苦しみから抜け出すヒント PR

お金の損切りと心の損切り

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

損切り

株式用語で「損切り」という言葉があります。

損切りとは

損切りとは、投資家が損失を抱えている状態で、保有している株式等を売却して損失を確定させることです。

損切りはロスカットとも呼ばれます。

損切りは投資だけではなく人生でも必要

株式などの投資だけではなく、損切りは人生で大切なことです。

泥沼にハマる前に損切りして、止めることが大事な場面というのはたくさんあります。

損切りが悔やまれるケース

但し、損切りした後で株価が上昇したり、人生であれば状況が改善することがあります。
その場合は損切りが悔やまれることになります。

とはいえ、合理的に考えれば、将来的な更なる悪化の可能性が高いときは損切りをした方がよいです。

人生の損切り

人生で言えば、大きな選択で言えば、会社選びを失敗したときや恋人選びを失敗したときなどですが、入った会社がブラック企業で、今後も苦しい状況が続くだろうときは辞めたほうが賢明です。

損切りできない心理的ブロック

ところが、ここで心理的なブロックが働きます。

簡単に言えば「損したくない」というものです。

株で言えば、損切りすれば損が確定することになります。
お金を失った痛みを感じざるを得ません。

会社選びであれば、入社までの苦労が水の泡になってしまいます。

さらに、短期間で辞めてしまうと次の会社選びが不利になりかねません。
また、「根性がない」と思われるのが嫌だったり、「自分の判断が間違っていた」ことを認めるのが嫌だったり、無職になってしまう不安のほうが強かったり、辞めるのは負けを認めたようでプライドが許せなかったり、そんな心理的なブロックもあって、損切りに至るにはかなりの葛藤を抱えるでしょう。

損切り行為だけではなく心の損切りが重要

損切りというのは、かなり大きな心の痛みを抱えます。

ここで大事なのは、「行為の損切り」だけでなく「心の損切り」をきちんとやることです。

エリートの7億円横領事件

先日、あるニュースが目にとまりました。

マクドナルドから約7億円を横領したエリートのニュースです。
彼は一橋大学卒業後、三井物産に入社し、為替証券市場室に配属されました。
そこでFX(外国為替取引)にハマってしまったようです。
同僚や親族から約2億円を集め、それをほぼ溶かしてしまいました。
三井物産を退社し、自己破産したようです。
両親から勘当され、離婚し、月1万ずつ返済を続けていたようです。
そしてマクドナルドに転職が決まり、横領して逮捕されました。
横領したお金はFX投資に使ったと供述しているそうです。

損切りしてやり直すチャンスは何度もあったはず

これは極端なケースかもしれませんが、ここまでに至る前にやり直すチャンスは何度もあったはずです。
自己破産する前にもきちんと損切りできていれば、自己破産しなくても何とかなったはずです。

自己破産は最終手段ですが、これは損切りです。
ここの損切りでやり直せたはずです。
マクドナルドで真面目に働いていれば人生を立て直すことができたはずです。
ところが、横領という手段で、そこでもFXに賭けました。

FXで取り返せばいい

そう希望を抱いていたのでしょう。

愚かな希望を捨てきれなかった理由

どうして、そんな希望を捨てきれなかったのでしょうか?

それは最終的に自己破産という損切り行為をしていても、「心の損切り」ができていなかったからです。

だからいつまでも執着していました。
FXで損したお金をあきらめられなかったのでしょう。
人生の失敗をどうにか挽回できると思っていたのでしょう。

彼は大失敗しましたし、やってはいけないことをやっていました。
それをきちんと認める必要がありました。
その結果、生じる心の痛みをきちんと感じる必要がありました

心の損切りとは

心の損切りとは、行為が確定した後に訪れる心の痛みにきちんと向き合うことです。

前のブログ記事の恋愛も同じです。

失恋の傷を早く癒やす方法「振られたあの人のことをもう何年も引きずっている」 「好きだったあの人のことが忘れられない」 「振られた後、恋愛がおっくうになった」...

表現を変えただけです。

恋愛は、ただ関係を終えるだけではなく、関係を終えた後の「心の損切り」をする必要があります。

心の痛みが未消化だったため、理性やハートが働かず、横領という犯罪行為を犯すような精神状態にまで追い込まれてしまったのです。

もし、心の損切りをしていたら、過去をリセットして、まっとうに一からやり直せたでしょう。
そうすれば、いくらでも復活のチャンスはあります。

心の損切りを先延ばしにするほど苦痛が強くなる

7億円を横領した人は、エリートだった分、失敗に向き合うのがキツかったと思います。
心の痛みに向き合わずに何とかしようとした結果、どうしようもない状態になってしまいました。

ここまでになってしまうと、強制的に心の痛みに向き合わざるを得ません。
しかし、犯罪者になってしまった現実に向き合うのは相当苦しいです。

「損切りは早く」が鉄則

損切りはなるべく早くすることが投資の秘訣と言われていますが、心の損切りも同様です。

なるべく傷が浅いうちに心の損切りをしましょう

傷が浅ければ向き合うのもそこまで苦痛ではありません。

心の損切りを避け続けた結果、生じた深い傷に向き合うのは誰でも極めて苦しいものです。

心の損切りをすればリセットできる

現状をありのまま認めて、そこでの苦しみをきちんと感じることができれば、そこでリセットできます。

そこからもう一度新たな気持ちでスタートが切れます。

心の損切りは経験値・ストレス耐性を高める

リセットできたとき、ただ白紙になるわけではなく、失敗の経験値を得た状態でリセットができるので、むしろ前より良い状態です。

また、ストレス耐性も高くなります

心の傷はきちんと癒やすと、傷耐性が上がります。
傷を癒やさないまま放置しておくと、傷耐性はどんどん落ちます。

心の損切りをしないと合理的な思考・行動ができない

ところが、心の損切りをしないと、リセットできないので、以前の心の傷を引きずったまま何かに取り組むことになります
そうなると、合理的な判断ができなくなります。

感情的なときは理性が働きません。
感情をため込んでいるときも同様です。

つらいときほど心の損切りを

取り戻したい気持ちはよく分かります。

だからこそ、きちんと心の損切りをしましょう。

リセットして、合理的に考えましょう。
リセットして、そのときの本心、本音に従って行動しましょう。

ハートと理性の両方を使いましょう。

ハートも理性も両方とも使えない状態が、感情的な状態です。
損を抱えたままの状態です。
直面したくない傷を抱えている状態です。

だからこそ、この傷を癒やす必要があります。

多くの人が、早めに「心の損切り」をしてもらいたいと思っています。

少しでも「心の損切り」を意識してもらえればうれしいです。

今年の傷は今年のうちに癒やしておこう!

なるべく痛みが少ない状態で生きたいですよね。
だからこそ、心の損切りを早めにやっておいてください。

もうすぐ2020年。

2019年の心の傷は、年内に損切りして、新たな素晴らしい年をお迎えいただきたいと思います。

心の大掃除をしっかりしてくださいね。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。