「正負の法則」というものを聞いたことがあります。
美輪明宏さんの著書に書かれているとのことですが、ウィキペディアで調べたら、「人は何かを得たとき必ず何かを失うという、人生訓の一種」とのことです。
よいことの次に悪いことが起こり、またその反作用でよいことが起こる。それをくり返して人生はプラスマイナスゼロになる、とのことです。
美輪さんがどういう意図で言われているか分かりませんし、文脈も不明ですが、上記の意味でとらえると、ボクの理解とは異なります。
この法則があるかないかは別として、「悪いこともあればよいこともあるよ」と言われると、悪いこと続きの人には希望が持てますね。今は悪いことが続いているけれど、きっとよいことが起こって報われるはずって思えるかもしれません。
ただ、あまりにこれを信じちゃうと、よいことが起こると今度は悪いことが起こるかもと心配になるかもしれませんね。よいことが不安の種になってしまうかもしれません。
推測ですが、美輪さんは絶望している人に立ち直ってもらうために「きっとよいこともあるから」って勇気づけたのではないかなと思います。
よいことと悪いことの割合が均衡するという法則は残念ながら成り立ちません。
なぜなら、よいこと悪いことってその人の「主観」だからです。
たとえば、電車の事故で会社に遅れたとします。
これをどうとらえるかはその人の「主観」によります。嫌な割合を0~-10で表すと、Aさんは-3かもしれませんし、Bさんは-7かもしれません。Cさんは逆に+2かもしれません。ラッキーだと思う人だっているでしょう。
だから、よいことと悪いことが均衡するということは原理的にありえないのです。
ただ、よいことを増やし、悪いことを減らすことはできます。
起こることを変えることはできませんが、起こることの解釈は変えられるからです。
過去のブログ記事「幸せになりたい人への特効薬」にも解釈をポジティブにする方法を書いています。
ボクは、よいことと悪いことが均衡するという意味で「正負の法則」をとらえておらず、正と負の二極のバランスがあるという意味でとらえています。
二極については、こちらの記事「二極の統合」で説明しています。
正も負も両方あって世界は成り立っており、両方あるからこそ、この世は豊かなのです。
「負」はどうしても嫌な感情や感覚を伴いますからできるだけ避けたいものですが、「そこにあるのはしょうがない」として認めてあげれば、うまく付き合っていけるかもしれませんね。