過去に同じ場所で同じ体験をした人がそのことを話すとき、微妙に話が食い違うことってよくありますよね。
「○○に行ったじゃん!」
「え~行ってないよ」
とか、
「あのときの子は可愛かったよな」
「いや可愛い子なんていなかったけど…」
後者の例は単に好みが違うせいかもしれませんが…
何が言いたいかというと、記憶って曖昧だ!ってことです。
記憶機能の限界から、私たちは実際に見ているものの一部を取捨選択して記憶します。
興味があることや重要なことは覚えていますが、それ以外は覚えていません。
また、私たちは簡単に記憶をでっちあげちゃいます。
心理学の実験で、ある架空の写真を見せ、この体験をした人があるかって聞くと、「ある」と答える人が結構いました。
実際には、そんな経験はないにもかかわらず、したような記憶が勝手に作られるのです。
記憶って本当に頼りがないものです。
だから過去の記憶を書き換えることはそんなに難しいことではありません。
セラピーで使う「マトリックス・リインプリンティング」というテクニックは、苦しみの原因となっている過去の記憶を書き換える手法で、潜在意識の記憶を塗り替えます。とても効果的な癒しのテクニックです。
そして、過去の記憶は、今現在の状況によって変わります。
たとえば、ギャンブルばかりやって、もう破産寸前のとき、「ギャンブルなんてやらなきゃよかった…がんばって働いてためたお金もパーだ。バカなことをした」って思っていたとします。そして最後にたまたま賭けたらそれが大当たりで大金持ちになったとします。するとその人はどう思うでしょうか。こう思うかもしれませんね。
「ギャンブルやってきてよかった~」
要するに、今の状態次第で、過去の記憶をどう評価するかなんて簡単に変わっちゃうんですね。
だから、私たちにとって「過去」というのは絶対的なものではないんです。ある意味、「過去なんてない」とも言えるかもしれません。
過去があるように見えるけれども、実は「いま」の連続しかなく、私たちが持っている過去の記憶も「いま」感じているだけということですね。
だから、過去苦しんだからといって、「いま」も苦しむ必要はありません。同様に、将来の希望がないからといって、「いま」苦しむ必要はないんですよ。