うつ状態への2段階のアプローチ
カウンセリングではうつ状態の方のサポートも積極的にやっています。
うつ状態の程度にもよりますが、個人的に2段階のアプローチが必要と考えています。
ここでのうつ状態は何年も慢性的にうつである人ではなく、急にうつになった人を想定しています
- はじめのアプローチはうつ状態の克服を目指すものです。
- 次のアプローチはうつになった根本原因を解決することです。
最終的には生き方を変える必要がある
うつの根本原因を解決することを別の言葉で言えば、本人が生き方を変えることと言えます。
そもそもうつになるには原因があります。
私の経験では、本人の生き方の一部を変えるところまで踏み込まざるを得ないケースが多いです。
たとえば、
- 今までは人の顔色ばかり伺ってきたけれど、これからは自分がどうしたいかを大切にするとか
- これまで怒りなどの感情を出さないようにしてきたけれど、これからは感情を感じる許可を出していくとか
- もっとNoや自己主張をする生き方をするとか
- もっと自分の資質に沿った生き方をするとか
形は変われど、より自分らしく、自分を大切にする生き方に変わることで、うつの再発を防ぐことができます。
ビリーフを緩める
その過程では自分を制限しているビリーフを緩める必要があります。
- 「感情はなるべく出してはいけない」
- 「自分を出すと人に嫌われる」
- 「根気強くがんばらなければいけない」
- 「人一倍優れた成果を出さないと認められない」
などのビリーフです。
ビリーフを緩めるにはEFTやマトリックス・リインプリンティングなどのセラピーが役立ちます。
うつが起こる原因
うつというのは、心のエネルギーが枯渇した状態です。
身体がこのままではまずいと判断し、活動を強制的に抑えることでうつ状態になります。
誰でも心のエネルギーが枯渇したらそうなります。
うつは弱いから起こるわけではない
100%言えることは、うつは心が弱いから起きるわけではありません。根性がないから起こるわけでもありません。異常だから起きるわけでもありません。単なる生体反応です。
心のエネルギーが枯渇するにはいろんな状況があり、こういうときにこうなるということは一概に言えませんが、一時的に過度なストレスを抱え込んだときや、継続的なストレスで慢性的にストレスが高い状態のときは心のエネルギーが枯渇しやすいです。
うつ状態になったときに必要なこと
心のエネルギーが枯渇して、うつ状態になったときに必要なことは、エネルギーの回復を待つことです。
このときにエネルギーを必要以上に使うのは厳禁です。
うつの人に「がんばれ」と言ってはいけないというのを聞いたことがあるかもしれません。
この時期にがんばることは余計症状を悪化させます。
活動を強制的に抑えるために身体がシグナルを出しているのに、根性でがんばってしまうと余計エネルギーを消耗します。
そういう意味で根性がある人ほど、症状が重いうつになりやすい傾向があります。
身体がブレーキをかけているときは、それに従うのが自然な道です。
第1段階で必要なサポート
このときに必要なサポートは十分休むことへのサポートです。
エネルギーを消耗するようなセラピーは逆効果になりかねません。
セラピストはやみくもにセラピーをやればいいというものではなく、必要な時期に必要なことをやることが重要です。
うつになる人は責任感が強い人が多いです。
しかし、十分休むにはこの責任感があだになります。
単に休みを取って休めばいいというものではありません。
1か月休んだから大丈夫だとか、そういう問題ではありません。
形だけでは意味がありません。
仮に学校や会社を休んでいたとしても、その間、自責に悩まされていたらまったく休んでいないのと同じです。
リラックスして休むことでエネルギーは回復します。
リラックスして休めば自然に心のエネルギーが回復し、通常運転に戻ります。
第2段階で必要なサポート
そして、十分休養してうつ状態が回復したとき、これで終わりではなく、実はここからが本番です。
ゆっくり休んで楽になったからといって、同じことをしていればまたエネルギーが枯渇し、うつになります。
何らかのストレスや、自分らしさを抑えた行動(たいていビリーフから来る)があって、本来のエネルギーがどんどん失われていった結果がうつなので、原因にメスを入れていく必要があります。
ちゃんと原因にメスを入れることができれば、うつになったことで生き方をポジティブに変えられるきっかけにできるでしょう。
自分らしさを取り戻す糧にできます。
うつの対処は間違うと余計悪化させることになりかねません。
こういった知識が広まるといいなと思っています。