佐村河内守さんの事件から読み解く「自己愛」の誤解について

作曲家、佐村河内守さんのゴーストライター事件が世間をにぎわしていますね。
ボクも驚きを持ってこの事件を見ました。
佐村河内さんは耳がまったく聞こえない作曲家で、クラッシック音楽を作り、「現代のベートーベン」とも評されていました。NHKスペシャルにも取り上げられ、聴力を失った苦悩や東日本大震災への被災者に向けたピアノ曲制作の経緯などが紹介され、話題を集めていました。著名な音楽家や評論家も絶賛していたようですね。
ところが、昨年、月刊誌「新潮45」11月号で、佐村河内さんの全聾の疑惑について取り上げられ、今月はじめに新垣隆さんが、佐村河内さんのゴーストライターを18年間務めていたことを会見で明らかにしました。佐村河内さんの作曲はすべて新垣隆さんのものでした。

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この事件についてどう読み取るかは人によって様々ですので、どうこう言うつもりはありませんが、いくつか記事を読む中で、佐村河内さんは「自己愛が高すぎて…」みたいな記述があったので、ここは区別しておきたいなと思いました。

カウンセリングで目指している「自己愛」と、ナルシシズムという「自己愛」はまったく違います。
カウンセリングで言う「自己愛(セルフラブ)」はこちらの記事でも書きましたが、自分のありのままを受け入れている状態です。だから、どんな自分でもOKを出せている状態なのですね。どんなときでも自分が好きなわけです。「ポジティブな自分はOK、ネガティブな自分はNG」ではありません。

しかし、ナルシシズムの「自己愛」は違います。ボクはナルシシズムを「自己愛」と訳すのはあまり好きではないので、「ナルシシズム」と呼びますが、ナルシシズムは自己愛(セルフラブ)が欠けている状態なんです。
ナルシシズムの人を「ナルシスト」と呼びますが、「私はすごい」とうぬぼれています。批判には敏感で賞賛を求めます。
佐村河内さんは虚構の自分を演じることができました。普通はあそこまでの嘘はつけませんよね。嘘をつくと罪悪感がありますから。でも、そこまで嘘をつけるということは、そこまでして自分を大きく見せたいということなのです。
これは裏返すと、本当の(ありのままの)自分を認められていないということ、つまり、自己愛の欠如なんです。
自己愛が欠けているから、平気で自分を大きく見せることができます。
自己愛が欠けているから、平気で嘘をつくことができます。
自己愛が欠けているから、他人の賞賛を求めようとします。
自己愛が欠けているから、自分のハートよりも他人にどう思われるかが重要です。

ナルシストは、一見自分大好きに見えるのですが、実は心の奥底では自分を認められないのです。本当の自分を認められたら、嘘をついて自分を大きく見せる必要がないですからね。
そして、ナルシストは一見、ハッピーに見えますが、心の奥底はかなりの苦悩を抱えています。佐村河内さんの場合は、表面的には嘘をつくことへの罪悪感はないように思われますが、無意識では罪悪感を感じているはずです。そして、どんなに佐村河内さんが他人から賞賛されて、名誉や金銭を得ようが、満足できなかったはずです。なぜなら、それは偽った虚構の自分だから。
たとえば、全然モテないと思っている人が、「あなたはおモテになってうらやましい」と人から言われてうれしいかと言えば、そうではないはずです。貧乏だと思っている人が、「あなたは豊かな生活をされていますね」と言われてうれしいかと言えば、そうではないはずです。
佐村河内さんの場合は、理想の自分を目指そうとしたので、そのように評価されることで表面的にはうれしかったでしょう。しかし、満足感はなかったと思います。ハッピーじゃなかったでしょう。本質的な自分が認められたわけではないということを知っていたから。
今回の告発で、佐村河内さんは大きな苦悩を感じているはずですが、心の奥底ではホッとしているかもしれません。

ありのままの自分を受け入れることができたとき、真の意味で、自己愛が高まり、他人の評価ではなく、自分のハートに従って生きることができます。そのときに心からの満足感が得られるのです。
私がカウンセリングを通じて、多くの方に提供したいことはそこです。


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ABOUTこの記事をかいた人

よっし~(西川佳宏)

心理カウンセラー/セラピスト(東京・新宿)。「心地よく、自分らしく、生きる」ためのサポートを提供。得意分野は人間関係の悩み、対人恐怖の悩み、感情・自己否定・マイナス思考の悩み、不安・恐怖の悩み。柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。プロフィールの詳細はこちら