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「私は愛されない存在」という虚構の物語を手放す

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自分自身のネガティブな虚構が人生をネガティブにする

私はハートで生きるためにという視点でいろいろな切り口から書いているのですが、どうしても似たような主張になってしまうかもしれません。
それでも表現を変えて、理解の助けになればと思って書いています。

ユヴァル・ノア・ハラリさんが「サピエンス全史」で「虚構を信じる力」について書いていますが、私は、人生をネガティブなものにする大きな原因が、自分自身のネガティブな虚構だと思っています。

自己否定感とか、無力感とか、罪悪感とかに派生しますが、要は「私は愛されない存在だ」という虚構です。

私は愛されないというのは大嘘

これってまったく事実ではありません。
しかし、深層心理でそう信じ切っている人がいます。
それも結構多い人が信じています。

どうして、こんな虚構(フィクション、物語、ウソ)を信じているのでしょうか?

親との関係が大きな原因

いろんな理由がありますが、大きな原因の一つが、親との関係です。

親から愛されていないと感じたことが原因です。

簡単に言えば、親からありのままを愛してもらえなかったため、「ありのままの自分では愛されない」と思い込んでしまったのです。

子どもの要望をすべてかなえることなど不可能

でも、冷静に考えると分かりますが、親は忙しいですし、いつでも子どもの面倒を見れるわけではありません。家事や仕事などやらないといけないことは山ほどあります。

そして、私たちはエスパーではないわけで、子どもの気持ちを完全に分かって寄り添ってあげることなどできません。
また、社会のルールがある以上、子どものニーズを抑えなければならない場面はたくさんあります。

仮に全部かなえてあげていたら過保護になり、それもまた虐待同様に子どもの力を弱めてしまいます。

ありのままを受け入れてもらえないのは当然

つまり、どう転んだとしても、程度の差はあれ、子どもは親から「ありのままを受け入れてもらっていない」と感じるのが当然です。

但し、明らかに親が子どもを愛していなかったり、暴力や暴言を振るったり、自由な振る舞いを制限していたり、逆に過保護だったりすると、「ありのままを受け入れられていない」「私は愛されていない」という思い込みが強くなります。

これが健全な親であれば、子どもの自己肯定感はある程度健全に育っていきます。

一つの虚構から更なる虚構の物語が生まれる

「ありのままの私では愛されない」

という虚構を信じると、今度はそこから更なる物語が派生していきます。

まず、「どうして私は愛されないの?」という疑問が出てくるはずです。

このとき、親から答えを聞くことはできず、親が断片的に言う言葉から子どもがその答えを推測します。

親の口癖になっている言葉もありますね。

「私がダメな子だから」
「私がいい子じゃないから」
「私に魅力が欠けているから」
「私がブスだから」
「私が頭が悪いから」
「私の性格が悪いから」

このとき、努力では改善できないことを理由としたとき、たとえば、容姿や資質であれば、もうどうしようもないことになります。

改善策がなく、ただ自己否定や罪悪感になるだけです。

虚構の物語から世界観が生まれる

この虚構の物語から、自分の世界観が生じます。

たとえば、自分のことを魅力がないと思っていたら、人の輪に入ることに消極的になり、自分に自信が持てなくなります。
いろいろなチャンスを失うことになります。

仮に認められない場所にいても、そこから抜け出そうとせず甘んじることになります。
本当はやりたかったこと、挑戦してみたかったことにもフタをして、人生の選択肢を大きく狭めてしまいます。

また、他人との会話もネガティブに受け取るようになりがちです。

「私は魅力がない」が前提にあるので、そう受け取ってしまうのです。

相手が悪気がなく言った言葉でも悪く受け取ってしまったり、逆に明らかに悪意ある言葉や言動に対し、健全に反論や否定することができずに受け入れてしまい、傷ついてしまうのです。

親=世界

赤ちゃんにとって、親は神様みたいな存在です。
親とのつながりは特別です。
これも虚構ですが、血のつながりを神聖視しています。

親は社会を表すものであり、世界を表すものです。
そのため、親に愛されない=社会・世界から愛されない=神から見放されている、と深層心理では考えているのです。

親から嫌われても生きていける

ですが、事実だけをきちんと見てみましょう。

親から嫌われたら生きていけないでしょうか?

決してそんなことはありません。

いくら親から嫌われたり、仮に捨てられたとしても、そこに対して何も執着を持たなかったとしたら、普通の人と何も変わりません。

今、生きていく上で何も困ることはないのです。

苦しみは虚構を信じているから発生する

この事実があるのに、虚構の世界で生きているので、苦しみがあるように感じているのです。

でも、その苦しみは虚構の世界を信じているから発生しているものです。

親から嫌われたとしてそれが何だというのでしょう?

