前回のまとめ
前回の記事「批判の対処法 その1~ダメージの違いと批判を避けることの悪影響~」では、他人の批判から受けるダメージの違いの原因について説明し、批判を避けるプロセス(心理的な防衛)で生じる2つの苦しみについて書きました。
批判を避けるプロセス、つまり、「自分らしさを失うこと」「人間関係を避けること」をしなくて済むように、批判耐性を上げる必要があります。
この批判耐性を上げる根本的な方法は、前回、「解釈」を変えることであると説明しました。
もっと言えば、解釈に結び付く無意識のビリーフに気づき、それを変えていくことになります。
この方法は簡単には行きません。
カウンセリング・セッション、セルフワーク講座で取り組んでいるのはここになります。
批判耐性を上げる方法
それ以外にも批判耐性を上げる方法はあります。
今回の記事ではそれを紹介します。
私たちの権利
まず、前提条件として、私たちの権利を知っておくことがあります。
役に立つ権利を抜粋して紹介します。
- 私たちには、自分の感情を認め、それを表現する権利がある
- 私たちには、自分の意見と価値観を表現する権利がある
つまり、自分も相手も、自分の意見表明する権利があるということです。
そして、その意見表明について、嫌な感情が湧いたらそれを表現する権利があるということです。
つまり、批判を言うことは権利であるし、相手の意見表明は認められてしかるべきものです。
ただし、同時に次の権利もあります。
- 私たちは、自分の考えや気持ち、行動を自分で決める権利がある
- 私たちは、誰からも大切にしてもらう権利がある
つまり、相手の意見表明を必ずしも受け取る必要はないということです。
相手の批判や要求に応えなくてもよい権利もあるということです。
その結果、相手が不快に思ったとしてもそれは相手の問題です。
相手の感情をケアしてあげる必要はありません。
そして、私たちは、誰からも大切にしてもらう権利があるので、批判をするにしてもマナーが大事です。
相手の人格を攻撃するような批判は、大切にされる権利を踏みにじられているので基本的には受け取る必要はありません。
批判にはマナー/ルールがある
批判にはマナーというかルールがあります。
- 相手の存在本質そのものを否定しないこと
- 相手が変えられないことを否定しないこと(生まれ、人格、容姿など)
- 相手が変えられること(行動、態度、言い方、考え方など)を批判すること
- 相手を尊重したうえで、相手を批判すること
批判を受けた側としては、上記に反しているような批判はそもそも不当な批判です。
まったく受け取る必要はありません。
正当な批判と不当な批判を分ける
正当な批判と不当な批判を分けることが大切です。
他人からの批判が、正当な批判だと判断すれば、次はそれが当たっているかどうかを判断します。
正当な批判であったとしても、それが「正しい」わけではありません。
あくまでも相手の価値観から来た批判に過ぎません。
批判が当たっているかどうかを判断する
その批判に対して、当たっているかどうかを判断します。
そして、仮に当たっていたとしても受け取るか受け取らないかは自由です。
また、当たっていない批判は受け取る必要はありませんが、それに対して、きっぱり否定したほうがいいか、流すかは自由です。
つまり、下記のようになります。
批判を受けたときの対処法まとめ
①正当な批判か不当な批判かを分ける。
- 正当な批判 → 当たっているか当たっていないか判断
- 不当な批判 → 受け取る必要はない(きっぱり否定するか、聞き流す)
②当たっているか当たっていないかを分ける
- 当たっている → 改善するか、そのままでいいか判断
- 当たっていない → 受け取る必要はない(きっぱり否定するか、聞き流す)
③改善するか、そのままでいいかを判断する
- 改善したいと思えば、改善する。
- 改善する必要がないと思えば、そのままでいる。
それから、批判は具体的でないことがよくあります。
その場合は批判の内容を具体的に聞いて判断しましょう。
批判をされたとしてもそれはあなたが劣っているわけではない
最後に、仮にどんな批判をされても、それはあなたが劣っているということではないということを知っておいてください。
批判は基本的に相手の価値観から来るものです。
それは相手の問題であることがしばしばあります。
自己卑下する必要は一切ありません。
自らの存在価値は、何物にも否定されるようなものではありません。
批判されるところは、単なる態度や価値観、行動の差異なので、当たっていて改善したいと思えば改善すればよいだけのことです。
自分に誤りがあれば素直に認め、謝ることも大事ですが、卑屈になりすぎないようにしましょう。
卑屈になりすぎると、相手はポジティブなフィードバックができなくなってしまいます。
私たちの権利や批判のルール、受け取り方を知るだけでも、批判耐性を上げることに役立つでしょう。
お役立てください。