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他者の「選択する権利」を尊重する

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責任と主体性の関係性

人生の主体性と責任はリンクしています。

自分に責任がないのに、主体的には生きられません。

たとえば、学食で食べるメニューが決まっているとします。
その場合、その学生は食事のメニューを選ぶ権利がありません。
食べたいものを選ぶ権利がないですが、食べるものを決めなくて済むとも言えます。
権利がないということは、責任もありません。
食事に不具合があれば、責任は学食を提供する側にあります。

責任がないというのは楽ですが、「選択する権利」を奪われることになります。

選択する権利がないというのは、自分で自由に決められないということですから、主体的には生きられません。

つまり、「責任がない=自由に決められる権利がない=主体的に生きられない」ということになります。

責任を取る=自分で選択すること

責任を取るということは、自分で選択することです。
そして、その選択の結果、生じることは自分で受け止めるということです。

他者の選択する権利の尊重

適切な境界線を引く上で大切なことは、「選択する権利」を尊重することです。

それは、「自分自身」の選択する権利と「他者」の選択する権利の尊重があります。

この記事では、「他者」の選択する権利の尊重について扱います。

「自分自身」の選択する権利の尊重は別記事で扱います。

他者の責任を奪う行為は、境界線越えです。
相手の宿題を奪って、やってあげるようなものです。
責任を奪われた人は楽ですが、長期的に困ることになるでしょう。

このとき、責任を奪う人は、相手にとってよいことをしていると思いがちです。

親が子どものためにと思って、子どものベストな道を選んであげるようなケースがよくある例でしょう。

それは境界線越えであり、子どもの「選択する権利」を奪う行為です。

子どもは恵まれた道に進めるかもしれませんが、選択する権利(責任)を奪われているので、主体的に生きられません。

そして、親が決めた道で何か苦しいことがあれば、自分で選んだことではないため、親のせいにしようとします。
責任は親にあるため、仕方ありません。
そうやって、他人のせいにする子どもになるでしょう。

子どもが自分で選択する道が、親にとって不都合であっても、しんどいことが目に見えていても、それを尊重することが「子どもの選択する権利の尊重」になります。

親にとってここがとても難しい点ですね。

親だけではなく、夫婦間、恋人間、友人間も同様です。

完全な自由を認めることではないことに注意

とはいえ、家族の場合、一人の選択が、他の家族を巻き込む場合も多いです。

家族というのは、それが一つの単位になるからです。

会社と同じで、一人の従業員の不祥事が、会社全体を巻き込みます。

家族の一人が、犯罪を犯すと、家族まで巻き込まれてしまいます。

巻き込まれる場合は、自分事になりますので、相手に干渉する必要があります。

他者の選択する権利を尊重することは、完全な自由選択の権利を認めるものではありません。

それは「わがまま」「幼児化」を生むだけです。

一定のルール・制限が必要で、その中での選択する権利になります。

精神的な影響は「自分事」と捉える

自分が影響を受けるものに関しては、干渉が必要ですが、難しいのは、自分が精神的にのみ影響を受けることです。

自分が精神的に困るから、相手に干渉するという境界線越えはとても多く見られ、問題につながります。

物理的な影響を受けるものは干渉が必要ですが、精神的に影響を受けるだけのものは干渉するのは境界線越えになります。

相手の行為によって、物理的に被害を受けるのは問題です。
しかし、相手の行為によって、物理的な被害はなく、精神的な被害のみ受ける場合は、自分の問題として捉えることが重要です。

たとえば、子どもが勉強していないので不安になるという場合、自分の不安を見つめていくことがよい解決策になるでしょう。

ここはカウンセリングが有効な場面ですね。

ルールを決めて、ルール内で決定権を与える

親子間の境界線は、万人に適切なラインがあるわけではありません。
家族間のルールというのは違って当然です。

家族の中で、きちんとルール(制限)を決めるとよいでしょう。
ルールの中で、子どもに選択する権利を与えるようにすれば、子どもは選択できる自由がありながら、ルールを守れる子になるでしょう。

このとき、ルールが曖昧だったり、ルールが親の都合で変わると、子どもは混乱します。

会社も同じですね。
社長の都合でルールが変わる会社は、社員の不満が大きくなります。
社員の主体性が育ちません。

ルールは状況の変化に応じて変える

ルールというのは、環境や状況が変われば変えていく必要があります。

子どもが小学生のときのルールと中学生の時のルールは異なるでしょう。
ルールを適宜変えていくことも必要になります。
また、親が一方的にルールを決めるのではなく、子どもの同意の上でルールを決めていくほうが望ましいです。

これは会社でも国という単位でも一緒ですね。

たとえば、社会保障に関する法律(ルール)は、人口ピラミッドが△の時代と、少子高齢化が進んでいる時代では、変えていく必要があります。
法律を守ることはもちろん大事ですが、時代の状況に合わせて変えることが重要だと思います。

政治家が一方的に法律を決めるのではなく、国民の同意の上でルールを決めていくほうが望ましいです。

その上で、ルール内で「選択をする権利」が尊重されると満足感は高くなるでしょう。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

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