それでは、神の価値観とは何でしょうか?
それは…分かりません。
ボクが分からないだけじゃなく、神の価値観なんてそもそも人間には分からないんです。
だからこそ神の価値観なんです。
だから、宗教の名の下に、「立派な人になれ」「上等になれ」「人格を磨け」というのは間違っています。
この「善」も人間の価値観なのですから。
これは、宗教だけではなく、社会や組織でも同じです。
じゃあ、目覚めた人であるブッダは何を説いたのでしょうか?
「分別するな」
と説いたのです。あるがままにモノを見ろと。
もっと言えば、価値観から抜け出せということです。
「分別をしない」というのは、ボクたちが持っている価値観から自由になるということです。
これは、ボクがやっているカウンセリングにつながります。
カウンセリングでやっていることは、苦しみの原因となる価値観を見つけ出して、その価値観にとらわれないようにすることです。
ブログ記事「シャドウを受け入れる」にも書きましたが、「シャドウ=悪」を受け入れることで、価値観から解放されます。
価値観から自由になればなるほど、苦しみは少なくなります。
ありのままの自分やありのままの状況が受け入れられるようになります。
すると、新しい価値観が芽を出してきます。
その新しい価値観とは何でしょうか?
自分が本質的に持っている価値観です。
ボクはこれをハートの声と呼んでいます。社名のセルフコンパス(自分オリジナルの羅針盤)はこれが由来です。
これは必ずしも普遍的な価値観ではありません。時間や場所、条件によって変わることもあります。でも、その都度ハートに聞けばいいので、固定的な価値観にとらわれることもありません。
ハートの声に従って生きていくと、精神的な満足感が高いのです。
なぜなら、人から押しつけられた価値観ではなく、あなたの本質的な価値観だからです。
もちろん、ハートの声も、「非二元」の世界ではなく、「善悪二元論」のエゴの世界です。
ただし、ハッピーな世界です。がんばりがハッピーにつながる世界です。
そして、価値観から自由になればなるほど、エゴは成熟します。
これがエゴの成長プロセスだと思います。
その後、非二元の世界に行くかどうかは分かりません。でも、エゴが成長し、自然にその機能を必要としなくなったときに、非二元へとつながっていくんじゃないか…そんな想像をしています。
今回の話は、ボクなりに理解していることで、学問的に実証されていることでも何らかの本に書いていることでもありません。間違っている可能性もありますが、ボクはこの理解が一番しっくりきているので紹介させていただきました。
コンパクトにまとめましたが、ボクの主張のエッセンスとも言うべきものです。正直、ここの理解に行きつくまでにすごい時間がかかりました。参考になればうれしいです。
こちらもあわせてお読みください。
自我(エゴ)の成長プロセス 上
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