前回のブログでは、「世の中は思い通りにならないから面白い」というタイトルで、思い通りに行かなくて苦しんでいる人に向けて書きました。
今回はもっと過激です。
「世の中は思い通りにならないことがよい」とうたっているのですから。
普通考えるとそんなわけないですよね。
ほとんどの人が思い通りになったほうがよいと考えるに違いありません。
仕事、お金、恋愛、人間関係、自分の性格、容姿、スキル、才能、環境…思い通りになれば、どんなにかよいだろうと思いますよね。
ユングという心理学者は人生の究極の目標は自己実現であると説きました。
自己実現とは、よりありのままの自分を受け入れることです。
人間には光と影の部分、両方があります。
光の部分、つまりポジティブな部分しかない人間はいません。
陰陽あわせ持っています。
ユングは、自分の影の部分(シャドウ)に光を当て、それを自分の中に統合すること(受け入れること)こそ、自己実現と考えました。
そして、この自己実現をする要件が、人生の前半で自我(自分の器)をきちんと確立することだと説いたのです。
自分の器がきちんとできていないと、影の部分にスポットライトを当てることはできません。
ダダ漏れしちゃいます。
まずは器を作るのが先決です。
器ができてはじめて、自分の影の部分と向き合う準備ができるのです。
だいたい30代~40代にかけて、自分の器を作り、それ以降でシャドウを受け入れ、自己実現をしていきます。
そして、自分の器を作るために大切なことが、思い通りにならないことへの耐久力です。
思い通りになる人生、恵まれた人生では、自分の器がきちんと作られないのです。
そういう人はちょっと思い通りにならないことがあったら、すぐ怒ったり、何らかの行動に出たりします。
思い通りにならないことへの耐久力が低いんですね。
だから、自分のネガティブな感情を抱えきれないんです。
それでは、自分のシャドウを見つめる強さはありません。
まだそんな時期ではないんですね。
思い通りにならずに挫折した経験こそ、自分の強さを生み、自分の器を作る材料となっているのです。
だから、思い通りにならないこと、思い通りにならなかった過去の経験が、実は必要なことだったのです。
これまで十分耐えてきた、我慢してきた、苦しんできた…そんな人はそろそろ自己実現をしていく時期なのかもしれませんね。
自分のシャドウに光を当てる時期に来ているのかもしれません。
思い通りにならなくて、苦しかった人はさんざん自分の人生を恨んだはず。
でも、実はそれが自分の器を作るために役立ってたとしたらどうですか。
自分のシャドウに光を当てられたとき、過去の苦しみに感謝できるかも…