識下に置くのです。そして、それにいちいち逆らわずに、客観視して流すことをくり返します。

また、「苦しみの元=自分の一部」というストーリーを手放すワークが必要です。
インナーチャイルドワークの場合は、抵抗しているインナーチャイルドに「アドバイス」など一切せず、ただ見守って、心の声に寄り添ってあげることをやります。そうするとだんだんほぐれてきます。インナーチャイルドに変わってほしいという思いが強いほど、インナーチャイルドは抵抗しますので、「変えよう」ではなく、「理解する、受け入れる」という姿勢が大切です。北風と太陽の原理で太陽になってくださいね。必ず変わってきますよ!

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抵抗の声を感じることを続けていれば、心から手放したいと思う時期が来ると思います。

EFTでここをワークしてもいいですね。苦しみの元がたとえば無力感だったとしたら、「私は無力感を手放すことに恐れがあり、その理由は分からないけれど、私は私を愛し受け入れます」というセットアップでやっていくとよいでしょう。EFTやっていくと新たな気づきが生まれることがよくありますよ。
また、溝口あゆかさんは真我の観察エクササイズで意識と思いを分離させるワークを行っています。
これはインテグレイティッド心理学上級で行うワークです。これもかなり有効だとあゆかさんから聞きました。

苦しみの元が仮に無力感だとしたら、無力感を観察している方に意識を向けるワークを続けるのもよいと思います。その感覚が自分ではないことが体感で分かれば、手放しても何も問題ないと分かります。

文字で書いてもなかなか難しいです。
このケースはなかなか結果が出なくても、カウンセリングでサポートしてもらいながら一緒に取り組むことが有効だと思います。
焦りとか「何で自分が…」という気持ちが起こるのもよく分かりますが、時間がかかってもそこから抜け出せますので、あきらめや絶望感が少しでも楽になってもらえたらという気持ちでこの記事を書きました。心の底から手放しても大丈夫と思えるときがきっとやってきますよ。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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