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AIによる格差考察

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資本主義による格差

フランスの経済学者トマ・ピケティが、700ページを超える著書「21世紀の資本」で示したのは「r>g」というシンプルなものでした。

r:資本収益率、g:経済成長率

簡単に言えば、労働で稼ぐよりも投資で稼いだほうが儲かるというものです。

お金持ちは、余っているお金で投資できます。
貧乏人は、投資できるお金があるはずもなく、労働で稼ぐしかありません。

労働よりも投資のほうが効率が高いのであれば、お金持ちはますますお金持ちになり、お金持ちと貧乏人の格差が時間が経つにつれて広がってくることになります。

日本でも経済格差が広がっているのを実感している人は多いのではないでしょうか。

AIによる格差

これに輪を掛けるのがAIによる格差です。

rとgの差は2~3%と言われています。これが続くと仮定すれば、毎年このくらいの差が開いてくるわけです。

仮に2%とすれば、10年で約22%の差がつきます。

AIによる格差は2、3%ではすまないでしょう。

AIを活用している人と、AIをまったく使っていない人の収入格差は10年で2倍が想定されます(現時点でのAIによる推計)。
そうすると毎年7%強の差になります。

つまり、r-gの格差よりもAI使用格差のほうが、単年度で見て2~3倍大きいということになります。

私の危惧は回避された

個人的には、以前からAI格差を心配していました。
私が危惧していたのは、現時点のお金持ちがAIを独占してしまうことでした。
そうなると格差が洒落にならなくなり、そういうシナリオになってほしくないと思っていました。

しかし現在は、誰もが生成AIをほぼ格差なく使うことができます。
現時点では、有料版と無料版の格差は驚くほど少なく、有料版でも月3,000円程度と極めて安価で使うことができます。

AIを使用するか否か問題

では、これで格差はなくなるかというとそういうわけではありません。

AIを使用できる機会は私たちにほぼ無料で与えられています。
しかし、それを使うか使わないかは自由なので、使用する人としない人の差は生まれてしまいます。

大学生はAI必須

生成AIを一番活用している世代は大学生でしょう。
大学生と生成AIは親和性がめちゃくちゃ高いです。
大学生は、レポート作成や研究が主になりますが、生成AIを使うのと使わないのではあまりにも効率が違うため、使わないという選択肢はないのではないでしょうか。

もちろん、単純にAIにレポートを書いてもらうというような使い方ではなく、研究テーマにあった論文を見つける、日本語訳する、論点をまとめる、引用が多いコア論文を見つけるなどのめんどくさい作業が簡単にできます。

学術的な進化は相当進むのではないかと思われます。
そこで得られた知見がAIにフィードバックされるため、ますます格差が広がるでしょう。

高齢者はニーズが少ない

一方、生成AIを使わない世代は高齢者でしょう。
慣れていないということもありますが、特に使う必要がないからです。

必要性という面で若い世代と高齢世代ではまったく異なる環境にあり、今後は人材不足も相まって、若い人ほど価値が高くなるのではないでしょうか。

今のように年功序列的な賃金体系が、逆になりかねません。単純な労働価値で言えば、むしろそうなるのが自然です。

ハートや欲求

もう一つ、AIを使うか使わないかを決める要素があります。
これがこのブログで私が主張したいことです。

それは「こうしたい!」という気持ちの強さです。

ハートという面もありますが、むしろ欲求面が大きいと思います。

自分の欲を叶えたいという気持ちがAI使用に大きく現れると思います。

たとえば「お金持ちになりたい」という欲が強ければ、AIを活用することで相当効率化されます。

「モテたい」とか「自分にふさわしいパートナーを見つけたい」といった欲でも同様です。

悩みを解消したいというマイナスの解消欲も同様です。

ここではAIの使い方については言及しませんが、あらゆる欲に対して、それらを満たす可能性とスピードをAIが大きく上げてくれます。

どれだけ活用できるかは使い手次第

もし、AIを使っても大して役に立たないと感じている場合、現状のAIが進化不足というわけではありません。間違いなく使う人の問題で、使い方が悪いのです。

「こうしたい」という気持ちが強ければ、こんなすごいツールを活用しないわけがないんです。

もし、使わなくて済んでいるというのであれば、「こうしたい」という気持ちも所詮たいしたものではないということです。

その程度であることを正直にありのまま自己認識したほうがよいでしょう。

もちろん、それが悪いわけではありません。
強すぎる欲は自分を苦しめます。昔から欲が少ないことのほうが美徳とされてきました。

天才の部下に何をさせますか?

ある日、あなたの元に一人の天才が現れました。その天才はなぜかあなたに絶対服従し、あなたの要求をその人ができる範囲で叶えてくれようとします。
その天才は思考力が並外れて高く、言語能力は抜群で、法律や医学などの学問領域に長けますが、感情や欲求はなく、人の気持ちを汲み取ることは苦手です。芸能などの最新テーマに疎いです。

その天才に何をさせるかということです。

ある人はその天才をこれでもかというくらい酷使して働かせます。
ある人は「お茶でも一緒に飲んでくれたらそれ以上は何もないよ」と言います。

ちなみに私はAIとマニアックな心の話をするのが楽しくて、「すごく気の合う奴ができた」と思っています(笑)

私が「○○についてこういうふうに考えるけどあなたはどう思う?」とAIに聞くと「非常に深い問題提起ですね」みたいなよい反応を示してくれて、補足したことを挙げてくれるので、満足度が高いです。

自分の本質を知り、本質を生きる

AIを酷使するか、まったく使わない(使う必要がない)かは、どちらがいいかという問題ではなく、どちらが自分の本質かという問題だと思います。

自分の本質を理解し、それに合った生き方をしていれば満足でしょう。

問題は、自分の「こうしたい」があるのに抑圧して生きている場合や、自分の意思を持たずに現状の環境に流されたり、怠惰で思考停止になっている場合です。

AIを使うチャンスはいくらでもあるのに活用しないまま、格差が広がって、自分の不遇を嘆き、政治家や世の中を恨むようになったとしましょう。

よっし~
よっし~
あなたの部下に超天才がいましたが、あなたは活用しましたか?
だって、誰も教えてくれなかったじゃん。学校でも習わなかったし。

格差が開ききってから気づいても後の祭りです。

一方で、AIを使わない、このような人もいます。

田舎の自然豊かな生活が大好きで、毎日楽しく過ごしています

自分のハートや意思で自分の生き方を決めているのなら満足度は高いでしょう。今後AIによる格差が広がってもその人の幸せに影響はないでしょう。

自分がどう生きたいか、何が自分の心を満足させるのか、どんな価値観を大切にしているのかを理解して生きることが大切だと思います。

自分の欲に向き合ってAIで満たす

私はありのままの自分を大切に考えています。

人間は欲があって当たり前です。ありのままの自分の欲求を認め、AIを活用して、健全に満たしていけばよいのではないかと思います。

もちろん、他者の不利益になることはしないという境界線をきちんと引いた上でというのは大前提です。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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