実際には何も困ることはありません。

親がいなくても生きていける

親ではない人に育てられても、十分生きていけます。

少なくとも日本は赤ちゃんのまま放置される国ではありません。
子どものまま飢え死にさせるような国ではありません。

自分で稼げる年齢になれば、稼いで生きていくことができます。
読み書きなどの勉強も得ることができます。

事実だけ取ってみれば、何も困ることはないのです。

拗ねているだけ

ですが、虚構の物語を信じて、「私は愛されないから」と拗ねていて、それをこじらせて不良をやったり、人を困らせたり、真っ当な道から外れたり、何もできないフリをしてみたり、引きこもったりしているのです。

虚構の物語を手放しさえすれば、今、前向きに生きていくことができます。

今の恵まれている社会であれば何だってできますよ。
少なくとも生きていくだけであれば簡単です。
選ばなければ仕事だってありますし、工夫で仕事を生み出すこともできます。

知恵を絞ればいくらでもやり方はあります。
分からなければ人を頼って教えを請えばよいのです。

自分で虚構の物語を手放そうとしていないことに気づくこと

でも、虚構の物語を手放そうとしません。
虚構の物語に縛られて、いつまでも執着しています。

「親が愛してくれさえいれば・・・」
「親がありのままの私を受け入れてくれさえいれば・・・」
「親に私の気持ちを分かってもらいたかった・・・」

これがこじれて拗ねになっています。

「親が分かってくれるまでは絶対許さない」
「不幸な自分でいて、親に罪悪感を与えてやる」
「親の育て方が間違っていたことを証明してやる」

人生が苦しいという人は、自分の内側で、虚構の物語を手放そうとしない自分に気づく必要があります。

自分の人生は自分の責任

人生は自分次第です。

他者が変えるものではありません。
人生の責任は自分にあり、それをきちんと理解しなければなりません。

厳しいと受け取る人もいるかもしれませんが、これは当たり前のことです。

ただ手放すだけ

「いや、そうは言っても虚構の物語を手放すのはできません」
「どうしたら虚構の物語を手放せるのでしょうか?」

握り締めているのですから、手放せばよいだけです。

ハンカチを手に握り締めていて、「手放すのはどうすればよいですか?」と聞いているのと同じです。

ただ手放したらいいだけです。

あなたが悪いわけではない

このとき、自分で握り締めているとしたら「自分が悪いんだ」と受け取る人がいます。

そうではありません。

あなたが悪いわけでもダメなわけでもありません。

そもそも、握り締めることそのものが悪いわけでもないのです。
虚構を信じる力があるからこそ、人類は発展してきたわけで、それを否定する必要はありません。

人類は虚構を信じる力がありますが、同時に、虚構を見抜き、手放す力も兼ね備えています。

それをただ実践すればよいのです。

それをしていないことを責めているわけでも、否定しているわけでもありません。

ただ、事実として、握り締めているので、それを手放せるのは自分しかないということをお伝えしているだけです。

「自分が悪い」「私が間違っている」と受け取らないでくださいね。

虚構を信じることも人類の発展のために欠かせなかったのです。
何も悪いことではありません。
ただ、もう、その虚構を脱ぎ捨てる段階に来ているというだけです。

だから、手放しましょうということです。

自分に向き合う

ハンカチであれば、握り締めていることに容易に気づけますが、虚構の場合は、なかなか気づけません。

まずは、自分で虚構を握り締めていることに気づく必要があります。

そして、大事なことですが、実は握り締めているのは「誰かに握らされている」のではなくて、「自分の意志で握っている」のです。

なので、手放そうとすると抵抗が出るはずです。
「手放したくない!」と感じるでしょう。

「手放したくないのはどうしてか?」というのを自問自答していきます。
そうやって、自分に向き合って、「もう手放そう!」というところまで持っていって、自分の意志で手放すだけです。

それは、あなた以外の誰かがやるべき仕事ではありません。
あなたしかできないことです。

カウンセリングでは、自分で手放せるようになるサポートをしています。
一緒に深層心理の恐れを見つけて、恐れを手放していくワークをしていきます。

「私は愛されない存在だ」という虚構を手放して、ありのままで生きる

「私は愛されない存在だ」という思い込みが虚構だと分かり、それを手放すことができれば、自分自身のありのままを肯定できるようになります。

自分の資質、性質をよいも悪いもなくただ認め、無理をせずに生きていくことができます。

なるべく自然体でストレスの少ない生き方ができるようになります。

それを妨げているのが、自己否定や恐れ、罪悪感、「こうあるべき」という思い込みであり、それの根っこにあるのが「私は愛されない存在だ」という虚構(嘘の幻想)だと感じています。

もちろん、ありのままのあなたを嫌う人もいますが、それは一部の人です。
嫌われたとしても、現実に困ることは大したことはありません。

恐れから、自分のありのままから離れてストレスを感じ続けるほうがよっぽど苦しいと思います。

ぜひ、虚構を手放してほしいと願います。

ABOUT ME
西川佳宏(よっし~)
西川佳宏(よっし~)
境界線専門カウンセラー。境界線(バウンダリー)専門・心理カウンセリング「セルフコンパス」代表。 会計事務所・外資系証券会社・医療設備メーカーでの10年超の会社員経験を経て、2012年6月にセルフコンパス設立。英国HOLISTIC HEALING COLLEGE Integrated Counselling Diploma取得。心理カウンセラーとして境界線を適切に引くためのサポートを提供。 特に効果が高いのが人間関係の悩み、自己肯定感が低い悩み、過剰責任感・完璧主義の悩み、罪悪感の悩み、HSPの悩み、不安・恐怖の悩み、うつ・不安障害の悩み。 柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら

POSTED COMMENT

  1. ピコ より:

    こんにちは、
    初めてメールします。
    娘が男の人が怖いというので、何か解放してあげたくて、いろいろ検索していたところ、こちらへたどり着きました。
    ブログを拝見して、先生のセラピー方法を知りたいと思いました。
    もう、お辞めになってしまうのですか?
    よろしくお願い致します。

    • ピコさま

      こんにちは。コメントありがとうございます。
      現在、私のカウンセリングはサービス終了になりました。
      恐怖症で私が使っていたセラピーはEFTやマトリックス・リインプリンティングというものです。
      よろしくお願いします。

      よっし~(西川佳宏)

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