前回のブログで、この世界は「善悪二元論」の世界だと説明しました。
ここでの「善悪」というのは、価値観によって決まります。
たとえば、「がんばらなければいけない」という価値観では、「がんばること」が善であり、「がんばらないこと」が悪になります。
価値観は人によって違うし、時と場合によっても変わってくるので、善悪というのは固定しているものではありません。
また、善も悪もそれぞれが単独だけで存在できるものではなく、両方必要なものです。
コインの表裏の関係です。
両方を統合したとき、両方ともにとらわれなくなります。
この世では対極を必要とします。
たとえば、「生と死」「プラスとマイナス」「N極とS極」「北と南」「東と西」「陰と陽」「夏と冬」「強と弱」「男と女」「西洋と東洋」「白と黒」「正と負」「戦争と平和」…など二極がありますが、それぞれ、片一方だけでは成り立ちません。片方があるから、もう一方があるのです。
生は対極が必要ですが、ボクたちはどうしても片方だけを目指そうとします。
「健康と病気」、「美しさと醜さ」、「成功と失敗」、「快感と痛み」、「至福と苦しみ」、いずれもポジティブの側を善いとします。
でも、両方あるからこの世の中は豊かになっているんです。
病気や醜さや失敗や痛みや苦しみがあるから、人生に緊張が起こります。
その緊張がなければ、生に喜びは起こりません。
善だけならこの世はずっと色あせたものになるでしょう。
人間は、この世界の縮図です。
この世と同じように、対極が存在します。
そして、すべてを備えています。
「明るさや暗さ」「がんばりとダラダラ」「強さと弱さ」「謙虚と傲慢」「真面目と不真面目」「自立と依存」「頑固と素直」「温厚と冷酷」…たくさんあります。
人は両方すべてを備えています。
欠けることがない自分であることに気づいたとき、二極の統合が起こります。
すると、生の豊かさをより実感できるようになります。
ボクは、ずっと欠点を克服しよう、長所を伸ばそうとがんばってきました。
もちろんそれも大事なことです。
でも、心の仕組みを勉強して、自分の嫌な部分を受け入れることを学びました。
受け入れれば受け入れるほど、自分が好きになり、世界が豊かなものに見えてきました。
この世は二極の価値を学べる最高の舞台だと思います。
ボクもカウンセラーとして、皆さんの二極の統合を精一杯サポートします。