前回の記事「潜在意識の法則をマスターすれば願いがかなう……なんてことはない!」の続きを書いていきます。
以前ブームになった「引き寄せの法則」。
本によれば、類は類を呼ぶという法則で、ポジティブな思考、エネルギーはポジティブなエネルギーのものが引き寄せられ、ネガティブな思考、エネルギーはネガティブなエネルギーのものが引き寄せられるというものです。
結構信じていらっしゃる人がいます。
それは当然のことでたくさんの方が本にそう書いてあるから。
そして、それを支持する人がたくさんいるから。
もちろんそれを信じることは本人の自由ですし、ボクがブログで書いているのは単なるボクの一意見であって、間違っているかもしれませんし、押し付けるつもりはありません。
ボクが「引き寄せの法則」を否定しようとするのは、現実にそれで困っている人がいるからです。
クライアントさんにも結構多いです。
ブログの読者の方にも多いと思います。
ネガティブな思考が湧いてきたら、「ダメだ」とそれを否定し、抑圧しようとするのです。
そして、ポジティブシンキングができない自分を責めて、またネガティブに陥っているとさらなる悪循環に陥って、ネガティブの連鎖に入り、場合によっては軽いうつ状態になってしまいます。
ネガティブな思考があると、ネガティブなものが引き寄せられるのだとしたら、そりゃ嫌ですよね。
当然、ネガティブな思考を嫌います。
問題になるのは、ネガティブな思考を抑圧してもなくならないどころか余計強くなるということです。
セルフワーク講座を受けてくださっている方や抑圧投影の仕組みに詳しい方ならお分かりだと思いますが、抑圧するとかえって強くなるという心の法則があります。
そのため、余計な苦しみを感じることになります。
ここでの苦しみの原因になっている思い込みは「ネガティブな思考はネガティブなものを引き寄せる」というものです。
「ネガティブなことを思うとそれが現実化する」とも言い換えられるでしょう。
たとえば、不安が強い人がいて、パートナーとの関係の中でパートナーシップが破たんする不安を抱えているとしましょう。
すると、彼(彼女)からフラれる思考が湧いてくると、それが現実になるのではないかと恐れ、さらに破たんの不安が強くなります。
あまりに不安が強くなりすぎると、行動に変化が出ます。
彼(彼女)が自分を愛していることを確認するような言動を取ったり、束縛が強くなったりします。
すると相手はだんだん嫌になってくるでしょう。
「私のことを信頼していないんだ」
「自由がない」
「私が相手を苦しめているのだろうか」
「だんだんめんどくさくなってきた」
「これからもこんな状態が続くのはイヤだな」
「こんな感じであればずっと一緒にやっていけるのだろうか」…
場合によっては相手から別れを切り出されるかもしれません。
そして、「ほーら、やっぱり思考は現実化した! 私がネガティブな思考を考えていたことがいけなかったんだ」と思います。
そして、さらにポジティブ信仰を強め、自分のネガティブ性を否定し、余計苦しくなるのです。
確かに、不安が現実となったかもしれませんが、「思考が現実化する」とは関係ないことは分かりますか?
むしろ、「思考が現実化する」ことを信じているがゆえに不安を強めているのです。
では、対処すべきことは何だったと思いますか?
不安の感情をきちんと流してあげることです。
そうすれば、不安からくる行動を防ぐことができます。
感情解放にはEFTがオススメです。
でも、もし不安が現実化すると信じていると不安の感情を感じることを拒否してしまうのです。
そうすると感情解放のワークが機能しなくなります。
感情を出すことを拒否するので、感情のエネルギーも流れないのです。
なので、感情を出すことに許可を出してあげることが最初のステップです。
そうすると不安を解放することができます。
そして、不安がやってくるということは自分の内面には何らかの原因があります。
ここが不安の水を出している蛇口です。
蛇口を締める必要があります。
たとえば、無意識に「私は無力で世の中は危険なところだ」という信念があったとします。
危険がたくさんあると思っていれば不安になるのは当たり前です。
そして、危険に対応する力もないと思っていれば余計に不安になるでしょう。
つまり、不安が起こりやすくなる体質改善をする必要があります。
ここはカウンセリングの出番でしょう。
あっ、ちなみに不安についての仕組みと対処法は下記のセミナーでたっぷりお話しますね。
不安症 ~不安が頭からなかなか離れない方へのヒント~
「ネガティブな思考はネガティブなものを引き寄せる」
「ネガティブなことを思うとそれが現実化する」
これを信じることの弊害は理解して頂けたと思います。
次回も続きを書きます。