「私と仕事と一体どっちが大事なのよ!」
ドラマでも現実でもよくありがちなセリフですが、このセリフを口にしたことがある、もしくは口に出したかった人は大勢いるのではないでしょうか?
ボクは言ったことも言われたことはありませんが、言う側の気持ちも分かります。
たいていは女性が言うセリフですね。
仕事で忙しくしている男性に対し、女性がつい言ってしまいます。
彼としては、仕事は大事なんです。
会社のルールを守ること、仕事でがんばることはとても優先順位が高いことです。
もちろん、彼女のことも大事ですが、大事だからこそ、仕事をきちんとこなして、彼女に金銭的な心配をかけさせたくないために仕事を優先させてしまいます。
なので、彼女のために仕事をがんばっているのであり、それを彼女には分かってほしいと思っています。
彼女もそれは頭では分かっているのですが、会えないのはさびしいので、ちゃんと私のことも考えてほしいと思います。
そして、自分よりも仕事を優先させられると、「私は彼から愛されていない」「私は彼から大事にされていない」と感じ、苦しいわけですね。
本当は愛されていないわけではないし、大事にされていないわけではなく、むしろその反対なわけですけど、仕事より下に自分の立場を置かれると、愛されていない、大事にされていないように思うのです。
「もし、彼が私を大事に思っているのなら、たとえ会えないにしてももっと思いやりを持って接してくれるはず」と思い、彼に対して不満を覚えるのです。
男女の価値観の違いがすれ違いを生んでいるため、まずはお互いの立場を分かってあげられるといいですね。
そのためには、お互いの不満やニーズをきちんとコミュニケーションできることが大事です。言わなければ分からないですから。
そのうえで彼は彼女を気づかってあげることが必要でしょう。仕事を優先させるのであれば、彼女のことが大事だということが分かるような言葉やフォローを恥ずかしがらずにしてあげることが大切です。
彼女の方は本当は愛されていないわけでも大事にされていないわけでもないということを理解することが大切です。
元々「私は愛されない存在だ」「私は大事にされない」というようなビリーフが強ければ、特に苦しくなります。“相手が大事にしてくれない”と彼に投影し、怒りをぶつけます。
怒りをぶつけられても彼も正直困るはずです。
このブログを定期的に読んでくださっている方ならお分かりだと思いますが、相手に対する怒りは投影です。
自分の抑圧、否定している何かを投影しています。
なので、強い怒りがある場合は、自分の中に原因を探すことがスマートな解決法です。
今回の例では、「私は愛されない存在だ」「私は大事にされない」という思い込みが緩めば、彼が仕事を優先させたとして、怒りや悲しみがあったとしても、それが自己価値の否定にはつながらなくなります。するとそんなに苦しくありません。怒りや悲しみのレベルも小さいはずで、すぐに流れていくようなレベルです。
エゴは「私は価値がない存在だ」と思うことを極めて嫌います。そこはできるだけ見たくないので、相手や環境のせいにします。
でも、本当の問題は、「彼が仕事を優先させるのは、私が大事ではないからだ」という誤解なんですね。
そして、自分が自分に価値をきちんと認めていれば、彼の行動と自分の価値をリンクさせなくなります。
そうなったら、必要以上に自分や彼を責めることがなくなるのでパートナーシップはもっと心地よいものになりますよ。