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強迫性障害の理論と治療(克服)

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前回のブログ「なぜ非合理的な信念を持ってしまうのか?」の呪術の原理で説明したとおり、人間は、非合理的であると知っているにもかかわらず、その束縛から逃れることはできません。

これが強いのが強迫性障害です。
非合理だと分かっているのにやめられません。

汚染強迫の場合は、自分が嫌な対象に触れると汚染されてしまうということを信じています。
縁起強迫の場合は、特定の行為をしないと悪いことが起こるということを信じています。
根本にあるのは「過度の不安」です。
そして、自分が決めたルール(儀式行為)を行う――たとえば手を洗うなど――ことで不安が解消されます。
このルールを行わないと不安が消えません。

悪いことには、このルールを行っても一時的な解決策にしかならず、何度も何度も儀式行為を行って、心身ともに疲れ果ててしまいます。
さらに悪いことには、この儀式行為を行うことで、より信念が強くなるということです。
なので、儀式行為をやればやるほど、強迫性障害は強くなります。

現在の医療で強迫性障害の治療に最も効果的なのは、強迫状況を作り、儀式をさせないようにすることで、強迫観念を緩めていく方法だと言われています。
専門的には「曝露反応妨害法」と呼ばれています。
ただ、これはかなり苦しいトレーニングとなるので、精神的な消耗を覚悟する必要があります。

私が強迫性障害の方にセッションする場合は、強迫状況を作る場面は同じですが、EFTを行うことで、不安を軽減させます。また、マトリックス・リインプリンティングで信念の書き換えも行い、非合理的な信念を緩めていきます。

医療機関で行っているやり方に比べ、克服がぐっと早く、楽です。

ただし、曝露反応妨害法と同じく、強迫状況を作る必要はあります。

どうしても強迫状況を作りたくないという方や、イメージでは強迫状況を作り出せないという方にはどうすることもできません。
この点は恐怖症も同様です。

ただし、理論的には、信念の書き換えができれば、症状は治まると思われます。
世の中には、信念書き換え系のセラピーがたくさんあります。
そういったもので、書き換えることができれば、強迫状況を作り出さなくても、不合理な信念が解消されるかもしれません。

それで強迫性障害を克服できたという事例を知っている方がいれば教えてほしいです。
とても興味があります。
コメント欄でも直接メールでも構いません。

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EFTの信念書き換えは、あくまでも感情の解放を通じた「認知のシフト」を起こすものです。
強迫性障害でいえば、「不安」のエネルギーを解放することで、自然に信念がゆるみ、変化します。
マトリックスリインプリンティングでは新たなイメージを作り出すことで、「認知のシフト」をより積極的に行いますが、感情解放を一切やらず書き換えるものではありません。
なので、「不安」の感情エネルギーにアクセスすることが必須条件になります。

セッションでは一番強い不安と恐怖を探っていきます。

何が一番自分にとって怖いのでしょうか?
強迫観念によって、起こる最悪なことは何でしょうか?

火の元の確認であれば、火事が起こることでしょう。
火事が起こった後、どうなることが恐いのかも探ると、もっと不安の構図が見えてくるでしょう。

この最悪になる不安のエネルギーを解放し、過去にそういう信念の形成に結びついた出来事があれば、そのシーンをマトリックスで癒していきます。

症状にもよりますが、10回程度は受けていただくことを前提に考えていただきたいと思います。

強迫性障害に関しては、より楽に克服できる方法が見つかることを祈っています。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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