21Lessons: 21世紀の人類のための21の思考
前回のブログで、ユヴァル・ノア・ハラリさんのベストセラー本「サピエンス全史」「ホモ・デウス」を紹介しました。
このブログでは、3部作と言える最後の本「21Lessons: 21世紀の人類のための21の思考」を紹介します。
「サピエンス全史」が人類の過去についての本、「ホモ・デウス」が人類の未来予測の本で、この「21Lessons」は、現在についての本です。
「21Lessons」は、「ホモ・デウス」が解く『大多数の家畜』にならないために、今、私たちがどうすればよいかが書かれています。
本は長いので、Youtubeの解説まとめが便利ですね!
本のリンクも貼っておきます。
内容の簡単なまとめ
簡単に文字でまとめておきます。
サピエンス全史では、人類は虚構(フィクション・物語)を信じることができたために繁栄できたと書かれています。
私たちは、少し前までは、ファシズム、共産主義、自由主義の3つの物語で争っていました。
しかし、今は自由主義の物語に統一されています。
ところが、自由主義にも課題があり、新しい物語が必要になってきています。
新しい物語ができるまでは、私たちは、不確実な世界を生きることになります。
では、この不確実な世界を生き抜くにはどうしたらよいのでしょうか?
ハラリさんは、3つの力が必要だと説きます。
- 不安定な時代を生き抜く力
- たくさんの情報に惑わされない力
- 自分自身が何者かを知る力
そのためには必要な能力が二つあります。
- 自分の蓄積したものを捨て去り、未知のものを取り入れられるという「精神的な柔軟性」
- 変化にさらされる中でも心の安定性を保つ「情緒的なバランス」
そして、外側の物語に人生の意味を求めるのではなく、自分の人生の意味は自分の内側から生じるのであって、自分自身の内側に向き合い、虚構と現実を見極めることが必要だと説きます。
ハラリさんは、それを「瞑想」によって実践しているそうです。
私が必要だと感じるもの
ここからは、ハラリさんの意見に沿いながら、私の言葉で、私なりに必要だと感じることを書いていきます。
まず、必要な能力の1つについてです。
自分の蓄積したものを捨て去り、未知のものを取り入れられるという「精神的な柔軟性」
簡単に言えば、日々、新鮮に生きるということですが、これがすごく難しいと思います。
私たちは、過去を引きずってしまうからです。
自分に対する間違った思い込みが歪んだ世界を作る
記憶があるのですべてを捨てることは不可能です。
では、何を捨てたら新鮮に生きられるかというと、自分に対する間違った思い込みです。
「私は愛されていない」とか「私は役に立てない」とか「私は価値がない」とかです。
また、そこに付随するような思い込みも同様です。
「役に立てなければ価値はない」「能力がない人はダメだ」とかです。
それらの間違った思い込みが強固なので、物事の見方、捉え方が非常に歪んでしまい、事実を事実として捉えることができないのです。
簡単に言えば、自分が持っている思い込みに引っ張られて世界を見ているので、「私は愛されていない」という思い込みを持っているならば、「私が愛されない物語」を世界に見てしまうのです。
間違った思い込みを解くために手放す3つのこと
では、間違った思い込みを解くにはどうすればよいかというと、これもシンプルに言えば、次の3つを手放すことで誤解が自然に解けていきます。
- 未消化なネガティブな感情
- 執着しているニーズ(欲求)
- 執着している恨みや栄光
これらを捨て去ることができれば、過去にとらわれず、今を新鮮に生きることができるようになります。
日々リセットして、再スタートを切ることができます。
そういう状態であれば、変化・不確実の社会でも全然生きていけます。
たとえば、未知の仕事に取り組む場合、新入社員であれば、全然問題なく対応できるでしょう。
しかし、自分のやり方が確立されていてそこにこだわりが強いほど、新しい仕事に取り組むことがスムーズに行かなくなります。
たとえば、大企業の社長をしている人が、次の日に別な会社で窓口の受付をするのはなかなか難しいはずです。過去を引きずっているからです。
心の安定性も身に着く
そして、感情や執着を手放して、間違った思い込みが緩んだときは、ハラリさんが解くもう一つの必要な能力も身につきます。
変化にさらされる中でも心の安定性を保つ「情緒的なバランス」
内なる安心感が出てくるので、変化の時代でも十分に対応できます。
思考を見守ることの重要性
ハラリさんは、瞑想によってそれを達成したということですが、瞑想と言ってもいろんなやり方があるので何がよいかというのは分からないかと思います。
私自身は、思考を見守ることが大切だと実感しています。
思考を見守ることで、虚構に気づけるようになってきます。
また、感情に巻き込まれず、一歩引いた冷静な視点から物事を見ることができるようになります。
そして、思考を見守っていくと、思考のグルグルが減ってきます。
ネガティブ思考の連鎖は、心にも体にもダメージを与えていきますから、それを減らす役割もあります。
何をしたら自分の心が喜ぶのかを知ること
それとは別に、自分について考えていくことも大事だと思います。
自分について知ることですね。
要は、自分は何をしたら心が満たされるのかについてもっと知ることです。
魂を喜ばせることは何かを明確に分かっておけば、それを実践することで心に深い喜びを感じられる人生を歩むことができます。
あるクライアントさんは、自立を応援することが魂を喜ばせることだと気づきました。
私もそれが魂の喜びですが、それを実践することで喜びを感じられます。
具体的な実践の手段はたくさんあります。
今、やっている仕事や生活の中でも十分できるはずです。
自分の心を喜ばせることは、社会や他人の価値観とは違います。
社会や他人の価値観に従っていれば、自分の心を喜ばせることが二の次になります。
片岡鶴太郎さんの本を読みましたが、鶴太郎さんは魂を喜ばせることを選んできた人です。
鶴太郎さんは、「大切なのは、自分の魂は何をすれば歓喜するか、を問いかけてみること」と語っています。
ピンと来たことがあればぜひ実践してみてください。