どうにもならない状況に置かれているケース
次のような状況に置かれている人がいるとします。
大手術が必要
こういう状況に置かれているとしたら、身体に例えると「大手術」が必要になります。
但し、この手術というのはリスクもあるし、簡単ではありません。
簡単に手助けができるレベルではないため、本人が助けを求めてもなかなか助けが得られないでしょう。
本来は、ここまで行く前の段階で助けを求める必要がありました。
そして、危機に陥らないための対策をする必要がありました。
仕事でパワハラの初期段階で助けを求めていれば、しっかり境界線を引いて仕事を継続するか、心に余裕がある状態で転職することもできたでしょう。
心が壊れてしまう前に、早く手を打ってほしいと切に願います。
大手術の具体的方法
とはいえ、上記の状況であったとしても手がないわけではありません。
- 生活保護を受ける
- 保護の受給に見合う家に引っ越しする(保護費から引越費が出る)
- 法テラスで自己破産※(生活保護受給の前にするケースあり)
- うつ病を治療するため休養(心療内科・保護費で無料)
※自己破産でも税金の支払いは免除されませんが、生活保護受給者中は滞納税金の支払いは生じません。免除規定あり。
いったんリセットして、心身を回復後、仕事に就いて生活保護を廃止します。
セーフティネットのありがたさ
日本にはセーフティネットが用意されています(必ずしも使い勝手がよいとは言えませんが)。
もちろん、自己破産にはデメリットがあります。
生活保護を受けることに関しても抵抗があるかもしれません。
しかしそんなことを言っている状況ではありません。
私は、社会制度や公的なサポートは本当にありがたいものだと思っています。
それがあるから最悪の状態でも手があるのです。
もし、それらがなければ(昔の時代はそうですが)、のたれ死ぬしかありません。
メンタルの健全さが大切
但し、制度だけでは不十分だと私は感じています。
メンタル面がとても大きいと思っています(私が心理カウンセリングをやっている理由にもなっています)。
簡単に言えば、心が健全であれば、どうにもならない状況になる前に手を打つことができるので、しんどい状況に陥らずに済みます。
不可抗力で状況が悪化したとしても、冷静に手を考えて、必要な助けを求めつつ、自分がやるべきことを淡々とやって、状況を改善することができるでしょう。
心が不健全だとどうなるか
ここで、心が不健全な場合、苦しみから早く脱したいという欲求に負けてしまいます。
これがくせ者です。
自分が置かれている状況を冷静に判断することができず、必要な助けを求めることや、効果的な手を打つことができなくなります。
もう一度言いますが「苦しみから早く脱したい」欲求が行動を支配してしまい、冷静な判断を失わせ、より悪化する手を打ってしまいかねません。
ありがちなこと
たとえば、詐欺に遭うなどです。
冷静なときであれば引っかからないであろう「美味しい副業」や「ロマンス詐欺」などです。
これは「一発で解消しようという期待」が目を曇らせてしまいます。
地に足が着いた手法ではなく、神秘的・奇跡的な手法を求めがちです。
「これさえできれば、今の状況が奇跡的によくなるはず」と夢を見てしまいます。
また、助けてほしい気持ちが先走って、全面的に助けを求めたり(それは相手にとって重すぎる)、助けてくれない相手に怒りをぶつけたりします(それだと相手は縁を切る)。
逆に、誰にも助けを求めず、一人だけで何とか乗り切ろうとすることもあります(そもそもそれができるならこういう状況にならないため、必要な助けを求めることは重要)。
あるいは、思考停止で「何も行動しない」を選択し、ずるずると先延ばしにしてしまうこともあるでしょう。
それだと何も改善しないので、不安は募る一方ですが、どうにか不安を抑圧し、見ないことにします。
それだと余計悪化することは目に見えています。
危機のときこそ大切なこと
誰しも、危機のときに更なる危機がやってくれば、自暴自棄になって当たり前です。
しかし、そこで他人を恨んだり、当たったり、薬物に手を出したり、自傷行為をすれば、ますます状況を悪くするだけです。
危機のときこそ、次のことが大切です。
- 他人や状況を責めない
- 自分を責めない
- いったん感情に向き合って、冷静さを取り戻す
- 苦しみから早く脱したい欲求をコントロールする
普段からできていることが大切
当たり前のことですが、これは平常時からできていない人が危機のときにできるわけがありません。
普段から上記のことができている必要があります。
上記のことができていれば、健全な心を保つことができます。
健全な心が保てれば、前向きになって、そのための行動を積み重ねることができます。